可愛すぎて困っちゃう

「好みのタイプ?あー胸大きくて年上で少しツンとした感じが好きかなそういう感じの女の子が自分に屈した時いいじゃん」

好みのタイプはその通りだ、身長も少し高めで胸とお尻が大きめだと尚好みだ、下世話な話をするが男なんて所詮そんなものでしょなんて嘲笑ってた過去の自分に言ってやりたい

「悟さんの手あったかいですね」

年下はすげぇ可愛いってことを
和泉智花と出会ったのは彼女が小学1年生の頃、言わばまだ五条悟自身が高専生だった頃だ、その頃伏黒恵に出会い生意気ながらも彼の将来を奪う形で自由を与えた
たまに家に行ってはご飯を食べたり買い物に付き合ってやったり、それなりに2人のことを可愛がってやった、そしてもう1人が智花だった恵の幼馴染である、智花は幼稚園からずっと一緒で片親ながらも真っ直ぐと成長した
一般家庭でありながらも呪力が並の呪術師レベルにはあり、呪霊もしっかり見えると来たらそりゃあまぁ人手不足な職場にどうぞと引き入れようとする前に自ら恵の後追いで入ってきた

「だからいいっつってんだろ!」

「で、でも私恵くんが心配だから」

「うるせぇんだよいつまでも着いてくるなよ」

「…恵くん」

恵が反抗期を迎えるのは当然の結果であり、悟も納得はしたとはいえ彼の行く道を変えることは出来ない
結果的には2人とも呪術師になり、高専生になった

「五条先生!」

「あれ智花どうしたの」

「さっき野薔薇ちゃんと2人でクッキー焼いてたんです、良かったら食べて欲しいなぁって」

「うわぁすごい嬉しいよありがとう」

そういって頭を撫でてやるだけで顔を真っ赤にして小さい頃と変わらない表情で笑う、あぁかわいい
智花が成長する度に可愛くてたまらないと思った、アヒルのように後ろを必死に着いてきて平気な顔をしようとして実際はそんなことは無いのにいつも無理をする、名前を呼んで尻尾を振る犬のようにも見えてきてしまう

「最近ずっと2人でお話できなかったから凄く嬉しいです」

「本当?僕も最近忙しいからみんなのこと見れてなくて心配だったよ智花も同級生と仲良いみたいでよかった」

「はい、この間もみんなでカラオケ行ったりしちゃって楽しかったですよ」

「なんで僕のこと誘わなかったのさ」

「誘ったら今度来てくれますか」

キラキラと昔から変わらない宝石みたいな瞳でそういった智花にもちろんと答えれば、じゃあ休み合わせていきましょう!なんて声高々に言われるものだからつい

「2人でだけど」

と言えば少し固まって顔を下に向けて悩み始める頭から食べてやりたいなぁと思いながら、嫌だったかと思う
だがしかし智花の考えは手に取ってわかる、というよりも彼女の表情がわかりやすすぎるのが問題だ、耳まで赤くなっている姿が見えて名前を呼んでやればようやく顔を上げて小さく声が漏れた

「で、デートでしょうか」

「うん、僕と智花と2人だけは嫌?」

「すごく嬉しくて浮かれちゃいます…」

「じゃあ今度の土曜日約束ね」

「はい指切りげんまんですね」

相変わらず細く小さい小指を絡めていつも通り約束をした
そして居酒屋のテーブルに顔を突っ伏して目の前に座る後輩は嫌そうな顔をしているのが見てわかる

「七海わかるか!僕の智花が可愛いことが」

「犯罪ですよ」

「まだ手ぇ出してねぇよ」

「出す前からほぼ犯罪ですよ、今どき源氏物語なんて流行りませんし」

「そうそう、歳考えろよもう私たちもアラサーだぞ」

「お前ら本当優しくないよね、智花ならこういう時『そうなんですね、かっこいいですよ悟さん』って言ってくれるのに」

「妄想しなきゃ死ぬのか」

散々な返答をするコイツら本当に嫌い、なんて思いつつ目の前にあるだし巻き玉子をつまむ、智花が作ったやつの方が美味しいなぁなんて贔屓目にしか見てないあの子を思って珍しく予定のあったメンバーで飲み会をする、とはいえ下戸には酒など飲ませて貰えずコーラが差し出されていたのはいつも通り
絶対僕のこと好きだと思うんだよなぁ、なんて言っても流されるだけでいっその事次のデートで言ってみるか。と結論に至るがそんな話をまともに誰も聞いてはくれず奥にいた伊地知でさえ耳を貸さないように七海に言われビールを飲んでいた

「すごい可愛いね智花、お洒落してくれたんだ」

「変じゃありませんか」

「うん、すごい可愛い」

「よかった五条さんもいつも通りかっこいいです」

「…智花だけだよ、僕のこと素直に褒めてくれる可愛い子は」

抱きしめて撫でてやりたいのに外だからできないと舌打ちしそうになる、いつもと違う買ったばかりのサングラス越しに見える智花は普段の制服よりも少し大人びていて髪の毛だって巻いて爪先まで綺麗に色をつけている

「さ!行こっか今日は僕がエスコートするよ」

そういって左手を握ってゆびを絡めればそれだけで智花の首が赤くなっていた、このまま僕以外の男なんか知らずに死んで欲しいなんて思いながら手を引いて行く在り来りに池袋の水族館に行ってお昼ご飯に寿司屋に連れていけば軽く笑った
カラオケは短く1時間ほどで終われば人気のケーキ屋さんに並んで新作をそれぞれ注文する

「智花の少しちょうだい」

「私食べちゃったから五条さん取ってください」

「えーやだよ、ほらあーんして」

「えぇでもその私が口つけちゃってるから」

「関節キス意識しちゃう?かわいいなぁ智花気にしないからはい」

口を開けていれば観念したようにフォークに乗せられたマスカットタルトが口に入る、甘い果実と下のクリームにはチーズが入っていたのか程よく蕩けた味わいが口に広がる
ふと目の前を見れば智花がなにかをいいたげにみていた

「私もひと口ください」

「いいよ、はい」

「違います、あっあーんです」

「…まじかぁ」

小さく呟いた言葉は否定的な意味ではなく、腰に来たという意味だ危うく五条悟jrが元気になるところだったと下品に思いつつ小さな口を開く彼女はまるで雛のようだ
自分のところにあるアップルパイをナイフで切ってアイスクリームをたっぷり乗せて口の中に入れてやれば嬉しそうに智花は笑う、幼い頃よくお菓子をみんなで分け合ったなと思い出しながらもこんなに魅力的になった智花にしんみりとしてしまう
ケーキ屋を出てぶらりとウィンドウショッピングを楽しみ夕飯を適当に済まして、高専に帰る道のりだった

「智花は僕のことどう思うの」

「優しくてかっこよくて頼りになるお兄さんですね」

「それだけ?」

「それだけって?」

「ほらもっとさ、なんて言うのこう別の特別な感情とかさぁ」

本当は自分からはっきりと告げてやればそれで良かったのかもしれなかった、けれど彼女の言葉が知りたくてたまらずそう言えば進んでいた足が止まり1.2歩遅れて止まって振り向けば顔を真っ赤にした智花が立っていた

「好きじゃなきゃここまで来ないです、デートしたりするのも五条さんだからするんです」

「うん」

「大人だからからかってるんだって思って、好きってバレてるなんて分かっててもそれでも少しでも二人で居られたら嬉しいから今日だってすごくオシャレしたんです」

「うん、知ってる」

「大好きなんですから」

大きな声でそう言った智花に自分の口元を手で覆う、にやけてしまってどうすればいいのか分からないのだ、こんなに可愛くてたまらない存在が自分のことを好きで仕方ないという姿が愛おしくて堪らない

「僕も好きだよ智花のこと、特別な意味で恋人にしたい意味で」

「やっ、あの五条さんその」

近付いて小さな体を抱きしめる、ずっと好きでどれだけ好きなのか教えてやれば服越しにもわかるほどに熱い
指先で顔を上向きにさせれば、林檎のような赤い表情がみてとれる

「今以上の関係になろっか」

「ひゃい」

こんな時に噛むって可愛いが過ぎのでは?と言いたくなるが逆上せそうな智花をみてやり過ぎたと思い抱き上げて高専までの坂道を歩く
今日はタクシーじゃなくて良かったと思いながら長い道のりを歩く、恵になんていってやろうかなぁなんて考えていればふと胸元で声が聞こえた

「五条さんあの」

「うん?」

「これからその…悟さんって呼んでいい?」

昔みたいに甘えた声で言われたらそりゃあもう良いよって言うしかないんじゃない?

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