ちゃんぽラブソディ


智花はとにかくいい女だと思う、それは幼馴染とかいうそういう贔屓目は無しに、正直自分の身内に近い女に手を出したいとか好きになるとかは正直ほぼ0だ、気まずくなるのが目に見えている、だが智花に対しては昔からそう思っているのは間違いない

「銀も神楽もお昼できたよー」

新八のいない日は絶対にやってきて飯を作り掃除をして洗濯をして帰っていき、よく分からない仕事の書類や確定申告やらもそつなくこなすわ、飯はうまいやら、顔はいいやら、性格は悪くないやら兎に角文句のつけようがない

「結婚するか」

2人きりの水曜の昼、智花の作ったうどんを食べながらそう言った付き合ってるという言葉は難しいが恋人のようなものだ同じ布団で眠って飯を食ってそしてたまには夜を過ごす
そんな智花との関係に、じゃあ付き合いましょうと言えないまま過ごしてきた結果出た答えはそれだった万事屋も確かに依頼数は少ないかもしれないがそこまで金がない訳でもない、智花くらい1人養うのも問題は無い話だろう
そうこう考えて出した答えに智花は布団を取り込みながら言った

「私たちそもそも付き合ってないでしょ」



「じゃあなんで俺達居るんだよ!!」

たまには家に帰ります。と言って帰った智花にスナックお登勢で銀時は叫んだ、これはもうかぶき町中の面白話だった、ほぼ同棲して付き合ってるようなものと皆が認識していたはずの1級レベルの女に結婚を断られたという事が酒のツマミにならないはずがなかった、さすがに同情したお登勢も一杯おごってやり周りの客も「銀さん可哀想になぁ」と言いながら奢ってやった
智花はかぶき町では有名な団子屋の看板娘をしていた、攘夷戦争から帰ってきてお登勢に拾われてからたまたま再会した智花は美しい娘になっていたし、銀時も必死に智花にアタックした団子を買ったり話に行ったり飲みに行ったりしてるうちに

「順番か!あの時が悪かったのか」

そう、再会したその日の気分は最高潮で酔いに任せて二人で一線を超えたあの日、ドッキリではなく本気で智花を抱いてしまったのは覚えていた、それも最悪なことに中に出していたのも
それから智花は万事屋に来ても用事をして帰るようになった、布団の温もりが減ったことに寂しさを感じながら考えた、どうすればいいのかと

「智花今日泊まってけよ」

「明日もお店早いからいいよ、それに銀たちも早いでしょ」

「新八行かすから問題ねぇよ」

「私は仕事なの」

「前は仕事でも帰んなかっただろが」

「別にいいでしょ、そんなに泊まらせたいなら銀時は外で寝てね」

「ここは俺の家なのにおかしいだろ、そんなに嫌なのかよ」

しつこくそう聞けば智花は気まずそうな顔をしてさっさと洗い物をした事に腹を立てて思わず智花の背中に立って振り返ったその顔を掴んで前と変わらないように歯列をなぞる様にキスをした、泡だらけの手をどうすることも無く智花は目を見開いて驚いたいくら人が居ないとはいえこんな昼間からするなんてことは無かったからだろう
タオルで手を拭いた智花が肩を押してきても怯まずに腰に手をやって抱いてなかったせいで興奮した体を押し付けた、とろんとした甘い瞳に赤くなった顔を見てこれが誘いじゃないならなんなんだと聞きたくもなる

「本気で嫌ならもっと抵抗できんだろ」

嗚呼こういう反応がこいつのズルい所だ、小さい頃から少し困ると眉を下げて下唇を噛む
顔を下げようとすることを無理矢理止めて顔を見つめる、こんな歳になって必死になってんだからもう少し理解してくれと思った、本気で嫌なら分かるがそうでないことも察してしまった故にこんなに無理やり求めているのだから

「ぎ、銀時は昔から、モテるから」

その言葉には?と声が出て頭の中はクエスチョンマークで埋め尽くされた
ポツポツと話をする智花曰く、昔からモテるのに自覚があまりない自分に遊ばれてると考えていたと、けれど好きで仕方ないから遊ばれていたとしてもいいから傍にいたいが結婚をすれば制御出来ずに嫉妬で束縛をしてしまう故にこの気持ちは蓋をして都合のいい女でいたいと願っている。だと

「馬鹿ですかお前コノヤロウ不安にさせやがって…ほんとお前…好きじゃなきゃこんなに必死になるわけねぇだろ」

でも、けど、等文句を言う智花の唇を塞いで手を取った
男のプライドずたずたにしやがってと文句を吐きたくなりながらも嬉しそうにキスを応じる智花に呆れて頭を撫でた

「お前以外こんなことするわけねぇだろ」

「私すごく嫉妬深いんだから」

「おう、最高だろ」

「養うのだって難しいし」

「銀さん舐めんな、嫁とガキの為なら何億でも稼いでやらぁ」

「…それに、私凄く銀時が好きだから重いかも」

「本当煽るの上手いなぁ智花ちゃん、えぇ?んな事言われて喜ばねぇ男がいるかぁ」

街中に聞こえるような声で大きく声を荒らげた、ビクッと体をふるわせた智花が見上げてきて、小さく「それでも、好きでいてくれるかな」と言われ思わず理性の糸が切れて昼間からいつも以上にハッスルして寝ている間にスッキリした身体で江戸中駆け回って買えそうな指輪を買って役所に行って書類奪って寝起きのこのバカ幼なじみを泣かせる事なんて簡単な事だった
男をバカにさせるのはいつだって女だ、なんて下の階のババアの言葉を思い出しながらまたその小さな唇を奪って2人で布団の海に落ちていく。


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