包帯の巻き直し。彼の部下に成ってから、日課に成った。 「本当、綺麗なのに」 「女性にそう云われてもねえ」 保湿剤を塗ってよく按摩してから新しい包帯を巻く。 彼の両の眼を見れるのは私の特権。ほの暗い、鳶色。 「少し其のままね。あまりずっと片目だと、斜視になっちゃう」 「君は何時までこうして傍に居てくれる?」 質問の意図が見えなかった。「え?」と幽かに声を上げ、聞き返してしまった。泣きそう、というより、此処では無い何処かを見ていた。手癖の悪い手を握り、甲に口を寄せた。 「何時迄もずっと、こうして」