声が掠れて本能もとめて




マルコの印象は可愛い年下の男の子であった
男も女も親心が擽られて弟と言うよりも子供のような彼の無邪気な姿に惹かれて可愛がっていたはずだった

「ん、智花ちゃん気持ちいい?」

髪の毛をかきあげて繋がりあった彼に対して強い雄を感じた時にもう初めの頃の目では見れないと悟った
初めに言っておけばマルコに自分から手を出したわけでも、付き合ってない訳でもない、向こうから手を出したし正式に交際(ごっこ)をした、斑目貘をきっかけに出会った彼はまるで雛のようについて回ってニコニコ笑うものだからつい可愛くて構ってしまう
大柄で子犬みたいな顔で犬みたいに愛想を振りまく彼を嫌う人間はいない、あの伽羅でさえ彼には優しいと知った時は驚いた程だ

「智花お姉ちゃんマルコと付き合ってください」

恥ずかしそうな顔で言った彼につい「いいよ」と返事をすれば可愛いその顔が0距離になって唇の端っこにキスをされたのだとわかった時やっぱりこの子は世界で1番かわいい。なんて思った
それからデートをするようになった、夜遅くに帰るかと思った時マルコの足は何故か駅と真反対に向かってしまいどこか行きたいところがあるのかと思ってついていけば何故かホテル街にいた
それからあれよそれよと話をする間もなくマルコに連れられてラブホテルの中にいた

「あっ♡まるっ、や♡」

「智花っ♡智花ちゃん、すき♡」

耳元で可愛い声で囁くのと反対にマルコは凶悪な、本当に肉棒と呼ぶべきそれを貫いた、これが処女なら二度とセックスなどしないだろうと思わしき荒々しい行為は数年間男を持ってなかった女には刺激が強く結果としては更に魅了された
マルコでなければ絶対に許さなかっただろう、行為後のマルコは疲れきった顔もせずに体を丁寧に拭いてくれた上で優しくお風呂に入れて腕枕をして抱きしめて眠りについた、ここまで完璧なアフターケアをされれば誰も文句など言えない

「マルコこういう所別の女の子と来たことあるの?」

「ないのよ、でも貘兄ちゃん達とみんなで泊まりに来たのよ」

「普通のお泊まりだよね」

「うん!トランプしたりゲームした」

「…そっかそっか、こういう行為は初めてだった?」

その言葉には顔が背けられた、初めてじゃなかったんだと少しガッカリした顔でつい目を背けたら肩を抱かれてトマトのように真っ赤になったあと

「いっぱいビデオ見て勉強したの嫌わないで」

今にも泣きそうな顔で抱き締められて言われれば勉強だけでここまでなるのはやはりあの男に育てられているだけあるなと思えた、そしてこんなに丁寧な行為のできるビデオは学校教材にするべきだと思えた
冗談は置いておきそれからマルコとのデートはホテルに行くという行動が新たに加わった為に翌日は休みを取るようになった

タイムカードを押してまだ残業があるらしい人達には挨拶をしてロッカーから荷物を取ってコートを羽織り職場から出て行けば外には男が1人、整った顔立ちの男相手に群がる女を見て小さくため息をついて近づく

「私の彼氏になんか用事?道わかんないなら教えてあげようか」

態々出している彼女らのスマホを指差して言えば予想通りトークアプリの友達追加画面で予想もしなかったのか蜘蛛の子が散るように彼女等は言ってしまう、ふと見上げてみれば眉を下げて明らかに困ってましたというような顔だった彼が満面の笑みに変わる

「お疲れ様智花ちゃん」

「おまたせ、ビルの中で待っててよかったのに」

「大丈夫なのよ」

自然と鞄を持つ手は指を絡められてお泊まり道具の入った鞄はマルコの大きな手の中に消えていく、週一程度にしか会えない中で珍しく2週間近く会えなかった為かいつも以上にソワソワと手を絡めては視線が交わりやすい夕飯に行こうと誘って前回行って美味しかったラーメン屋に2人で入る

「それで梶が」

「うん、ほらマルコ口のとこご飯ついてる」

「んっありがとう」

いつからこんなに性に貪欲になったのだろうかとふと思った、彼が食事をする度に手を繋ぐ度にそういったことを連想してしまう破廉恥な自分が恥ずかしいと思った、黙って見つめる智花の視線に気づいたマルコはいつも通り小さく微笑んで美味しいね。と言うから返事をしながら少しニンニクの匂いのきついラーメンを胃の中に流し込んだ

「ねぇ智花ちゃん、お泊まりしたいな」

マルコの誘い文句はこれだった、お泊まり・おやすみ・ちゅうしたい、子供みたいな誘い文句の時もあるがどれもが何故か心惹かれる理由は相手のせいだ
仕事終わりは遅い時間帯故に当然お泊まりするのが必要にはなるがその意味と別で行為を求める時の甘え方は成人男性でも滅多に見られない可愛さだろう

昔同様許可なしに行った日生理だと知らなかった彼は初めて見たグロテスクな血塗れのそれに大いに驚きその場で携帯の緊急連絡先にある斑目貘に連絡をしたことはよく覚えておりその時彼に「いっその事生理止めて貰ったら」と電話越しに言ってきた彼にいつか殴ってやると思った程だ

「うん、いいよ」

繋いでいた手を離して腕を絡めていえば嬉しそうに微笑んだ、それからは慣れたように足を駅から真反対に向けて両手両足じゃ数えられなくなるほど泊まりに来たカップルホテルに入店する、時間のせいか2組ほどの別カップル(と思いたい)が液晶パネルを選んで出てきた鍵を手に持ってエレベーターの密室に消えていく
自分たちの番がこればどの部屋がいいと会話をしつつエレベーターに入る5階を押したマルコは性急に壁に押し付けるように智花を抑え込み下を向く彼女の顎をとって唇を奪う、小さくリップ音が狭い密室でなりながら到着を示すチャイムが鳴りまた手を繋いでチカチカとライトの点滅する部屋にいく

普段よく話をするせいかホテルに来るとあまり話をしないマルコはいつもと違い更に雄だと感じられ下腹部に熱が籠る
鍵を回してドアを開けて靴を脱ごうとすればマルコは先程同様に智花を壁に押し付けて唇を奪う、キスをするよりも獣的で本当に捕食されるのではないかと思える程で若い彼にとってこの行為が何よりも本能として愛と快楽を得られると理解しているのだろう

「まる、こだめって仕事終わりだし」

「いいよ智花の匂い好きだよ」

「汗臭いと思うし」

「ううん、いい匂いする…マルコとするの嫌?」

「そうじゃ無いけど、ここでするの」

「お願い後で沢山怒っていいから智花が欲しいのよ」

普段彼女が慰める時のように小さく額にキスを落とすマルコに智花は仕方なく頷いてやれば勢いよくスカートの中のストッキングと下着が下ろされる、小さくビリッと音が聞こえた気もしたがよくある事なので智花は気にしないことにした

「もういれたい?」

「痛くない?」

「マルコのも慣れてきたしいいよ」

「痛かったら言ってね」

足の浮く感覚はマルコと行為をし始めてからよく味わうようになった、普通の成人男性ならそんなことは無いとわかりながら身長差や筋肉量のせいだろう、暑苦しいジャケットをマルコが投げ捨るのを横目に見て後ろを向かされて濡れていると自分でも感じられるほど熟した蜜壷に男根が太く突き刺された

「ンッくぅ♡」

体内に直接味わう痛みとも似た快感の並に智花は小さく声を漏らせばマルコが後ろから智花の足を奪い広げる

「やっ♡それやめっ、やっぁ♡♡」

「かわいいのよ智花、気持ちいいっ♡」

耳元で聴こえるまるで初体験を知った中高生男子のような彼の言葉と裏腹に優しく激しいセックスに脳内が麻痺する、完全に浮いた体はマルコの腕と男根の支えられて口を抑えることも何もすることが出来ずにM字開脚のまま奥深くまで抜き差しされる
その都度ばちゅんと卑猥な音が聞こえて恥じらいと気持ち良さに頭の中が空になってしまいそうだった、10分程玄関先でお互いに求め合えば汗と唾液でお互いの顔はベトベトになっていた

「っイきそ」

「い、よ♡♡おくだして♡♡♡」

「智花ちゃんっ」

「ンンッッ♡♡」

窒息死するのではないかと思うほど唇を塞ぎ込まれてどぷっと膣内から音がして抜かれる、ぼとぼとっと落ちていった精子は靴とジャケットを綺麗に避けてくれて智花は疲れきった顔で持ち上げられたまま部屋に入りベッドに横たわる

「お風呂用意してくるから智花ちゃん寝てるのよ」

「おねがいねー」

間延びした智花の情けない声と反対に1回目を終えた彼は元気そうにティッシュ片手に風呂場に向かった、玄関先の掃除も念の為するためだろう少ししてからお風呂のお湯の音が聞こえて落ち着いた体でテレビを付ければマルコの好きな動物番組が流れていた

「あっ!みたかったやつ」

「毎回見てるもんね…ん、見なくていいの?」

「うん、今日はいっぱいシたいのよだめ?」

「明日起きるの遅くなるかも」

「それでもいいの、マルコが朝からご飯買ってくるのよ」

「んーじゃあいいかな」

大きく足をまた上に開かされマルコのズボンの間から覗き見える凶悪なそれにゴクリと唾を飲み込み腰が進められれば奥まで圧迫されて息も絶え絶えにシーツを強く掴んだ、先程の残った体液のせいか滑りがよくマルコは心地よさそうな顔で腰を振るものだから智花は可愛く思えて其の顔を盗み見る

「あー♡智花ちゃんすきっ、マルコ大好きなのよ」

「知ってるっ、ぁ…いっぱいしようね♡」

「んっ♡ぁあ、だめマルコだけ気持ちよくなっちゃうのッ!」

ぎゅっと膣を締めれば苦しそうな顔をしたマルコが智花を静かに見つめれば小さくお風呂の準備完了の音が部屋に響く

「あっ♡…ん、どうするお風呂行く?」

「うー後でもっかいするのよ」

ずるりと抜かれた昂りが収まらないそれを見ながら智花は呟けば服を互いに脱ぎされば、智花はマルコに抱き上げられ風呂場にいく、椅子の上に座らされればお湯をかけられまるで普段自身がされてるように優しく髪の毛や体を洗われるすっかり疲れきった体をケアするマルコと席を代わってやり同じく体を洗ってやる、細く少し長い彼の髪の毛を泡立てて2人してクスクスと子供のように笑いあって流しきり湯船に浸かる

備え付けのテレビを見ながら2人で今度はあそこに行こうここがいいと話をして、予定を立てていく智花にとってのマルコは子供のように無垢で新鮮だった、それ故に彼から与えられるものがどんなものでも心地よく手を差し伸べればそれに甘えてくマルコの頬にキスをして指を絡めて湯船に浸かるそんな時間と2人にとっては重要だろう

「濡れたまま奥行かないよ、ついでにマルコ私のもタオルとって」

「はいどうぞ」

「ありがとう、湯冷めするからちゃんと身体拭こうね」

腰を曲げて頭を寄せるマルコに小さなため息をこぼして髪の毛を軽くタオルで乾かしてやれば髪の毛の奥から見えたマルコが優しく手を肩に添えられキスをする、何度したのかも分からないような唇に先程食べたラーメンの匂いを感じつつ色気もないと内心笑った
タオルを巻いた智花を抱えて再度ベッドまで運んだマルコは小さな彼女の手を掴んで頬を擦り寄せる

「大好きなのよ」

綺麗な彼の瞳が細められてしっかりとそう伝えられるとき、この世界で愛を吐く男達には是非彼を参考にして欲しいと願う程の口説き文句だと思える、先程とは違い唇が鎖骨に触れて離れて腰や臍や足に次々とリップ音を鳴らす、そんな彼の姿を見て身体も顔も雄だがどうして中身はピュアなのかと考える、大きなその身体についた消えない傷跡をなぞる度に「もう痛くないのよ」という彼にもう少し早く出会えていればこんな傷も消してやれたのかと思う
もう2回も交わった身体は前戯も要らずに足を開く

「もう大丈夫だよ」

優しく呟けば智花のカバンの中を漁りポーチに入った四角く薄い避妊具を開けて装着する、体格に見合ったそれは備え付けのものでは破れたり入らなかったりする為に専門店やネット通販をする羽目になったが気分は悪くはなかった

「マルコ手握ってね」

「んっ、勿論」

大きすぎる彼の手が重ねられて指を絡めあった顔がゆっくりと近付き目を閉じれば唇が重ねられる、小さく開いた隙間から舌が入ってきて口内で絡まり合う

「んっっ、ぁ♡♡♡」

和らぐ緊張感の中で圧迫される腹部にマルコのそれが奥まで来た、先程と違い避妊具をつけた感触を膣で感じながら彼の大きな背中に手を伸ばす、いやらしい音が部屋の中で混じり合う度に互いの興奮を高め合う

「智花ちゃん痛くない?」

「へいきだよ♡っ好きに動いていいから」

「うん、痛かったら言ってちょうだいね」

優しく頭を撫でられれば奥まで彼の暴力のようなそれが差し込まれる、一瞬息が出来なくなり目を強く閉じると同時に背中に爪を立ててしまう伸びきった女らしいその爪で彼に痛みを与えているとわかっていながらもその圧迫感に耐えられずに智花は理性と本能の瀬戸際で声を漏らす

「あっふか、い♡♡」

「気持ちいいよ智花ちゃん」

「おぐ♡♡ぃ、きてる♡♡♡」

子宮口なんて簡単にノックされて先程していた感覚とは遥かに違う大きな波が頭の先まで押し寄せて、チカチカと視界が白く点滅するそれ程までにマルコを受け止めるのは簡単ではない、だとしても智花は彼と繋がり本能を求めあいたかった
互いの獣のような姿で求め合って痛みも苦しみも快感も分かち合えれば幸せなのだ
ぐっと足を肩まで持ち上げられれば膣内のペニスの場所がまた更に奥深く気持ちの良い部分を攻めたてる

「まるっ♡♡おっぃやめ♡♡」

「んっ、嘘ついたらダメよ気持ちいいでしょ」

「♡♡きもちぃ♡♡けど♡♡いぐっ♡♡すぐいっちゃ♡♡」

「いいよ♡見ててあげるから気持ちよくなろうね」

まるで子供みたいに無邪気な顔で笑うマルコが鼻先にキスを落としたあとまるで潰されるんじゃないかと思うほど力強く腰を打ち付けた、凡そ女の出す可愛い甲高い声ではなかったがそんな姿さえも「かわいい」と囁き行為を続ける

「ぁ♡♡♡♡ま…、まって♡………♡」

3.4回ほど打ち付けてやればイッてしまったのか息も絶え絶えの智花がいたので足を下ろしてやり1度引き抜く、だがしかしマルコがそれで終わるはずもなく落ちてきた長い髪を後ろに片手で流し智花をうつ伏せにする今からされることを理解した智花は枕を抱えればそれと同時に寝そべったままソレが膣内に穿れる

「あ"ぁ""♡♡♡♡♡」

「すごっ♡智花ちゃんびくびくしてるのね」

「ま、るこ♡これやばっ♡♡」

「うん智花ちゃんの好きなこと沢山できるのよ♡」

そういったマルコの片手が腹を撫でてさらに下に降りる、身の危険を感じて身体を丸めようとしても自分よりも一回り以上大きなマルコに叶うはずもなく抑え込まれ女性器の1番敏感なそこを爪先でカリカリと引っ掻かれる

「ふぅ♡アっ、らめ♡そこ"だめ♡」

マルコの骨張った大きな手に逆らえずに智花は声を必死に枕の中に抑え込むも楽しそうに耳元を噛み付いて彼女のナカに沈めたペニスで虐めてやる

「でちゃ♡♡でちゃうから♡♡まるこごめ、でちゃぁ♡♡」

「いいよ♡いっぱいマルコと気持ちよくなろう」

イク事とは違う尿意のようなそれに襲われてシーツがびっしょりと汚れてしまう、智花は顔を真っ赤に枕に顔を埋めるがマルコはそのままの体制で智花の膣内を荒らす、先程以上に激しい動きだが長い行為に声が枯れてしまい掠れた声が枕の中に落ちていく
ホテルの中で響く肉のぶつかる音と繋がり会う度に溢れる愛液の音が混じりあう

「智花、マルコもっいきそ」

「ん♡わたし、ぁも♡♡」

ギュッと手首を抑え込まれてマルコの顔が首に近づくのがわかる、なんて野性的で興奮する行為だろうかと思うが彼が絶頂を迎えるときには必ずこの体制で

「あっっ!♡」

「フーーっ、うぅっ!」

狼のように首筋を噛まれそして絶頂を共に迎えるのだその際に今までの行為なんて忘れて喘ぎ声もなく噛まれた痛みの声しか出ない、智花は震えて自然と落ちる涙と涎でベタベタする顔を手で綺麗にされる

「いっ、痛くない?」

「へ、へーき」

息も絶え絶えの智花を心配しつつ早々にゴムを外したマルコが智花に持ってきていた水を差し出してやり身体をティッシュで拭いてやる、ベッドに倒れ込んだ愛おしいその人の身体にマルコは素直に反応してもう一度上に股がった

「え、あ…マルコ?いったん」

「ダメなのよ今日はいいって言ったから」

「待っ待って本当私しんじゃ」

触れた熱いそれに嫌な予感がした智花の予想は的中、そのまま次のラウンドに進み翌朝空になったコンドームの箱とスッキリしたマルコの顔がみえたが智花は起き上がることが出来ずにその日のデートは1日自宅療養になってしまったのだった。

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