ポートガス・D・エース


これの続き

あれからナマエはよく笑うようになった、元からナマエは綺麗な女だったからか笑うと尚のこと綺麗に見え周りも今の方がずっといいと褒めた、時折ナマエを褒める男にエースが嫉妬するがそれも随分と慣れてしまうほどだった
だがしかしエースは悩んだ、それはとてつもなくデリケートな部分であり。しかし男の性であり健康な二十歳の青年にとっては大事なことであった

「まだヤレてねぇんだって!?」

ニヤニヤとサッチが笑っていった
哀れみなのかチキンのハニーマスタード和えのチキンを多めに入れてくれた彼にエースは仏頂面になる、ナマエ相手なのだから仕方ないと理解してても恋人がいるのに右手が相手など泣けてしまうものだ
戦いの熱を収める程度ならまだしも、人肌恋しい夜もベッドの中で抱きしめ合うだけ、いやまぁ一緒に寝られるだけ成長だとはわかっている
ナマエのトラウマは深いものだと気付いたのは付き合ってからだった、少し手を上にかざすだけで怯えた彼女の主治医曰く人生の半分以上が奴隷生活であったからトラウマは簡単には消えないしそもそもこの1年で随分とマシになった方だと言われた
無理をさせるな、待て、と散々口酸っぱく主治医に釘を刺されたものだから仕方なく従っていた、寝顔をみるだけで幸せな気持ちになる

「今度娼館でもいくか」

目の前で笑う女好きのサッチの髪に火をつけて席に座って苛立ちを隠せぬまま食べたチキンのハニーマスタード和えはやはり美味しかった、いやまぁサッチの飯はいつだってうまいのだが
ナマエは特別ワガママも言わない、静かでお淑やかで柔らかい海賊なんかに到底向かない"お嬢さん"だ

「なぁ、今日部屋行ってもいいか?」

今日も今日とてモビーディック号の隅から隅まで掃除をするナマエをようやく捕まえて声をかければ二つ返事に微笑んだ、相変わらず今日も可愛いなと胸の奥がぽかぽかした
夜、風呂に入って歯も磨いた枕を片手にナマエの部屋をノックする、甘い優しい声が聞こえて中に入れば薄手だが肌の見えないパジャマを着た彼女に出迎えられる

「紅茶飲む?」

「歯磨いてきたから」

「美味しいクッキー貰ったんだけど要らない?」

「いる」

「歯磨いてきたんじゃなかったの?」

「…また磨くよ」

少しだけからかうように微笑んだ彼女は可愛らしくてそんな冗談を言い合えることさえ嬉しくて愛しかった
質素な部屋の中で大きなベッドに腰かけて2人で話をしながらクッキーを摘む、最後の1枚で手が重なり子供みたいに意識をしてしまいバッと手を離した、少し赤くなって俯くナマエの唇を奪って少しだけ…と思いながら開いた口に舌を伸ばすが慌てて肩を押されてしまう

「まだ、やっぱダメか?」

「ダメじゃないけど心の準備が出来なくて」

ここで無理に押し倒してしまえればどれだけいいのか
それでも傷付けたくなかった、ナマエを泣かせる真似だけはしたくない、結局微妙な空気になったあと「ごめんねエース」と抱き締めて小さくキスをされればもう分かったと白旗を振ってしまう
それでも結局体は素直でナマエが寝たあとトイレに行って右手を恋人にした、いつか絶対ェ抱いてやると思いながらもスッキリした頭で見た本物の恋人の寝顔は愛おしくなり床に膝をついて彼女の髪を撫でた。

主治医に「エースがそろそろやばいよい」と忠告された、どういう意味なのかと問うと夜の意味だと含めて言われてしまい、フォローなのかあいつは若いからやナマエが気にするこたァねぇよ。と言われた
今日も今日とて身体を見てもらいながら自身の目に映る身体はどこまでも見ても痛々しく到底美しくは見えなかった

「マルコさんは私の身体をどう思います?」

「痛々しいな、こんなにされてよく生きてたと思うよい」

「です…よね」

マルコは嘘をつかなかった、けれど彼は決して醜いと言わなかったのは彼女の痛みを知りただ医者としての心配だけしかないからだろう
曇ったナマエの表情を見て彼はいった

「あいつはそんなこと気にする男でもないし、その傷含めてお前を綺麗だと思ってるよい」

そろそろ惚気ばっかり聞かされるおれの気持ちにもなってみろ。と言わんばかりにナマエにデコピンすれば少し目を丸くしたあと小さく笑って服を着た

数日ぶりの大宴だ、何せ挑んできた相手がえらく大金やら宝石やら宝を持っていた、たかだかそこいらの海賊が同盟を組んだところで白ひげ海賊団には勝てるはずがないと笑い勝利の美酒に酔った
仲間たちと肩を組みながら笑うエースを見てナマエは手に持っていた酒をちまちまと呑んでいた、満月がえらく綺麗に輝いてそれに負けず劣らずエースは輝いていた、なぜ自分を選んだのかと思えてしまうほど彼は眩しかった
気付けばみんなが床に寝て潰れている中エースも混じっていた

「エース風邪引いちゃうからお部屋行こう」

「んー、ナマエ?部屋帰るのか?」

「うん、帰るよ」

そういえばエースは少し気難しそうな顔をしながらも立ち上がりナマエの手に引かれていくのを仲間たちが見つめていたのを2人が知ることは無い
黙って歩くナマエの手に引かれて歩いていればエースの部屋の前で止まるものだから思わずどうしたんだと思えた、いつもならナマエの部屋で寝るものだから今日もそうだと思った
ゆっくりとドアを開けて2人で部屋に入った途端ナマエは背伸びをしてエースに口付けた

「お、お酒に酔っちゃった、かも」

真っ赤な顔のナマエのその言葉にエースは思考を1度停止させた、先程まで入っていた酒なんて一瞬にして消えた気がして思わず目をぱちくりとさせたあと慌てて抱き上げてベッドに下ろす

「それはその…なんつーから誘いってことでいいのかよ」

思わず低くなってしまった声にナマエを怯えさせる気かとツッコんでしまうがそれどころでは無かった、馬鹿正直な身体は既に熱をおび始めてベッドに寝かせたナマエの上に覆い被されば下にいる彼女は顔を背けて頷いた
あまりのことにエースは炎を出しそうになるが抑えた、今ここで燃やせば船は終わり自分もある意味終わる、真っ赤なナマエの耳に口付け次に額、頬に、鼻先、そして唇に口付ける
小さく息を飲み開いたナマエの口に舌を伸ばせば拙い小さく薄い舌が伸びた、酒の匂いと香水の匂いと汗の匂いが混じり合い甘い舌の味を求めるように逃げるそれを追いかける
ようやく離れた二人の間を銀の糸が繋いで切れた、肩で息をするナマエの服に手を入れようとすればナマエが慌てたようにエースの手の上に重ねた

「どうした」

「や、やっぱりその…ダメかも」

あまりにも弱々しくいうナマエは服を整えて上半身を起こした、エースは思わず固まってしまった、今更ここでなし?とは男を殺す気かと聞いてやりたくなる
聞いてやりたい気持ちとやりたくない気持ちが交差する彼の考えなどものともせずナマエはいった

「幻滅されたくないし」

服の裾をぎゅっと握って伸ばした、まるで自分を隠すようにする彼女にエースはあぁもうと頭をかいて服の上から体をなぞる

「するわけねぇよ、どんな姿でもぜってェしねぇってか幻滅ってなんだよ」

「汚い身体だし、ボロボロだしそれにほらわ…若くないし」

「ナマエは綺麗だし年上だっつっても数個差だろ、そんなの抜きにしても魅力的で可愛いだろ」

「でも私本当に」

慌てて言い訳を並べるナマエにため息をこぼして唇をまた重ねた、ちゅっちゅっと小さなリップ音を2回立てて目をしっかりと合わせてエースは言ってやる

「ナマエだからいいんだよ」

な?と笑顔を見せればナマエは観念したように小さく頷いた、電気を消して欲しい服は脱がさないで欲しいという彼女の言葉にできる限り寄り添うように大きな電気を消してベッドサイドにある小さなランプをつけた
オレンジライトに照らされた真っ赤な顔のナマエが幼い少女のような顔をしていてエースはまた小さく笑う
手を服の下に忍ばせてなぞる、大きな傷跡を指先で確認して少しだけ服をずらす、抵抗しようとする彼女を抑えて現れたヘソにキスを落とす

「…これ」

「……昔、刺されたの…そ、そんな傷ばっかりだからごめんね」

「痛かったよな、大丈夫今日は絶対痛いことなんてさせねぇから」

安心させるように腕を伸ばしてナマエの髪を撫でる、一体どちらが歳上なんだと感じるが彼の暖かく大きな手は安心感を覚えた
背中に腕を回してブラのホックを外す、ところどころ服の裾から見える傷跡や火傷の跡やタトゥーに憎しみと苦しみと嫉妬を感じながら目に付くそれら全てにキスを落とした

「胸みてぇんだけど、ダメ?」

「あんまりジロジロ見なかったらいいよ」

その言葉に嬉しくなって服をまくれば痛ましい傷跡が目に映ると同時に胸を見て思わず目を丸くしてしまう
嫌だったと言いたげなナマエが顔を逸らした

「なぁ、これ」

「んっ、わっ私の趣味じゃないよ、開けられたの外したら穴が残るから付けてるだけで」

「…エロいな」

エースの目に入ってきたナマエの乳房の頂点には両方共に銀色の小さなピアスが付けられていた
人のこんな場所に穴を開けるとはなんて外道かつ悪趣味なんだと感じながらもそれとは別に嫌にいやらしく見えた、ナマエは決してそういうものをつけている人間に見えないからだろう
どちらかと言えば大人しく清楚な普通の町娘のような女だから、それが酷くアンバランスでいやらしかったのだ
腹や腰の傷痕を指先でなぞりながら舌を伸ばしてピアスを舐めた、桃色の先端が小さく揺れてもっとと望むようにピンと張る
空いているもう片手で胸に触れる、大きくも小さくもないそれはエースの手の中で形を変えていった

「っあ♡そこッッかりかりしな、で♡♡」

ピアスの付近を爪で甘く掻けばナマエは背中を仰け反らして鳴いた、その反応が心地よく両手で胸を掻いたり引っ張ったり噛み付いた、快楽に抗えずにエースの頭を抱えた彼女が頭の上で大きく鳴いた

「だめ♡えーすだめなの♡イッちゃう♡キちゃうの♡」

「いくらでもドーゾ」

だめだと言うナマエの声も無視していじめれば大きな声をあげて体を震わせた、ふと見上げれば頭上でナマエがぐったりと蕩けた顔をしていてその姿に気を良くしてまた口付ける、その間に彼女の下履を全て脱がして床に落とす
太ももについたタバコの焼き跡、イヤらしいほどに下品な下腹部のタトゥー、ナイフで描かれた数字のあとのようなもの、それら全てがエースにとって苛立たせるものでこれらを付けた者たちを全て燃やし尽くしてやりたかった

「ごめ、んねこんなの見ても気持ち悪いのに」

そういってタオルケットを慌てて掛けようとするナマエを制してその傷跡一つ一つに口付けを落とす

「俺が全部塗り替えてやるからな」

大丈夫だと言うように1つずつ強く赤い跡を残していった、この傷が永遠に残るのならば上書きしてやりたかった、痛みではなく愛という形でナマエに教えてやりたいのだ
足首も、爪の先1本ずつもキスを落としてナマエをみれば嬉しそうな恥ずかしそうな顔をしていた、少し目線を下着に向ければ外からでもわかる湿っけをみせていて思わず頬が緩んだ

「ナマエ気持ちよかった?」

「…うん」

「もっと気持ちよくなろうな♡」

耳元でそういってやればナマエは恥ずかしそうに頷くものだからそれに機嫌を良くして下着の上からそこをなぞった
甘い水音が鳴って足を閉じそうになる彼女の足に自分の足を突っ込んで後ろから抱きしめるような体制で撫でる、充分に濡れてはいるがそれでもまだ愛部したりなかった、もっと体に触れてもっと感じてもっと知りたかった
女の突起を人差し指と中指の2本で潰すように撫でるように擦ってやればナマエはたまらず腰を逃がした

「だめ♡そこはっっえーす♡♡♡きもちぃところだから♡」

「知ってる♡だから沢山シコシコしてやるから♡」

「ダメ♡ダメ♡バカになる♡ぐりぐりしないでっっおぉ♡」

「まだ下着の上からなのにぐちゃぐちゃだな♡かわいい、ほらイこうな♡」

「らめ、イグッッ♡イッちゃう♡♡んォ♡えーっす♡♡イクっっっ♡でちゃっうのッッ♡」

ナマエが大きな声をあげて腰を上げて快楽から逃れようとすると同時に下着越しに何かが音を立て噴射した、エースの足とシーツを汚したそれに(これってあれだよな…潮?)と初めてのことに傾げていればナマエが心底恥ずかしそうに枕に顔を埋めてしまった

「だ、だからダメって……いったのに」

自身の腕の中で涙をためているナマエはきっと自身を破廉恥でふしだらな汚らわしい女だと責め立てているのだがエースは反対に男としてこれ以上女を悦ばせられることについて喜んだ
思わず太陽のようにニコニコと笑いながらエースはナマエの耳元に声をかける

「すげぇ可愛かった、もっとみせてくれよ」

「や、ヤダってば恥ずかしいもん、もう終わりたい」

「それは無理だな、ほら俺の触って?な?健康な青年を我慢させてたんだから覚悟決めてくれよ」

泣き言をいうナマエの下着越しにエースはズボンを脱ぎ捨て自身のブツを下着越しに擦り付けたが彼も我慢をしていたからか下着の先が汚れていた、それに気付いて下着も意味が無いかと判断し自分のものも床に投げ捨てた
エースの立派なソレに目を奪われてドキドキと心臓と音が高鳴った、早く欲しいと思う反面怖くてたまらなかった万が一やはり違うと思われたらと

「まぁでもまだ挿入れねぇよ、ナカも解しきってないからな」

「あぁっ♡♡っっあ、やっ♡」

「早く挿入れてめちゃくちゃにしてェ、ずっとずぅっと抱きてェよ」

抱きしめたナマエの秘所に指を挿入れてかき乱す、バラバラに動いたり規則正しく動いたりと指は様々な動きでナマエを刺激した、逃げようとするナマエ自身を抱き締めて上半身を起き上がらせて背面座位の形で彼女の腟内を弄ぶ
くちゅくちゅと水音が嫌に部屋に響いて聞こえてナマエは足を震わせた

「ッッッ♡♡♡あぇっっ♡♡えっす、そっだァめ♡」

「Gスポット発見しちまったかな?ほらッッイキまくれよ♡♡」

「うぅ♡♡おぉ"ッッ♡イグ♡そこっっトン♡トン♡されちゃっ、イクっの♡♡」

エースに抱き抱えられ後ろを向かされキスをされる、熱すぎる互いの舌が絡み合って、ナマエは腰を浮かせて逃げようとしてもエースの腕はそれを許さずシーツを汚しても気にもとめずにナマエはヒクヒクと腟内を締め付けて絶頂した
ようやく口を離した頃にはナマエは息も絶え絶えで流石にやり過ぎたかと思いつつもそれと同時に愛おしくてたまらなかった
別に女を抱くのはこれが初めてではないがまるでその時のような興奮だとさえ感じた、ぐったりとしたナマエの顔を覗き込み声をかければ腹にまわした手に重ねられて小さく微笑まれる

「なぁ本当にいいな?」

もう一度ナマエをベッドに寝かせて自身の張り詰めたソコに避妊具を付けながら聞いてしまう
上の服は未だに脱ぎたくないという彼女の意見を飲み込んでみつめた

「エースだから、してほしいの」

お願いだと言うように小さくはにかんだ彼女にエースは優しく唇を重ねるだけのキスをして挿入した、キツく狭く熱く苦しいそこに侵入して奥まで突き入れた
久しぶりの行為だからか少しだけ辛そうな顔をするナマエがエースと目が合うなり微笑んだ彼女の目尻には涙が流れていた、そして短く一言手を伸ばして告げた

「いまね、すごく幸せだよ」

身体だけじゃなく心まで温かく心地よかった、ここまで幸せなセックスを経験などしたことがなかった
所詮この行為は人間の欲のための行為だと2人は冷たくも考えてしまっていた、愛する者と行うこの行為がどれだけ神聖で愛おしく心地よい物なのかと実感していればナマエの頬に何かが落ちた

「おれも、幸せだよ」

エースは泣いていた、ナマエの腹にある大きな痛ましい火傷の傷を撫でながら
彼の涙を見たのはこれが初めてであり、自分の為に泣かれるとは思わずナマエまで涙を流して2人は繋がりながら抱き合った
汗の匂いと涙の匂いに互いの体臭が混じり合い部屋を占領した

「な、なぁナマエそろそろ動いていいか」

ようやく口を開いたエースは少し間が悪そうな顔をした、いい加減我慢を限界だと言いたげな表情でナマエは少し目を丸くしたあと頷いて互いの指を絡めあった

「あっっ♡えーす♡♡すきっっァだいすき♡♡」

「おれも、すきだッずっと、どんな姿でも」

ベッドのスプリングがうるさい程鳴った、互いの声が混じるほど好きだといってぐちゃぐちゃのまま口付けを交わして最奥にこれでもかと言うほど己を押し付けた
ナマエの手がエースの背中に爪痕を残してもそれさえ愛おしい痛みで互いの舌を甘噛みしながら腰を揺らした

「ッッえ、すもう♡イクッッ♡も、だめ♡♡」

「あー♡俺ももう無理ッッイクっっ」

「あっあっ♡んァ♡っすき、すきだよえーす♡♡」

「っン♡俺も、あいしてるっ」

互いの汗が混じって、エースのモノが奥で数回熱を打った
2人して肩で息をしてしっかりとエースはナマエから抜き出したソレから避妊具を取って口を括ってゴミ箱に投げ捨て、ベッドサイドのティッシュで互いの体を拭いて疲れきった体でベッドに横たわる
ふと気付けばナマエが髪に触れて遊んでいることに気付いて目を向けた

「エースの髪、黒くて少しくせっ毛で柔らかいんだね」

「親父に似たんだよ」

「私は大好きだよ」

「…ナマエが俺を好きになってくれると、俺も俺を好きになるよ」

自分の事を昔よりかは好きになって認めてもそれでも自分の中に入る血を許せなくて仕方なかった、ナマエは優しく笑ってエースの頬を撫でながら言う

「私を好きになってくれた貴方だから、私は全部好きだよ、あっでもこの可愛いそばかすが特に好きかも」

他にもここが好きだと語るナマエをベッドに押し付けてまだ着ている服を全て脱がす、慌てて何かを言うナマエを無理やり黙らせて一つ一つを指でなぞる

「俺だって、ナマエの全部が好きだ、クソッタレなこの腹のデケェ火傷も刺し傷も根性焼きのあともタトゥーもピアスも、全部愛してる」

最後にナマエの手に口付けて目を見て言えばまるで彼女は火をつけられたように顔を真っ赤にさせていた、そんな姿に気分を良くして最後に唇に優しく今日何度目かのキスを落とした、心から愛しているといいながら。

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