お昼休

集う生徒は一癖も二癖もある学園。二癖ぐらいならまだ善い方だ。
学食の中央席を占領する4人組は、よくもまあここまで癖のあるのが集まったなと思う程だ。
一番背の高い男子生徒「太宰治」は自殺未遂で入退院を繰り返し何度も留年をしているし、隣に座る女子生徒「尾崎卯羅」はそれの面倒を看ているため同じく留年をしている。その二人と向かい合う生徒二人も似たようなものだ。小柄な男子生徒「中原中也」は自殺愛好家に一々文句を浴びせている。もう一人の女子生徒「尾崎彩」は無心にトマトを頬張っている。
「中也さんそろそろ黙ってよぉ…」
「あ゛?」
「中也ぁ…女性に『あ゛?』とか怖い声出すもんじゃあないよ」
「っせーな年齢不詳」
「年齢不詳なのになんで治くんは美人なんだろう…」
仲良し4人組というよりは曲者4人組。
「昼休み延びないかなぁ」
「延びないですね」
「サボれば延びるよ?」
「治くんも余計なこと言わないでくれる?」
「おい尾崎!次体育だからさっさと戻るぞ」
「やだぁ…体育余計やだぁ…」
時計は予鈴まであと30分を指していた。つまりまだ昼休みは20分程しか過ぎていない。
「治くんは保健室ね」
「積極的じゃないの」
「切りどころが悪かったのかな…」
「卯羅またこの人何かしたの」
「毎度恒例リストカット」
それを聞いて彩は明らかに引いた顔をする。中原は興味無さそうに校庭を如何に広く占領するか考えている。
「彩、先戻ってて。私はどうにかして治くんを体育に出す」
「えー…面倒だなぁ」
テーブルに突っ伏しながら太宰は唸る。
「おい尾崎、手前次サボったら補習だろ?」
「それも嫌だ……」
彩は渋々腰をあげる。足取りは重い。
「はぁぁぁ…本当に嫌だ」
廊下に彩の溜め息が反響する。

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