牡丹の花言葉は「風格」
私達はそれに「殲滅」の意味を載せた。
なんて事は無い。太宰さんが「牡丹の花弁は舞うかい?」と訊けば善い。
今日もそうだった。
その言葉を放つ太宰さんは決まって笑っていた。
その度に私の身体は返り血に染まる。
そして決まって夜は彼に濡れる。
帰宅してシャワーを浴びていると、不躾に誰か入ってきた。足音も気配も太宰さんのだ。
「警戒心が無いね本当に」
「だって解りきっている事だもの」
後ろから頚へ噛みつかれる。肌への圧を感じ、滴る湯が薄く紅を帯びる。
「何故私が牡丹にあの意味を持たせたか解る?」
「解らない」
舌が、頚、項、耳介、と這う。手が身体を探り、とうに流れた返り血を、洗い流そうとする。
「異能を使う君が好きだからさ」
耳元の低い声。声帯の奥底から発されるそれは、心臓を跳ね上げる。
「君の夢だろう?」
「うん。でもね」
もっと違う形で貴方には好かれたい。
壁に手を付くように指示され従う。「挿入るよ」とだけ。彼が押し入る。
「卯羅、少しは抵抗しなよ」
「しな、い、よ……」
だって好きだから。知ってるでしょうに。
彼の律動に合わせて、想いが募る。こんな扱いを受けても、求められればその分だけ募る。
この快が幸せで、苦しくて、切なくて。
延々と、凡てを流し去るシャワーに、嬌声と涙を隠して。
白く濁った欲を受け止める。