クロロ
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念能力者というものも様々なものがいる、強化系ならば真っ直ぐ戦闘向けといったように様々な人に様々な念の能力が存在するものである、その中でも彼女は金になる能力を持っていた
彼女が念じればその分金が溢れ出る、その念は彼女の制御で出来ておらず生まれたときから出ている能力であった、それ故人はそれを望んで彼女をマーケットの商品とした
「私ね、クロロのこと好きだよ」
彼女の能力には彼女自身への欠点がある、それは彼女の世界には色が何もないことだ、白と黒のようなモノクロの世界であるのは決して生活面としても不便な面などない
だから彼女にとって当たり前のことである、大きすぎるベッドで寝そべる少女は嬉しそうにいった
「どうして」
「だって、クロロはいつも黒と白だもん」
そういいながら少女はクロロを見つめていた
本から顔を上げて彼女の相手をするように返事をした、少女は商品だったオークションの金になる木のようなもの
前の持ち主が死んだからといって売られたとは言うがそんなものは体を見ればすぐわかった、彼女が拒否をし続けた故に受けた傷は大きく、それでも念は消えないばかりだ
宝石に現金、どんなものであろうと金に一番近いものであればあるだけ溢れるように出ていく、彼女の触れたものにさえ、彼女の唱える数だけ、物は増えていくばかりだった
「だからね、私クロロにならなんだってあげる」
笑いながら彼の足元からは様々な宝石があふれ出た、彼にとって金などどうでもよかった宝石であろうとそれ以上にほしいものなどない
彼にとっての芸術だと思ったもの以外関心もしない、少女は幼いながら世界の矛盾も世界の憎しみも愛も何もかもを理解していた
今までの彼女の持ち主の中で一番クロロという存在を気に入っていた、優しい飼い主だからだろうか、まるで鳥のように籠の中にずっといる彼女は飛び立つ気もなくいつもそこで彼女はまつ
「もし、俺がお前さえも望まないなら?」
「...それでもいいよ、生かすも殺すもクロロがしてくれたらいいの」
「お前は変わらないな」
ため息をつくようにクロロは笑って言う、リーリェとの出会いもそうであった、幻影旅団のメンバーがオークション会場を襲った時にそこにいた彼女と目を合わせたとき、彼女はただ死にゆく会場の人間をみては拍手を送って笑顔を向けていた、最初こそ殺されそうになっていたがそこに団長であるはずのクロロは現れていた
「素敵だね、私も殺してくれるの」
まるで幼い子供がサーカス団をみるように好奇心旺盛に彼女はそういって団長にいった、そこまでして死にたい理由がわからずに声を掛けた
「素敵だろ?こういうのは好きか?」
本当に子供を相手するようにその少女にクロロはいって、ヒソカのようにトランプを出してはそれを見せた途端に初めて見たのか彼女は楽しそうに彼に近づいていった
そして彼女はそれを一通り見た後に唱えて言う
「-我が金を、我が宝を、この者、クロロ・ルシルフルに授けよう-」
唱えたと同時に天井から溢れんとばかりに出てきた宝石に全員が目を丸くした、少女は当たり前だというように笑って落ちた宝石たちを手に取ったあとそれを彼に授ける
「私、これくらいしか..できないけど、でも、これが私の気持ちなの、ねぇクロロさん、私あなたのためなら死ぬのも生きるのもどうだってかまわないよ」
呪いのようなその言葉、ふと思い出してはまたベッドの上ではしゃぐように飛び回る少女を見つめて、クロロは笑う
「お前は、俺以外を欲しないな」
そういったことに少女は動きが止まった、表情は無に変わったと思いきや恥ずかしそうに表情を変える、クロロは理解している
少女が彼を深く愛していることを、世界がこの部屋だけなのだと
「だっていらないから」
「理由はないのか」
「クロロのこと知ってるもん..私の能力をコピーできるのにしないからうれしくて仕方ないんだもん、いらないのに残してくれるのは必要だから?」
自問自答のように彼女は答えに悩みつつも笑った
「でもそんなのどうだっていい、私の籠はクロロだから」
鳥は小さく鳴いた、幸せを奏でるように
クロロの隣に回ってみつめる、その瞳に色などないはずなのに美しさは消えることなく続いていた、手を伸ばしてその頬を撫でれば嬉しそうに目を細めてその手に重ねていう
「だから、ね」
「私を殺してね、ずうっと苦しくつらい方法で」
お願いよ、まるでそれは呪いのように彼女は微笑んだことにクロロは笑う
「あぁ、どんな人間よりも苦しい方法でな」
愛おしく、その言葉に愛をこめて
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