Du bist mein Ein und Alles

「ほ、本気ですか」

普段からHLの混沌と戦っている彼女にとって驚くことはさほど無い、恐がるものなど以ての外であった
だがいま目の前で互いにベッドの上で正座をしている今智華は失神しそうな程驚いている、目の前の恋人…否夫となったクラウス・V・ラインヘルツは困った顔をしている、2人とも寝巻きに着替えた今夫婦である者が何をするかなど言葉にせずともわかる事だ
だがしかし、2人は今までプラトニックと言っていいほどに清い仲を作ってきた

ある日の事だ、それは智華の家、和泉からの一通の手紙がクラウス宛に送られてきた
もとより和泉家の跡取りは女であり最高傑作と言われた彼女智華が継ぐものだった、一人娘であり他の血縁者よりも遥かに才能のあるその娘に
だがしかし女であればいつか結婚をし、嫁ぎに出ることもわかっていただからこそ嫁ぐまでの間に跡取りを作るべきだとも考えていた和泉家だがそうも時間はなかった、そのために結婚自体の反対はクラウスの性格を知れば家は誰も反対こそしないが長い家柄のお陰で後継に関しては敏感であった
クラウス自身は己の家よりも智華を大切にしたいといい婿養子として和泉に来るとも申し出たが反対に和泉家がラインヘルツに申し訳が立たないとなり却下された
だからこそ早く子を為して欲しいと願われた、ラインヘルツの遺伝子と和泉の遺伝子が組み合わされば互いの家に貢献出来るだろうとも考えた、結婚の条件はそれのみであり子は和泉家の跡継ぎとして育ち切るまでは智華は和泉の姓ではなくとも和泉の当主でなければならなかった

だからこそ、クラウスと結婚をした今初夜を迎えなければ行けない
智華はそれを充分理解し、家の為にもと必死に考えていたが目の前のクラウスをみて腰を抜かした
201cmを誇る彼と158cmという日本人女性平均の智華が並べば子供と大人と言っても過言ではないほどの身長差である、男根はその人物の体格等に反映されやすいだろうとは女性である智華は考えていた、その考えであればクラウスの男根が平均男性よりも大きいとは予想もしていた

「君の言いたいことはわかる」

まだ一切勃起していない其れをみても比喩だが馬だと言いたくもなる、これを挿入すると考えれば先程身を清めたばかりの身体に冷や汗が流れそうだった
最初に漏れた言葉に対してクラウスはいつものように少し困った顔をしていた、彼とて女性を抱いたことが無い訳では無いがその度にこのようになっているのだろうとも予想した

「私はその、この歳ながら未経験ですしその、自信が正直な話ないです…」

「分かっている、だからこそ優しくする痛い思いはさせない、だから私に身を委ねてくれ給え」

そういって大きなクラウスの手が後頭部に添えられ、彼の体重が優しく智華に乗る
普段かけてある眼鏡をサイドテーブルに置いた瞳は新鮮で普段見えにくい愛らしい瞳を見つめていればそっと唇が添えられた足を崩して互いに柔らかい広いベッドの上に落ちていく
いつもの優しい接吻に目を閉じて受け入れる、薄く開いた口に舌を割り込ませ何処にも行けない智華の手をクラウスは握った

「んっ」

小さなリップ音を残して離れればそれだけでいっぱいな智華の額にキスを落として、自身の寝巻きの上のボタンを外していくそこから覗く肌に目を奪われてしまう、ある日の格闘場で見せたしっかりとした身体の全体が見えてしまう、まるでそれは幼い子供が悪いものを悪いと思いながらみるかのように智華は少しだけ申し訳ないような気持ちで見つめた

「そ、そんなに見られてしまうと恥ずかしい」

「すみません、私も脱ぎますね」

「いや私が脱がせてもいいだろうか」

「か、かしこまりました」

クラウスがタンクトップを脱ぎ去れば心臓が音を大きく奏でるものだから智華は正常心と釘を指す
大きな彼の手が近づきワンピース型の寝巻きのボタンを外していく、そこから覗く白地レースの下着を見て彼は「愛らしい」と言葉を零す、その言葉に顔が熱くなりながらも指先から目が離せずいつの間にか全てのボタンが外され寝巻きが脱がされればクラウスと反対に下着姿になった智華が胸元を隠しながらベッドに横になる

「美しいよ智華」

「クラウスさんもとても素敵です」

「有難う、君だけが下着姿は申し訳ないな」

そういって全ての寝間着を脱ぎさり互いに下着姿になってしまえばいよいよ体を重ねるのだと言うことが脳裏に過ぎった
互いの瞳が混じりあったと同時に唇がまた重なる、大きすぎるその手のひらがブラジャーを包むように触れて下着越しに形を変える、紅茶のカップに触れるかのような優しいその力で触れられるそこはむず痒いような心地がいいような気がした、背中に腕が回され少しだけ浮かせれば器用にホックが外されてブラジャーを脱がされる、時折触れるクラウスの身体の熱にあぁ本当に好きでいてくれるのだと思ってしまう
恋人であった時から彼が智華を求めることは決してなかった、欲情しないわけではなく大切したいという一心だけであり、傷付けるくらいなら触れることさえ彼はしなかっただろう

「痛くないだろうか」

「はい、擽ったい感じです」

「では少し失礼する」

「あっ、クラウスさん」

突起を口に咥えた赤ん坊のように胸に埋まり、舌先が突起を刺激する度に普段近づくことの無い赤毛の髪を優しく握ってしまう、右手が胸に触れる中で彼の舌が猛片方を愛撫する
腰に添えられた手の温もりさえ心地いい程で普段発さない甘い声が小さく漏れていき、空いていた左手が腰から中心に降りてくる

「ン、あっそこは」

「嫌ならば、いってくれ給え」

そういったクラウスの瞳がまるで獣のようにギラギラと光っていた、智華はそうだと実感するこの男は許可が出るまでずっと待っていてくれたのだ急かす訳でも無い酷なことだろう
同僚のザップなんかを思い出せばクラウスはどれだけ待てをしたことか、紳士だからで済む言葉では無いだろう
下着越しに触れたソコはじんわりと濡れていたことにクラウスは安心するしっかりと感じてくれているのだと、自身の頭の上にある彼女の顔はいっぱいだと言いたげな顔で何をしたらいいのかもわからなさそうだった
クロッチ越しに触れた指に智華の肩が震えた、小さな電流が流れるように刺激されて下着越しに撫でられるそこに普段の冷静さが消えてしまう

「そこ、変なんですっふぅ、あ」

「痛いだろうか」

「痛くはァ、無いんですがわかっわからない、ぴりぴりしてっん」

「安心し給え、それが気持ちいいということだ下着を脱がすがいいかな」

「はぁ、い」

ゆっくりと腰を上げる智華の両足からゆっくりと白いパンツを下ろす、少しだけ汚れたソコが目に入り思わずゴクリと唾を飲みながら足の間に身体を入れて頬と鼻先にキスをして耳元で声をだす

「今からすることを本気で嫌だというのなら言って欲しい、私は君へ嫌がることは決してしない」

低く落ち着いたその声に頭の中が混乱しそうな智華は少しだけ冷静になった、クラウスがそういった言葉に対して彼のする行為は決してひどいものでは無いと分かっている、自身の羞恥に耐えられないなら…と言いたいのだろうだからこそ智華はクラウスの手にそっと重ねて小さくその手の甲にキスをして微笑んだ
そう思った矢先だったクラウスは智華の両足を持ち上げて肩に置いた、困惑する中で彼は気にも止めずに内ももにキスをするが彼の目線から見れば全てが晒された智華はあまりの恥ずかしさに声も出なかった

「クラウスさんそれは」

「こうした方が痛くは無いだろう」

「で、ですが汚っっっ」

まるでいつもの様に紅茶を飲むように彼は秘部に口付けた、快楽と恥ずかしさが相殺されていき頭は既にキャパオーバーだ
手のやり場に困りながらまるで退けるようにクラウスの髪を掴むもその手は弱くまるで求めるようだった、時折当たる犬歯が心地よく臀部を掴むように揉む手にさらに心地よく舐められているからなのかそれとも自身が快楽に溺れているからなのか分からないほどに陰部は濡れている事に気づく

「くらうすさっ、あっもぅはぁっんッ」

「はぁっ、綺麗だ」

そう呟く声がもう智華の耳には入ることがない快楽で埋め尽くされた脳みそで必死に何かを考えなければと思いながらもクラウスの手によって頭は上手く回らない
漸く口を話した頃には智華は肩で息をして、軽く絶頂を迎えていることも本人はわかっていないかと内心思いながら横に並ぶように寝転がり息が整うのを待った

「す、すみません」

「いや構わない、刺激が強すぎただろうか?」

「そんなことは…わ、私が未熟ですので」

息を絶え絶えに言葉を吐く智華の頭を撫でてやりながら唇を舐めるようにキスする、愛液を舐めたあとの塩っぽいような甘いような味のキスはクラウスからのものだと想像もつかないほど卑猥だった

「少しだけ君の手で触って貰えないだろうか」

申し訳なさそうな声で言うクラウスに何度も頭を振って頷きながら智華は恐る恐るクラウスの逸物に触れた、熱く硬く大きすぎるそれに思わず目線をやればこの行為の際が本当にできるのかと不安になってしまう程だった
智華の手がクラウスの其れを包む様に触れて指示通りにゆっくりと手を動かす、自身で慰めるのとはまた違う刺激に小さく声を漏らしたそれに対して嬉しかったのか智華は少しだけ刺激を強くする

「んっ、気持ちいい」

「本当ですか?よかった」

「あぁ智華も足を開いてくれ」

「…はい」

恥ずかしそうに閉じていた足を先程のように開けばクラウスの腕が伸びる
その刺激に手の動作が止まってしまうも目線を下に下げれば手を動かそうとする、智華の陰部の周りを刺激するようにクルクルと指先で弄びながら唇を重ね身体を密着させていく

「痛かったら言うんだ」

その言葉と同時に膣内に入ってきた異物に智華は思わず声を出してしまう、空いている片手で抑えようとするもそれはクラウスの片手で制されてしまう

「ふむ、解れているようでよかった」

だがまだだ。
そういうようにクラウスのふとい指が1本から2本に変わり智華の膣を秘豆を刺激する
その太い指で器用に愛撫され快楽に堕ちるように甘い声を何度もあげる智華の手は動かされることはなくともカウパー液が彼女の手を汚す

「ンンっやぁこ、きもちぃでっぁや」

「嗚呼、身を委ねてくれ給え、私だけの為に乱れてくれ」

「くらっぁすさんそこぉ、ダメになァっんっ」

「此処がいいのか承知した」

人差し指と中指の2本の指が智華の中をバラバラに刺激しGスポットを苛める、太い親指が秘豆をこねくり回し強く刺激する、奥から溢れるように出てくる愛液にクラウスは嬉しさを感じるばかりだった

「くらっ、なんかきちゃっあんっ、まっっあっあ!」

大きな声を上げた智華と同時に狭いソコが指を更に締め付けたのを感じ完全にエクスタシーを迎えたのだと理解した
虚ろな瞳で天井を見つめる智華にもうここまでの方が良いのだろうかとクラウスは心配になりながら智華を見つめる

「もう今日はここまでにしておこう、無理をせずとも子作りは…初夜を迎えるタイミングはいつでもある」

「くら、クラウスさんは…はぁ、私と交わるのは嫌、ですか?」

「そんなはずは無いだがしかし、君の身体に負担をかけるのは」

「私の、ワガママと思ってください、お願いしますあなた」

疲れきった体の智華が横にいるクラウスに腕を伸ばして胸元に顔を寄せてそう言った
正直な話し、最後まで迎えるのは智華が初めてだった
今迄前戯で満足されたり、やはり己を迎えられると言え女性は少なかった為にその言葉にクラウスは嬉しさを隠せなかった

「承知した、全力で優しく君を愛そう」

そういってクラウスは額に、頬に、鼻先に、首筋に、唇に優しく祝福を送り智華の上に覆い被さる
まだ少し身長差のせいで同じ目線には成りずらいが目を見つめた

「愛している」

「はい」

クラウスの言葉に智華は微笑んだ
濡れそぼり準備の出来たそこに逸物が触れる、力を込めて腰を前に進めれば温もりが感じられたゆっくりと挿入っていくものに智華はギュッとシーツを掴むもクラウスに手を取られ互いに手を握った

「いっっ」

小さく出した声はクラウスに大きく聞こえた、彼はまるで自身が彼女を傷つけていると実感して申し訳なさに押し潰されそうだった、だからこそ安心させるように智華は微笑んで大丈夫だと声を出す
裂けそうな程のそれはまだ亀頭部分のみしか入っていないがそれだけでも充分に感じられた

「すまない…」

「いっ、え平気ですこっこんなもの」

いつだってHLにいれば、ライブラにいれば、危険や怪我は付き物でそれと比べればこんなものは小さい筈なのに2人はいっぱいだった
もう少しだと言いながら腰を進める、智華の額に汗が出て瞳は大きく潤んで涙を堪えていた、其のいじらしさが愛おしくて仕方がない、処女膜の破れる感覚を互いに感じながら入り切ったそれをみて深呼吸をする

「クラウスさん」

はっきりした声で智華は名前を呼んだ

「お慕い申しております」

智華は日本語でそう伝えた、クラウスは少しだけであるが日本語を理解していたがこの言葉の意味をはっきりとわからなかった
だがしかし、その言葉が彼女にとっての最大の言葉であることはすぐ理解出来た瞳に涙を溜めて自身を受け入れてくれた妻に何と言葉を出せばいいのか少しばかり混乱し

「Du bist mein Ein und Alles」

そう言葉を伝えればまだ勉強途中のドイツ語を理解していないながらも智華は嬉しそうに微笑んでクラウスに腕を伸ばして抱きしめた
愛している。と彼女は何度も言葉に出すものだから少しばかり恥ずかしくそして熱の篭った互いの体は素直に反応しあった

「そ、そろそろいいだろうか」

「えっあっ失礼しました」

忘れていたのだろう、互いの繋がった部分を見て彼女は思い出したように顔を赤くした
ゆっくりと腰を動かしていけば苦しそうだった表情が色気を増して変わっていく、何度も愛していると言葉を出した、その度に彼女の表情は幸せそうな顔に変わって
背中に付く爪痕さえも心地良さを感じながらその行為を散々謳歌する

「ンンっあ、くらっす」

「はぁっん、智華…智華」

背中や額、身体の全てから汗が溢れるような感覚だった
快楽と幸せが混ざるこの行為に、これ以上の幸せが夫婦になった今あるのだろうかと頭の片隅で考える
我慢していた分も全てが合わさったそれは限界を迎えるのも時間の問題であった、腰を動かすスピードを早めば智華は察したようにクラウスの腰に足を回して絡めるようにする

「もう出そうだ」

「はぁ、いいつ、でもんっぁあ」

「智華、愛している…ンッ」

「わたし、もッッ!!」

最後に大きな声を上げて互いに迎えた絶頂
疲れていたのか気絶するように眠りについた智華の顔を見つめてクラウスは無理をさせてしまった…と頭を撫でながら2人して夢の世界に落ちた


「…あ」

翌朝目覚めればまるで昨日の出来事が嘘のように身体は綺麗にされており、クラウスが窓際でモーニングティーを堪能していた

「おはようございますクラウスさん」

「おはよう智華、身体が疲れただろう…この部屋のシャワーを使ってくれて構わないゆっくりし給え」

いつもと何も変わらずそういったクラウスに申し訳なさを感じながら智華は重たすぎる腰を上げて入浴剤のいい匂いのに釣られ向かう
ワンピース型の寝間着のボタンを外していきハンガーに掛けて鏡を見てみれば、白かった肌には複数の赤い痕や噛まれた痕らしきものがあった

「……すまない」

ふと、聞こえた声に目を向ければ扉の奥にいるらしいクラウスが申し訳なさそうに声をだした

「あまりにも君が綺麗だったもので、本当にすまない」

まるで叱られた子供のような声を出した彼に智華ははしたなくも扉を開けてクラウスを見上げた、いつもの様に眼鏡を掛けた彼は申し訳なさそうな顔をして見つめるものだからクスクスと笑ってしまう

「構いません、それだけ貴方に愛して貰えましたから…それより背中を流して貰えますか?身体が重たいものでして」

「!あぁ勿論、全身全霊で努めよう」

そういったクラウスの顔を見て智華は嬉しくなる、いつまでも彼の優しさは変わらず愛してくれるのだと確信して
そしてその半年後、無事男の子を身篭る事をその日の2人はまだ知らないのだった。



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Du bist mein Ein und Alles
(あなたは私の全て/あなたは何者にも代え難くかけがえのない存在)

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