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最近ニュースで見かけたどっかの偉いさんの訃報のニュースを見ていたら、それが「女優・花城光の父と叔父」だとニュースキャスターが述べていて、俺は衝撃を受けた。
花城さん、親父さんと叔父さんが亡くなったの…か?ヘリの事故だと言っていたし、突然…だよな。大丈夫かな…ショック受けてんじゃないだろうか。会ってどんな様子か見たい…元気づけてやりたい…けど、俺なんかがこんなときに連絡しても迷惑じゃねーか…?
…い…いや!でも…お悔み言うくらい、普通だよな…?
俺は意を決して、花城さんに電話を掛けた。今は夜の8時。忙しいか…?もしかしたら実家でバタバタしてるかも…
そう迷い始めたとき、プツッと呼び出し音が途切れた。
『…はい』
花城さんの声がして、心臓が跳ねる。元気…は、ないよな、当たり前だけど…
「…あ!俺だけど…その…テレビで親父さんたちの件、見てさ…」
『…はい』
「その…ご愁傷様…。…大丈夫か?」
花城さんの声…いつも通りなような気もするし、すこし沈んでるような気もする…。どんな顔してんのか、まったくわからない。そういえば、花城さんから家族の話とか聞いたことないな…。
『大丈夫です。ありがとうございます。』
なんとも事務的な返事が返ってきた。空元気にも聞こえない。本当に大丈夫なのか…?
「そ…そっか、…あ、なんか困ったことあったら、何でも言って。」
『本当に、大丈夫ですから。』
「いや…、…余計な世話かもしれねーけど…大丈夫じゃねーだろ」
『……。』
「家族が…亡くなったんだから。無理すること…」
『無理、してないですよ。本当に大丈夫なので…それじゃあ』
「え、あ…」
…引き留める間もなく電話が切れた。俺、余計なこと言ったな…。だけど…花城さん、何か様子が変だった。
いつもの、優しくて控えめで、愛くるしいあの花城さんからは想像でいないくらい…今の花城さんは…何か…冷たかった。
***
いつもの仕事終わり、ビルのロビーで久しぶりに花城さんが出てくるのを待っていた。
やっぱり電話での様子が変だったし…会おうと誘ったら断られそうだから、ちょっと強引だけどここで待っていれば顔を見れるはず。最近は直接連絡を取り合って花城さんちまで送迎してたから、ここで出待ちをするのは出会った頃のアプローチ以来だ。
にわかに緊張しながらロビーのソファに座っていると、馴染みのスタッフが俺を見かけて駆け寄ってきた。
「どうも、お疲れ様です!」
「ども」
スタッフはちょっとからかうように笑って、声を潜める。
「花城さんですか?」
「……。」
俺がしばらくずっと花城さんを出待ちしていたのはここのスタッフにはバレバレだ。
俺が苦笑いを浮かべるとスタッフは察したようにうなずき、それから同情するような顔になった。
「花城さん、今日は体調不良で撮影お休みだそうですよ。」
「え…体調不良?」
「ほら、父親が亡くなったし…精神的にもアレなんじゃないですかね?今週いっぱいはお休みだそうです。」
「……。」
そんな…電話では、そんな様子はなかったけど…やっぱり無理してたのか…?
俺には、弱みを見せたくなかっただけで…。
「そ…っすか、ありがとうございます。」
「お疲れ様です。」
立ち上がってビルを出る俺にそうあいさつをし、忙しそうに階段へ駆けていくスタッフ。
俺は駐車場で車に乗り込むと、一瞬迷ったのを振り払い、花城さんのマンションへと車を走らせた。
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