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戦闘訓練を終え立ち尽くした爆豪君に声を掛けようと思ったが上手く言葉が出てこない。どうしようとオロオロしているとオールマイトが任せておいてくれと言って爆豪君の元へ向かう。この後は今戦の講評だが、正直、先程の出来事に面を食らって上手く思考が纏まらない頭で講評が聞き入れられるのか心配だったが、意外にも冷静に頭が働いてくれて講評にもしっかり耳を傾けられることができた。

「今戦のベストは苗字少女!」

そうオールマイトから告げられ私だけでなく周囲にも少しどよめきが起こる。何でか分かる人!とオールマイトの質問に手を上げ答えていたのはポニーテールの女の子。たしか八百万さんと言った気がする。八百万さんは私が1番状況設定に適していたこと。爆豪君、緑谷君の私怨による屋内の大規模攻撃、麗日さんの中盤の気の緩みや乱暴すぎる攻撃などを事細かく説明してくれた。

八百万さんといい、その後戦っていたクラスの皆といい本当にヒーローを目指して今回の戦闘訓練に臨んでいる。なのに私は、ハリボテの核兵器を守ってただけ、その場に居ただけ。いくらオールマイトに良かったと言われてもやっぱり自分じゃ納得できない。
もっと、もっとなんとかしないと、はやく追いつかないと「苗字少女。」色々考えているとオールマイトから声が掛かる。
「苗字少女、急がなくていい。君は今日誰よりも優れた判断した。私が言っても納得できない気持ちは分かるが、まだ入学して2日目だ。大丈夫。君はきっとまだまだ伸びる。焦らなくていいさ。」
「オール、マイト」

大丈夫だよ、と言いオールマイトは緑谷君に講評を伝えるべく保健室へと向かって行く。

確かに、まだ入学して2日目だ。焦ったって何も出来ないのは当然と言えば当然。オールマイトに言われ少し落ち着いた私はゆっくりと教室へ戻る。
教室へ戻ればクラスの皆が自分たちで反省会を行っていた。
「あ、苗字もおいでよ〜!」
「名前ちゃん、貧血平気やった…!?」

三奈ちゃんと麗日さんが反省会へ誘ってくれて、私も反省会へ参加することに。その中で皆の名前を知ることができ、会話も弾んだ。クラスの大半がこの反省会へ参加していたが負傷していた緑谷君は保健室だとしても、爆豪君の姿が見当たらない。

「ね、爆豪君は…?」
「ん、爆豪な、ついさっき先に帰ったぜ。一応止めたんだけどな。」
切島君がそう教えてくれると反省会の話題は爆豪君へ。
爆豪君、きっと私に対して凄い怒っていると思う。けど私だって言いたいことが山ほどある。爆豪君まだすぐそこにいるかな。そう思うと、いてもたっても居られず私はみんなにごめん!と言って反省会から抜け出し爆豪君の元へ走る。電車が一緒だから最悪駅にはいるかな、と考えているとオールマイトを押し退け校門を出ていく彼の姿。
良かった、まだ間に合った。

伝えたいことがある
(名前ちゃん、私のこともお茶子って呼んでくれんかな…!)
(へ、いいの?)
(私も梅雨ちゃんって呼んでくれないかしら)
(わ、分かった、皆名前で呼ぶね。)


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