紅いベッド
眩しい朝の光とメンズ香水の匂いに目を覚ます、目に入るタワマン最上階の景色はいつ見ても綺麗である、それと反対にベッドの上に散らばった赤い羽根に智花は少しやるせない顔をして適当に落ちてあるスウェットを身にまとってリビングに行く
「あれ?起きちゃったんだ」
「もう行くの?」
「今日偉い人と会議あるから早めに出るって言っただろ」
年相応なのか幼く見えなく無い彼の顔をみていつも見慣れた服を身にまとってもう出かける準備は万全の様子だ、紅色の剛翼は人々を守る為のものであるそう分かっていても智花は毎度恋人である彼と事に至る度に無意識下に翼を抜いてしまう痛覚がそこにあるのかどうかはさておき、いざと言う時に1枚あれば…等といった事になれば智花の問題でもある
ヒーローである彼の邪魔をするなんてと毎度それを見てから思うのだ
「なんか朝より翼増えた?」
「ん〜もしかしたら」
「いいもの食べたでしょ」
「ええバレちゃったか、智花のも買ってきたから怒らない」
そういって帰宅したホークスと向かいあわせで夕飯を食べていれは、突如席を立ち彼は隣を過ぎる前に軽く頭を撫でていく、ペットじゃないと文句を吐きつつも撫でられることを甘んじて受け入れれば冷蔵庫から取り出してきた箱の中にはここ最近福岡に出来たマカロン専門店の色とりどりのマカロンだった
狙い目だった店舗限定のものもしっかりと箱にあり子供のように目を輝かせて、思わず見上げれば彼は嬉しそうに微笑んで箱を片した
「これはデザート、今はご飯ね」
「うん、珍しいね啓悟がこんなの買ってきてくれるの」
「前テレビで食べたいって耳にタコ出来たからそりゃあねぇ」
「そんなに言ってたかな」
「嘘」
「ほらね、私全然言ってないもんね」
「そうだネ、めちゃくちゃサイト見てはヨダレ垂らしてたくらい」
「プライバシーの侵害」
「カップルの貴重な時間なのに」
含めた言い方をするあたりあまり嬉しくなかった形で店を覚えたのだろう、同じベッドの中の時などに、とはいえ智花にはそんな彼の意見などは分からない
テレビにはいつも通りホークス特集、部屋の雑誌も同じく目の前の男ばかり、ナンバーワンを失う前からこの男は若い女性に地域の人に皆に愛されるヒーローだから当然だった
ゴミの袋をまとめる時に見えた紅の翼に息が止まりそうになる、いつかホークスを殺す敵が自分なのではないかと。考えてしまう
「顔青いよ平気?」
「ホークスは、ヒーロー止めないでね」
「うん、わかってるから」
大丈夫だと背中を撫でた恋人は優しい香水の匂いをさせていた
電気を消してキスをしていつも通りのスキンシップだった、ベッドに寝転ばされブラのホックを素早く取られる
「ふふ、そんな所まで速いんだ」
「茶化すなよ恥ずかしい」
子供みたいな顔をする彼につい可笑しくて声を出してくすくす笑えば少し恥ずかしそうにキスをする、小鳥のようなキスをして頭を撫でられて服を脱いだ、逞しい彼の背中には夜の闇に負けないような紅の翼が天井に向かって広がる、付き合いたての頃裸族でいいならいたい。なんて言うほどにはたった一つの翼のせいで服も窮屈なことに具現したことを毎度思い出す
「今日私が上がいい」
「珍しい何?やりたい日?」
「じゃないけど負担減らしたい」
「なら甘えよっかなぁ」
低くて甘い声が耳元にやって来る、彼の背中に腕を伸ばさなければ傷つけることもない等本人に言える訳もなく適当な言い訳をして見下ろす、特別変わることも無く行為をしていても気づけばいつも通りベッドに縫い付けられ羽が頬に当たった
「ごめんね、羽いっぱい抜けてる」
「ん?あーいいよすぐ生えるし」
落ち着いた様子で行為を終えて後片付け代わりにゴミをゴミ箱に捨てていくも何十枚も落ちた羽に智花は顔色を暗くさせるも、反対に彼は嬉しそうに笑ってゴミ箱を赤い羽根まみれにする
「それに俺の背中の羽を剥せるの、智花ちゃんしかいないし」
「でもやっぱり大事な羽だから」
「平気だって、それに俺羽が抜けた分あげてるし」
そういった啓悟の指が首、腰、背中、太ももなど皮膚の薄く柔らかい部分を謎りいやらしく目を細めた
そこに目を追えば彼の言った通り赤い跡はまるで羽のようにそこかしこに残っていた思わず目を丸くしてみてみればまた小鳥のようなキスが落とされて低い声が囁いた
「俺の翼好きなだけ抜いていいよ」
きっとまたベッドの上の羽は増えていく、そしてゴミ箱は紅く色付けられるのだろう。
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