夢主にちゃっかり告白する話。松田
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目の前に座る幼馴染みの松田陣平が顔を上げ訝しげに眉を上げる。
「なんだよ」
「…なんでもない」
はぁ、とまた重いため息を一つ。私のお気に入りの腕時計が彼によってバラバラにされていても今はお構いなしだ。陣平の目は再び下を向くが、雰囲気でこちらを気にしてくれているのがわかる。
「言いてぇことがあるならさっさと言えよ」
短気な彼がちょっとイライラし始めたのがわかったので、陣平から顔を背けるようにテーブルの上に突っ伏す。そして「陣平はさ…」とぼそぼそと口を開く。
「好きな人が別の誰かを好きだった場合…どうする?」
かちゃり、と彼の手の動きが止まったのがわかった。ちらっ、と表情を盗み見ればめちゃくちゃ眉間にシワを寄せてる。
「関係ねぇよ」
パチリ、と目蓋を瞬かせる。
「えー?関係ないの?」
「関係ねぇ」
「そういうの気にならないの?」
「気にならねぇ」
「相変わらずワイルドー」
陣平から顔を逸らし、覇気のない声でそう返す。シン…と静まり返る空間にまたカチャカチャと時計を弄る音だけが聴こえてくる。会話終わったなぁ…なんてぼんやり思っていたら彼が口を開いた。
「まぁ…好きな女が重いため息ついて悩んでたら気になるけどな」
バッ!!と顔を上げ、彼を見る。え?、え?えぇ?と困惑した表情を向ける。彼はさっきの体勢よりも顔を隠すように伏せて作業してるもんだから表情はわからない。けどその耳は真っ赤だった。彼がチラッとこちらを見る。
なんか言えよ、コラ
と、目が言ってる。顔が、熱い。途端に彼を意識し始める。萩くんが赤い顔で見つめ合い、固まっている二人を見つけるまであと少し。
おわり
2020.11.25
いいね♡
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