雨宿りしましょ


ようやく終えた任務にあとは帰るだけだとナマエも恵も溜息をこぼした直後バケツを反対にしたような豪雨が降り注いだ
立ち尽くす恵の手を引いてナマエは走り出す

「ここなら一応雨宿りできるね、伊地知さん呼んでおくね」

ナマエは手馴れたように田舎の古びた屋根付きのバス停の中でスマホを取り出して連絡を取る、その間に水浸しで重くなった上着を脱いで水を絞りながら隣を見た

「1時間くらい掛かるかもって…他の人送った帰りだから」

「そうか、服平気か?」

「だいぶ濡れちゃったし上着だけでも脱いでおこうかな」

「絞っといてやるよ」

「ありがとう」

自分の分と同じく少し分厚い黒い制服を絞ればナマエは少し長い髪の毛が濡れて邪魔だったのか、手首に付けていたヘアゴムを使い高い位置で1つにまとめる。
ふとみていた際に彼女の白いシャツが透けてそこから下着の色形がはっきり見ることが出来た、オマケに濡れたせいで気持ち悪いのか履いていた黒いニーハイを脱いでスカートから伸びる生足は変に意識をしてしまう

「雨止まないね」

「そうだな」

「恵くんなんか私しちゃった?」

「別にしてない」

「真反対ばっかり見るから」

互いにバス停の古い椅子に座っているが距離は人二人分は空いている、バスの時刻表は田舎の為か16時からは無くなるらしい
ふと音が立って振り向けば隣に座るナマエが腕を絡めて抱き着いた

「折角二人きりなのに…いや?」

そっとナマエが甘く声を出して見上げた、恵はナマエの顔を少し見たあとに目線を下げた初めて見た白色にイチゴ柄のブラジャーに身体の熱が上がった気がした

「嫌じゃねぇよ、抑えられねぇんだよ」

そういえばナマエは引くだろうと恵は高を括って言えばナマエは足を恵の上に乗せて笑顔で言う

「実はね、伊地知さんへの連絡まだしてないんだ」

だから…ね?
その言葉になんと返せばいいかもわからずに彼女の足に手を添えた。

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