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暑さで参りそう。いやもう参っている。だが、子供にはそんなことは関係ない。夏だからといって、親に絡み付いて寝る事は止めない。夏だからといって、外で腕白に遊ぶ事を躊躇しない。
幼稚園は夏休みを迎えた。唯一出た宿題は「お家のお手伝いをしましょう」
「修治は何をするんだい?」
私の子とはいえ、まだ園児。出来ることも限られる。
「んーとねぇ・・・・・・」
お絵描きをしていた手を止め、考える。特徴的な遊び毛が扇風機の風に揺れている。悩んでいても仕方無い。御手伝いできそうなものを一覧にしてやる。
「此処から選んでごらん?」
「おふろのおそうじする!」
即決。確かに水遊びさせながら出来るし。
「じゃあママにも伝えて来ると佳い」
元気に返事をし、基治と遊ぶ卯羅に走り寄って、抱き付く。
「しゅーじも、もとくんとあそぶ!」
「ほら修治、その前にママへ報告だろ?」
そうだったと言わんばかりの顔をし、卯羅へご報告。
「ママ、パパとね、おてつだいきめたの」
「なあに?」
「おふろの、おそーじ!」
「ありがとう、修治。じゃあ、する時はママかパパに必ず声を掛けてね」
「うん!」
元気に返事をして、弟と遊び始める。
継続させるには、と策を考える。目の前に有る画用紙と鑞絵具。この前探偵社で「朝の体操に参加すると絵判子が貰えるんです」と、敦くんが嬉しそうに云っていた。画用紙を葉書程の大きさに切る。其れを三十個のマスに区切り、一番上に「なつやすみおてつだいカード」と銘打つ。
「修治、佳いものを作ったよ」
弟の隣に寝転んで、寝返りを教える小さな先生。その教室に混ざる様に、隣へ寝転んだ。
「お手伝いをしたら此れに絵判子を押してあげよう十個溜まる毎に佳い事───そうだな、君のおねだりを聞こう。お風呂洗いをしたら二つ。他のお手伝いは一つ。どうだい?やれるかな?」
「する!」
嬉しそうに手を挙げる。其れにつられて、基治も手を挙げる。
賑やかな夏休みの始まり、はじまり。

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