ろうじんとぼーると少年少女
あの後船に乗せられた49名のハンターたちには先ほどの会長の改めて自己紹介
ビーンズからは明日の朝8時が到着予定とのことを受け、あとは各自自由だと言われたリーリェはキルアとゴンの背中をみつめてその場に残ったのをレオリオとクラピカは不思議そうにみた
「いかねぇのか?」
「え、うん...キルアちゃんきっとゴンちゃんと二人になりたいと思うんだ」
「どうしてだ?」
「きっと、キルアちゃん中に溜めてるもの少しだけ吐き出したいと思うから、私いいんだ」
「そうか、私たちはもう寝ようと思っているがリーリェはどうする」
「少しだけ、船の中みてくる..おやすみなさいクラピカ、レオリオ」
そういって別れた二人と別にリーリェは少しだけ歩いて、外の景色をみつめた空の上から見える景色を見つめた、ほかの者もクラピカ・レオリオ同様疲れのせいか仮眠をとるものもいれば、話をしていたり、様々だった
「もし、試験が終わったら私どうしよっか」
思わずつぶやいた言葉にソレは何も言わずに小さな姿になり現れて見つめた、結局のところを言えば考えなどなにもなく、目的もだったいうならば暇つぶしであり、家に戻ってもどうということもなかった
仕事をこなして人形として生きるのも、目標もなく生きるだけだったどうあがいても変わらない世界の一部となるならばまだ少しでも楽しんでいたかった
「やぁ」
「っひ!」
「そんなびっくりするとはね」
ねっとりとしたような独特の声に驚いて見上げれば奇術師がそこに立っていた
殺気は極力抑えられているやつの気に押されながらもその場に留まっていれば、隣に立ち外をみつめる
「なに?」
「君と話したかっただけさ」
その声がいやに恐ろしさを含んでいるようで背筋がゾクリとする、細い指先が目の前を通り窓枠を撫でる
「私は話すことなんてないとおもうよ」
「そうかい?僕は君のソレが気になるんだけどねぇ」
「...残念、あの子貴方のこと嫌いだって言ってたから」
これ以上話をしていても時間の無駄だと思い、リーリェは歩き出す背後からの重たいオーラに振り返れば楽しそうに彼は笑った
「ねぇヒソカ」
「なんだい」
「私もあなたが嫌い」
嫌悪というほどではないが、子供の純粋な気持ちとしての嫌いをぶつければ楽しそうに笑いだす彼に理解が及ばずにため息をついて足を進める
きっと今頃ゴンもキルアも話を終わらせているだろうとおもい足を進めた、小さく現れたソレはいう
『ありゃ変態だな』
「人のことそんなこと言ったらダメだよ」
否定はしないけど、と思いつつも足を進めた先に特徴的な銀髪が見えた服を脱いで汗だくの彼を不思議に思った時に香る血の匂い、足を一瞬止めたがこちらに気づくと冷めていた瞳が光を宿したのをみて胸を撫でおろす
「キルア..ちゃん?」
「あれリーリェじゃん、なにしてたんだよ」
「少しだけお話してたの、キルアちゃんはゴンちゃんどうしたの?」
「...あのじじいとボール取りゲームしてる」
素っ気ない言い方になんとなくキルアの性質上あの会長であるネテロには勝てなかったのだろうと察していれば、ジトリとした目が向けられる、その瞳は兄に似ているといいたくもなるがそういえばきっと嫌がると予想して口をつぐんだ
キルアはプライドも高く絶対に自分が勝たない限りいやな性質な、それでも無理ならあきらめてしまうが苛立ちは隠せないでいるのだろう、その証拠が奥に存在している
「少しみにいこうかな」
「なにリーリェも参加するのかよ、どうせ無理だぜ?俺たち二人でも..いやリーリェならいけるか」
「なにいってるのキルアちゃん、"私"じゃ無理だよ」
「まぁいいや、行くなら奥の広い扉のとこだから」
「キルアちゃんは?」
「シャワー借りて寝てくる」
少しだけ見えた寂しそうになった瞳に知らぬ振りができずに聞きそうになってしまうが、きっと答えてもくれないだろうと思い言えずに胸にまたしまい込んだ
キルアの様子はずっとおかしい、ゴンと出会い試験を始めてから、それは思春期という簡単なものではないような気がした
答えは彼にしかわからないことだが、本当にキルアにもわかることなのか怪しかった、1言2言と会話をして別れ扉の奥から聞こえる小さくも派手な音、相当二人とも熱が入っているらしく扉を小さくノックをして静かに入ればちょうどネテロの腹にゴンは頭突きをしていた
そのあともゴンはあきらめずに、次々と繰り出すそして次の瞬間ネテロは飛び込んだゴンの背中を右手で軽く跳び箱を飛ぶように力を加え押せば勢いよく壁に頭からぶつかっていった
「ゴンちゃん!!」
思わず声をあげて名前を呼ぶがゴンは痛くもないというように笑った、そのあとに声高らかに勝ったと宣言して爆睡してしまったのをみて、唖然としてしまう
ネテロはすぐに船内の電話を取りなにかを告げた後入口に立つリーリェをみた
「どうじゃお嬢さん、おぬしも一緒に」
「私じゃ、ネテロ会長には勝てないと思うから」
「ほぉ、お主の中身はワシを喰らいたいというようにみとるがな」
「欲深い子なんですごめんなさい」
そういえばネテロは笑いながら隣に来る、何もしていないはずなのに彼から溢れる力は凄まじく自身の力を抜けばその場に跪き、首を垂れる形となることだろうか
年寄りの手とは信じがたいほどに厚いその手が頭に触れて撫でられる
「一族の中でも素晴らしいパートナーを手にしたんじゃのぉ」
「..え」
「きっとお主を守り、力となることだろう..66番リーリェ・シャルドーラよ」
「私を、シャドーを知ってるんですか」
「長いこと生きてるとつまらんことばかり知ってしまうものじゃ」
そういったままドアから出て行ったネテロに目を丸くした後にリーリェはゴンを見に行けば心地よさそうに眠っていた、思わずそれにつられ隣に寝ころび穏やかなその寝顔を見れば頬が緩まる
静かにそんな二人を黒い何かがドーム状に包みこみ、真っ暗な世界にさせるそれはまるでもう眠りにつけというように。