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撒き散らしたタバスコを拭き取った後、銀時はモシャモシャとケーキを貪りながらそう言った。
すっかりケーキに夢中だ。
「消去ってゲームのセーブデータじゃないんだから」
「そうだぞ、銀時。そんな簡単に消去など出来る訳がなかろう。…万が一に備え、復活の呪文はちゃんと控えておくべきだ!」
「何しれっと座ってんだ、テメェは」
ガシャン
銀時の隣に現れた長髪の男はいきなり話に割って入ったかと思えば、銀時によって頭をテーブルへ叩きつけられた。
「ヒドイではないか銀時。妹分との久々の再会を俺抜きでするとは。橘香、久しぶりだな。覚えているか?」
「覚えてるも何も… 私は貴方の妹分になった覚えないけど」
「照れているのか?全くしょうがない奴だなァ」
「話し聞いて、ヅラちゃん」
「ヅラちゃんじゃない、桂だ!!」
桂小太郎。
橘香にとって銀時と同じく昔馴染みで、こちらも思うがままに生きているような人間だ。
確か今は攘夷活動をする指名手配犯ではなかっただろうか。
…そもそも何でここに?
橘香がはてと首を傾げている間にも目の前の二人の言い争いは続く。
「つーか、ヅラ!お前何でケーキ食ってんだ!!」
「ヅラじゃない、桂だ。せっかくの差し入れだ。武士と言えども食わぬわけにはいかんだろう。」
悪気のない桂がモシャモシャと頬張るケーキにバシャバシャと残っていたタバスコが降り注ぐ。
「そうかい。じゃ、妹分からの江戸流のご挨拶もしっかり頂いとけよ」
白いクリームがすっかり赤くなり、とてもじゃないが食べれそうになくなったソレを真顔の銀時がヅラ……じゃなかった、桂の口へと押し込んだ。
「もがあああああ!!!!」
叫び声を上げながら悶える桂が不憫すぎて橘香は人様の家だが、勝手に水を入れたコップを桂に渡し、苦笑しながら言った。
「あのさ、妹分って言うけど私の方が先に弟子になってるから。銀時くんは確かに兄弟子だけどアンタとアイツは違うから。…あんまチョーシ乗んな」
「…す、すひはへん」
落ち込んだ桂を放置し、橘香はソファに座り直すと銀時が引きつった顔をしていた。
「そういや、お前何で真選組で働いてんの?ヅラ達が攘夷志士だってことは知ってたんだろ?」
「んー、成り行き」
「お兄ちゃんは認めませんよ!!真選組所、今すぐ辞めて俺達と共にこの国に革命を起こそうではないか!!」
「何で俺まで入ってんだ!!俺はもう善良な一般市民なの!!メンドーごと、持ち込むんじゃねーよ」
早くも復活して銀時の肩を組んで喚く桂の腕をはたき落とし、うんざりしたように銀時は吐き捨てた。
てっきり、銀時も秘密裏に攘夷活動をしているんじゃないかと橘香は思っていたがどうやら違ったようだ。
「真選組は辞めないよ、お給料いいし。今回はヅラちゃんのこと通報するつもりはないけど今度会ったら敵ってことになるだろうから気を付けな」
それを聞くと桂はバンッとテーブルを叩き、立ち上がると橘香に詰め寄った。
「橘香!!分かっているのか!?幕府は……」
「ただいまヨー」
「銀さん、玄関の戸が外れてましたけど何かあったんですか?」
桂が何かを言おうとしたタイミングで出掛けていた万事屋の二人が帰って来た。
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