瞳の
年に一度の査定。
そのために旅を中断してわざわざ出向いたのだが…。
「…っ……」
受付をはやく済まし早急にレポート提出して直ちにここを立ち去りたいと思っていたのに。
まさかの受付待ちで既に列車一本逃している。
――たくっ、アルが外で待ってるてーのに…
腕を組み、苛立ちが足に出る。とんとんと床を叩く。
その時間のロスともなっている現況の人物。
じろり、とそいつの背中を睨み付ける。
自分が言うのもなんだが少し目立っていた。外見は見たところ女。青い軍服に長い金髪のそれは高い位置で一つにまとめられていた。
その“目立つ”部分は背中にある。女にしてはかなりの重量に見える太刀。斬馬刀を背負っていた。
時計をちらりと見てからさすがに我慢の限界だった。
トントンッと軽く彼女の肩を叩くとゆっくりと振り向いた。
黒い瞳
ぱっと見アメストリス人に見える彼女にその色はやけに印象的で違和感があった。
「………なにか?」
ニコッと微笑むわけでもなく、怪訝そうにこちらをみるわけでもなく、ただ無表情に彼女は上から下まで自分を見たあとそう尋ねた。
「あっ、えと…まだ?」
結構急いでるんだけど、と付け加えたら彼女は失礼、と言ってその場を去ってしまった
「あらエドワード君、査定?」
自分に気づき窓口から顔を覗かせる受付のお姉さん。
「え、あぁ…うん」
「ちょっとまってね。今渡すから」
「あ、あのさ、さっきの…」
「さっき?」
「あ、や…なんでもない」
「そう?はい、お待たせ。この用紙持って行けば手続き出来るから」
「サンキュー」
受付のお姉さんにお礼を言ってひらひらとその紙を持って技術研究局へ急ぐ。
査定を無事追え、今日あったそいつのことなんてすっかり忘れエドワードはアルフォンスとともに街を後にした。
終わり
2011.12.12
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