3.敬愛

包帯の巻き直し。彼の部下に成ってから、日課に成った。
「本当、綺麗なのに」
「女性にそう云われてもねえ」
保湿剤を塗ってよく按摩してから新しい包帯を巻く。
彼の両の眼を見れるのは私の特権。ほの暗い、鳶色。
「少し其のままね。あまりずっと片目だと、斜視になっちゃう」
「君は何時までこうして傍に居てくれる?」
質問の意図が見えなかった。「え?」と幽かに声を上げ、聞き返してしまった。泣きそう、というより、此処では無い何処かを見ていた。手癖の悪い手を握り、甲に口を寄せた。
「何時迄もずっと、こうして」

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