しょうげきと料理
ヌメール草原の中は泥濘も酷ければ足を進めるたびに霧は濃くなる
入ってわかるがサトツを一瞬でも見失えば終わることだろう、困ったものだとリーリェは思いながらも足を進めていけばキルアが小さく言う
「もっと前にいこう二人とも」
「うん、試験官を見失うといけないもんね」
「違うよゴンちゃん...ヒソカだよ、あの人きっともうすぐ動くから...私たち巻き込まれないようにしなきゃ」
その通りだった、ゴンにはわからずとも人を殺したい人間の匂いはよくわかる体の中の血の匂いが濃くなり、周りの血を求めたくて動くのだ
恐ろしいほど濃くなるそれに背筋が凍りそうなほどで、キルアとゴンが話している間にもそれはまるで味を濃くさせる
キルアが自分についてやヒソカに対しての話をしたというのにゴンは呑気に大きな声をあげてレオリオとクラピカに早く前に来いといっていたことにため息をつきそうだった
それから数分経ってからだろうかすぐに大きな悲鳴が響いてから次々と森の中に様々な音がこだまする
全員が見失い始め迷い始めているのがよくわかっている、後ろ側にいたクラピカ、レオリオを心配そうにゴンと一緒にみていれば、キルアには注意をされる
「せいぜい友達の悲鳴が聞こえないように祈るんだな」
「もうキルアちゃん冷たいよ」
「...なんだよ、本当のことだろ」
「でも」
その途端レオリオの声が響き思わずみつめて足を止めたがゴンが走ってしまった
あっけを取られてリーリェはキルアをみれば、キルアはゴンを追いかける気もないらしい
「キルアちゃん、私行くから待っててね」
「ああ、気をつけろよ」
「うん、それとキルアちゃん」
「なんだよ」
「やっぱなんでもない」
そういったあとにすぐに走り始める、ヒソカと接触したゴンがどうなっているかと心配してキルアもみれなかった、足を進めてすぐ近くだった
着いた時にはちょうどゴンがヒソカの顔に釣り竿の先を当てていた、レオリオを手に欠けようとするヒソカに唾を飲み込み踏み込もうとしたが話をして、レオリオがまた攻撃に繰り出そうとするが一撃で伸ばされてしまう
ゴンの首にすぐに手を触れさせたときに少し震えた足が踏み出す
「待って!!」
「...んー君も来たのかい?」
「それ以上したら、私は許さない」
「そんなに殺気をださないでおくれ」
ゴンから手を放して、ゆっくりと近づいてきたヒソカは目の前に立って目線を合わせてきたと思いきや、頬に触れてくる
男性にしては綺麗な指先が触れたかと思いきや、何かが唇に触れる
「彼は無事だ、それに君もゴンも合格だよリーリェ」
「...へ」
そのあとにすぐさま電話がなって音声が聞こえたヒソカはレオリオを抱えたが、ゴンは別の意味で座り込んだ後
リーリェは顔を赤くさせてそこに座り込み、唇に触れた、そしていわれる『お前は本当に...なんでそんなことばっか』呆れたような声に返事もできずにクラピカの声にようやく意識を取り戻した
「大丈夫かリーリェ!やつになにを..」
「クラピカぁ..」
「あぁ..こわかったな」
思わずクラピカの腰に抱き着けば優しく頭を撫でられる怖いというよりも驚きが隠せずに一次試験を終えることになるとは想像もしたくなかったものだった
その後腰の抜けたままでゴンにおんぶをされて、二次試験会場前まで到着した
「はぁぁぁ??」
「キルアちゃん怒らないで、たたかないでよ」
軽く頭を叩かれたリーリェはヒソカとの話をしていたが、とにかく安心したようなキルアに胸を撫でおろす
大きく腫れたレオリオの顔に鞄を漁り、冷却シートを出して張っておくがいまだに起き上がる気配もない
二次試験は正午に始めるとのことで先についたメンバーは全員そこにまた立ったままだった
そしてきっちり12時になったと同時におかしな音を中から立てるドアが開いた、その奥には大柄な男性と細身の女性
その二人もプロハンターかと思えば、男性だけではないのだと再確認してしまう
「そんなわけで二次試験は 料理 よ」
女性のその声にざわつく会場、料理といわれても様々なものがあるそれこそマイナーな国の料理などわかるわけもなく、二人の指定された料理を作るのが今回二次試験の合格条件とのこと
いったいどんなものがでるのだろうかと皆がおもっていることだろう、まず大柄でよく食べそうな男性は涎を垂らしながら
「豚の丸焼き」
とのリクエスト、だがこの辺りには豚がいるのだろうか?と思わず思ってしまうのだがいないものは出さないだろうとのことで全員が動き出す
走り出してすぐにみつかったそれは、大変巨大な豚というよりもイノシシのように鋭い牙を持つものだった、普通に倒したとしてもどうするものか...と考えた矢先ゴンが初めに動き頭部が弱点だとわかる
『これじゃ、俺はいらねぇじゃねぇか』
「ごめんね、じゃあ豚さんごめんなっさい!」
そういいながら倒れた豚をソレに持たせてすぐ会場に戻り丸焼きを作りもっていき合格をもらう、合計人数は78人でありそれなりの合格者だが、次の女性は先ほどの男性と比べどうみても食べるようには見えない
おまけにそんな簡単な料理はだすようにもみえずに、どうしたものかと思ってみていれば彼女はいう
「スシよ」
スシ?スシ?シースー?聞いたこともなければ口に含んだこともないかもしれない、全員が思ったことだろう
彼女の説明では小さな島国の料理らしく、米を使うとのことだが想像もできないが、だが味方にクラピカがいることにより知識はそれとなく理解する、ともかく魚を釣って捌くことは確実だと予想する
近くの川や池に行き魚をみるが、食べれはするがおいしそうとは思えなかった
『スシか、難しいぞ』
「知ってるの?」
『あぁ、だが答えはやらねぇ..だがそうだなぁ魚はあれにしな』
「あの青と白の魚?」
言われた通りに一匹のそれを捕まえ戻る前に言われた生えていたミントのように独特のさっぱりとした匂いのする葉も手に取り戻る、包丁と魚を前に捌くことはわからずにシャドーがすぐに鱗を取りしっかりと切り身をわけてくれた
その間にもみんなすぐに審査を受けてはバツをつけているらしく、だが彼女の腹が膨れてはどうするか..と思ってしまう
ゴンとレオリオはダメだったらしく、おまけにゴンはレオリオと同等だったらしいのを聞いて少し驚くが二人とも少し似ているから..と納得する
目の前にある魚の切り身と草をどうするかと考える、その時だった大きな声が響いた
「メシを一口サイズの長方形に握って、その上にワサビと魚の切り身を乗せるだけのお手軽料理だろーが!」
その言葉が試験官を怒らせたらしくだいぶ言われたスキンヘッドの男性をみたあとに取り合えず炊き上がっている熱い米に酢をいれて味をみながら混ぜる
普通でもあれかと考えながら、ミルフィーユのように重ね、魚と米の間にその独特の臭いのそれを挟み、それとなくできたそれをみる
『スシってのは女には難しいんだぜ』
「そうなの?」
『女だと体温が高いだろ?そうすると魚の味も落ちるんだ』
「最初にいってよ」
といいつつも、最大のヒントをたくさんくれた相手に文句はいえず緊張する中、試験官である女性メンチの元にもっていく
途切れることのない人だかりをようやく終えて持っていけば、驚いたような顔をされる
「へぇ、いい感じのがきたじゃない」
「お願いします」
「やっぱり女の子は礼儀正しくていいわねぇ」
そういって口に含んだメンチの様子を伺う、小さなスシはすぐに彼女の胃の中に消えていき最後にお茶を飲んだ彼女は真剣な顔でみる
「一番いいけど、あなたもダメ」
「あの、一つだけいいですか」
「いいわよ」
「女性がスシを握るには体温が高くて難しいと聞きましたが本当ですか」
「...そうね、だけど職人はそこをきっちりと考えてするわ、次に期待するから」
そういった彼女の瞳は応援していると言っているような気がして急ぎ足で戻ったが次ができることなく終了の音がなってしまい
全員が不合格といわれてしまうがそんなものを認められるわけもなく会場が騒々しくなる
その中の一人は大きくメンチに抗議しているが、彼の言い分は彼女に飲み込まずいよいよ襲い掛かろうとした途端に一発で弾き飛ばされた男をみて全員がだまる
メンチの言葉には共感する分、それでもあまりにも厳しい言葉にどうしたものかとおもったが
「それにしても合格者0はちとキビしすぎやせんか?」
そう聞こえたと同時に上を見上げればハンター協会のマークがみえ、老人が一人降りてきた、普通に見ても常人では及ばないその力量が目に見えるその者をネテロ会長だと知らされる
メンチとネテロの話し合いの結果、試験はもう一度やりなおしとなり「ゆで卵」になった、だがそんな簡単なわけもないであろうと思いながら連れてこられた先には深い谷
マフタツ山のクモワシの卵を使ってとのこと、それを聞いた途端に全員で顔を見合わせて笑う
「「「よっしゃー」」」
そういい降りてものの数分で戻ってゆで卵を作って食べてみればわかる、口の中に深く広がる甘さのある卵の黄身にしっかりとした白身どんな卵にも及ばないようなそれに声を出して味を実感してしまう、メンチに手を出そうとした男性が近寄ってきていう
「俺にも食わせてくれ」
そういった彼に渡した彼はなんともいえない顔であった、メンチは頬をゆるめながら、おいしいだろうと彼に聞いた
彼はまた次来るといったのを聞いて、試験にこう落ちるのか..とも少し思えてしまった
第二次試験合格者:49名
着々と減っていく人数を聞いて、いよいよ試験は本格になるのだろうか?と思いながらもゆで卵を食べようとみればなくなっていた
「キルアちゃん食べたの!?」
「ぼーっとしてたからだろ」
「そんなぁ、もいっこ取ってきたのは食べたかったからなのに」
「リーリェ、俺のあげるよ」
「ゴンちゃんを見習ってよキルアちゃんの馬鹿」
なんてまるで試験に似合わない声が響くのを周りは少し微笑ましそうにみていた