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しかし、その横に茶色の甚平を弛く着たグラサンをかけた男がいることで冴えなさが三割増しになっていた。
「えっ、なに?この子、銀さんの知り合い?」
「今晩は。銀時くんと……マダオ(マジで、ダサい、オッサン)さん」
「なんで初対面なのにマダオ呼び!?俺、まだ自己紹介もしてないんだけどォォ!!」
「そりゃあ、長谷川さん。アンタが人に紹介出来るとこなんてねーからだ。グラサンってことだけ覚えてればいいような存在だからだ」
「それ、もうただのグラサン!!」
橘香を放って二人は騒ぎ、銀時は橘香のすぐ右隣に、長谷川が更にその隣に座った。
そして、ビールを頼むと橘香のオレンジジュースにケチをつけだした。
「オイオイ、スナックに来てなんでジュースだよ。フツー酒だろ!お子様か!!」
「お酒は苦手なの」
「まァ、無理して飲むモンでもないと俺は思うけど…やっぱ酒はいいモンだよ。ヤなことぜーんぶ忘れられる」
「イヤ、アンタは忘れちゃダメだろ。長谷川さん」
「「アハハハ」」と二人して笑い合う姿はもう既に酔っ払いのようだった。
「若い娘にいい年したオッサンが絡むんじゃないよ。それとアンタら、ちゃんと飲み代払える金はあるんだろうね!」
そう言ってお登勢は銀時達の前にビールを置き、橘香に枝豆の入った小鉢をくれた。
「おー、久々に依頼があって報酬もそこそこ貰えたから何の問題もねーよ」
「俺も就職先決まりそうだし、景気づけここへ来たってワケさ」
「オ前達ガ金持ッテルナンテ、オカシナ話デスネ。一体ドコカラ盗ンデ来タンデスカ?」
「黙れ、猫耳年増。お前と一緒にすんな!!」
銀時はキャサリンに噛みつくように言うとビールの入ったジョッキをぐいっと煽った。
「ぷはー!!」と半分程飲み干すとガッと橘香の肩に手を回してきた。
「オメーも、もう成人したんだろ?酒ぐらい飲めねーとこの街じゃやってけねんじゃねーか?…つーことで飲み比べだ!!負けた方の奢りな」
ニタァと卑しく笑うその顔を見れば橘香に奢らせようとしている銀時の腹の内は丸分かりだ。
「銀さん、それはあんまりなんじゃないの?」と長谷川が止めようとするが「社会勉強だよ。世間知らずのコイツに世の中の厳しさってヤツを教えてやろうという優しさだ!!」と一蹴された。
「どうなんだよ。この勝負受けるのか?逃げんのか?」
「……」
「まぁ、無理にとはいわねーよ」
正直、こんな安い挑発に乗るなんてことはしたくないが逃げるなんて性に合わない。
橘香はニッと強気に笑うと、
「お登勢さん!ビール一つ!!」
と高らかに注文した。
おおーと周囲の関心を集めながら飲み比べの勝負は始まった。
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