11


下の階から絶え間なく爆破の音と衝突音が鳴り響く。私は最上階でハリボテの核兵器を守っているから下の様子はよく分からない。支給されている小型無線機に声を掛け続けても反応は一切返ってこない。どうやら電源を切られたらしい。どうしようかと焦る私を他所にまたしても下の階から爆発音。それと同時に爆豪君の怒号が耳に入ってくる。爆発の時に小型無線機が誤って作動したのだろうか。今まで聞こえてこなかった爆豪君の声が鮮明に聞こえる。この状況なら私の声も届く。そう考えて私は彼に向けて必死に呼びかける。

「爆豪君ってば!!!!!!」
「ンだよォ…クソモブ…俺ぁ今ムカツいてんだよ…黙って守備しとけや…!」
「いい加減にしてよ、緑谷君と何の因縁あるのか知らないけどちゃんと考えてからじゃないと負けちゃう…!」
「うるせェ!!!!!俺だって考えなしに動いてるわけじゃねェわ!!!今、上に丸顔が向かってっからてめェでしっかり守っとかねえとブッ殺すぞ!!!!!」

そう言って小型無線機がブツッという音を立てて切れる。考えてあるとは言っていたが何でそれを共有するということが出来ないの…!!という怒りがフツフツと沸き起こるが、一先ず麗日さんがこちらに向かってきているということを聞き臨戦態勢を取る。

無闇に動いても負けに近づくだけだと思い、大人しく麗日さんが来るのを待ち構えていた。おそらく現在目の前の柱の後ろに隠れているのは麗日さんだろう。

「麗日さん、ここまで来たんだね…?」
「み、見つかっちゃった…?」
「柱の後ろは流石にバレバレだよ…」

ジリジリと麗日さんに近づいて行くが麗日さんの個性の性質上、自身でさえ浮かぶことが出来るらしく捕まえようとしたところ真上に飛ばれてしまった。このまま飛ばれて核兵器に触れられたら私達はあっけなく負けだ。
ふよふよと浮かんでいく麗日さんに、一か八かで柱を蹴り飛んで触れようとする。ギリギリと言うところで麗日さんの腕に触れ、個性を発動させる。

「良かった…間に合った…。」
「えっえっ、何これどうなってん…!?全然動けへん…!!」
「私の個性、時間を操れるんだ…。今ちょっとだけ麗日さんの体内時計を止めてるの。」

と言っても精々30秒程度なのだが。30秒しかないので今のうちに核兵器を別の場所へ移動させておく。麗日さんは先程自身を浮かばせている時に負担のかかる技だと言っていたので2度目はないと考えているが次はどう仕掛けてくるか分からない。

すると、もう30秒経ったのか麗日さんは誰かに返事をし、すぐに柱へしがみつく。一体どういうことだと思う間もなく、下から凄まじい轟音がしビルが崩れ始める。

「へ…!!!!?」
「名前ちゃん、ごめんね!即興必殺」

彗星ホームラン!と言いながら麗日さんが柱を振り回し、崩れ始めた時にでた小石達が私目掛けて飛んでくる。

「建物ごと壊すとか…!!!!」

かわすのに精一杯でいると麗日さんはいつの間にか私の後ろに置いてある核兵器を確保していた。

こうしてオールマイトからヒーローチームの勝利を伝える声が響き渡った。

力及ばず
(うえ………しんどい……。)
(麗日さん!!?大丈夫…!!?って…待って…私も貧血…)


←前 | 次→
<< 戻る