088
「お疲れ。」
最終日のテストが終わると、俺は食堂で軽食を買って、生徒会室の様子を見に行った。今日は生徒会の仕事があると光が言っていたから。
「先輩。お疲れ様」
光はファイルに何かの資料を綴じていた。その向かい側には周防もいた。
「お〜、周防じゃん。久しぶりだな」
「…お疲れ様です」
相変わらず愛想はないが礼儀正しい奴だ。周防は挨拶だけすると、黙々と作業に戻った。
「光、腹減ってない?」
「あ、ありがとう。」
光は手を止めてアメリカンドッグをほおばった。周防は『飲食禁止』という張り紙をちらりと見て、何も言わず書類にひもを通す作業を始めた。
「お前らは今回のテストも満点なんだろうな〜」
俺の言葉に光は苦笑いし、周防は謙虚な態度で沈黙を貫く。
「何か満点取るコツとかあんの?」
「うーん…私は教科書とノート丸暗記。」
「それができたら苦労しねーわ」
「周防君はどういう風にテスト対策してる?」
「…出題傾向の分析。」
「は?」
パタン、とファイルを閉じ、周防は静かに言った。
「普段の授業で教師が重要視している範囲と教師ごとの基礎と応用の出題率を考えて試験問題を推測する。」
「……。」
「さすが周防君。」
光はにこにこしている。俺か?俺がおかしいのか?
「…今日は…」
ファイルを閉じた周防が俺と光を見てそう言いかけたから、ああ、と俺は頷いた。
「俺が送るよ。」
「では、お先に失礼します。」
周防は立ち上がり、ファイルを棚に仕舞って荷物を持ち、生徒会室を出て行った。
俺が光を送れず帰りが遅くなる日は周防が送ってくれているらしい。
「…周防って光のこと好きなのかな。」
「え?」
光は目を丸くし、笑った。
「ないない。」
「…そう言うと思ったけど、光は鈍いからなぁ〜」
「だって周防君とは2年間生徒会の話しかしたことないもん。」
「…それもすげぇな」
でも、帰り道は反対方向なのに、光を家まで送り届けたりもしてるし…
「帰りのことだったら、周防君、司のことも送ってくれるし。優しいんだよ。」
「ふーん…」
まあ…光は周防に特別な感情はないようだから、安心だけど。
光は、終わった、と呟いて、ファイルを棚に仕舞うと、また椅子に座りなおした。
「今日何時まで大丈夫?」
俺の門限は19時…光はいつもなら18時。今日もそのくらいかな、と思いながら尋ねると、光はなんだか元気がなくて、首を傾げた。
「…何時でも…」
あんな豪邸のお嬢様が何時でもいいわけない。多分いつもより遅くなったら捜索されて、俺は捕まるんじゃないだろうか。まあいつもくらいの時間に送って行けばいいか…。
帰りたくない…昨日、光が呟いた言葉が蘇る。
…静寂が降りた。
光はアメリカンドッグの包み紙を綺麗に折りたたんでいる。ほっそりとした指先が、白い紙の折り目を押さえつけ、スッと引かれる。
「…なぁ、」
その指先を覆うように手に触れて、俺を見上げた青い目を見つめ返して――俺は身を乗り出した。
一瞬迷ったように顎を引いた光を追いかけて、短いキスをした。…嫌だったかな。いや、いっちまえ。誰もいない部屋で二人きり。時間もある。こんなチャンス、もうないかもしれない。
光の手を引いて立たせ、机の上に押し倒すように迫った。身を竦める光の腰に手を添え、机に座らせるように持ち上げた。光の身体は細く、軽かった。軽々と持ち上がった。力づくでどうにでもなってしまいそうなほどか弱い。キスをして、覚悟したような顔をする光の胸に触れると、強張る身体に反してとても柔らかかった。
両手で胸を包み込むように揉んで、真っ赤な顔の光を見る。光は俺の手の上に手を重ねて、そっと胸から離そうとする。
やめて、と、また言われるのかと思った。だけど、赤い唇を開いた光は言った。
「…鍵…閉めて」
…それって。
「…あ、ああ」
ぱっと手を離し、急いで教室のドアの内鍵を両方締めた。そしてまたキスをしようとする俺から光は顔を背けた。
「カーテン…も…」
俺はまた急いで、窓のカーテンを全て締め切った。教室は薄暗くなり、鼓動が激しくなった。
光のもとに戻ると、光は今度こそ、キスを受け入れた。
「は……」
ブラウスのボタンを外していき、胸をはだけさせ、真っ白なブラジャーの肩ひもをおろす。控えめな膨らみと、淡い桃色の胸の蕾を見ると、ごくりと喉が鳴った。直接胸を撫で、手のひらで包み込み、その柔らかさを確かめながら白い首筋や胸元に欲望のままにキスをして、舐めた。甘い…柔らかい。光はどこもかしこも、甘い花みたいなニオイで…
「……っ」
体を貪る俺を、光は無垢な瞳で見つめている。軽蔑してるかな…変態って思われてるかな。けどもう、我慢できないんだ。
光の息が荒くなってきて、鼓動も感じる。光の目がちらりと動き、俺の昂ったモノがズボンを押し上げているのを見て息を飲む。スカートの中に手を入れ、手探りでソコを撫でる。柔らかくて、あたたかい。
暑くなってきて、ネクタイを解き、ワイシャツの前を開いた。光は少し身を竦める。スカートを捲り、真っ白な太腿と下着に唾を飲み込み、しばし見つめる。胸をあらわにし、スカートを捲られ、下着を曝け出した、あられもない姿の光…。
「や……。」
恥ずかしそうにスカートを戻そうとする光の手を止め、またスカートを捲って、下着に手をかけた。少しずらすと、光はゆっくりと腰を持ち上げ――下着は白い太ももを滑り、脱がされた。
「……。」
俺の手に従って、光はゆっくりと足を開く。そこを見て、俺はやはり、ごくりと喉を鳴らした。
興奮で息が荒くなる。俺、夢みたいなことしてる…。
そこに触れるよりも先に、俺は欲望のまま、顔を近づけた。光は息を飲む。怯んで少し閉じる足を抑え、秘部に舌を伸ばす。
「ん、…」
感じたというより驚いた声。甘い声が聴きたくて、俺はそこを舌で舐め始めた。胸の底をかき乱すにおいと味。甘くて、頭の中がくらくらして…だんだんと、ぴちゃぴちゃと甘美な音が響き始める。
「…や……だ……」
んん、とくぐもった吐息が混じる。光の足の指の先が縮まったり伸びたりして悶えている。
「……んんぅ……。……はぁ……」
光は鼻にかかった声を零した。腰が浮いて来て、もじもじともどかしそうに動き始めた。
俺は口を離し、桃色に色づいた光の身体を見つめ、秘部に指を滑り込ませた。
「……。」
はぁ、はぁ、と息を荒げながら指を迎え入れる光。中は狭くて、熱くて…ぬるぬるしてる。
指を二本に増やすと、光は少し顔を顰め、唇を噛んだ。それでもゆっくりと指を飲み込んでいく。すっかり根元まで飲み込むと、小さく動かしてみて、光の表情を窺った。恍惚として、とろんとした瞳。もう、我慢できなかった。
指を引き抜き、鞄からゴムを出して、ベルトを外して肉棒を取り出し、ゴムを付けた。
花弁の入り口に肉棒を擦りつけた。蜜を絡ませ、お互いが溶けあってしまうんじゃないかと思うほど擦りつけて…だけどそのたびに、俺の肉棒はどんどん硬くなった。
もう痛いくらいだ…。光を見つめ、蜜に塗れる花弁を見て、肉棒の先を入口にあてがう。小さな入り口に硬い棒の先を押し付けて――ゆっくりと、無理矢理、こじ開けるみたいに押し込んだ。
「…い…、痛っ…」
光は体をこわばらせ、はっと息を吐く。
プチプチと、何かを破っていくような感触を感じながら、少しずつ探りながら…奥へ、奥へと肉棒を押し込んだ。柔らかな太腿を押さえ、いっぱいに花びらを押し広げられ、肉棒を飲み込んでいくそこを見つめながら…。
「い、痛い……、先輩……」
「…っ、」
やばい…気持ち良すぎる…。狭くて、キツくて、柔らかくて、熱くて…包み込まれてるみたいで…。
「…いた…っ…、…い、いたい…」
光はか細い声で繰り返す。
「もう少し…だから、」
「い……、…うぅ…」
「力抜いて…」
「…ん」
光は唇を噛んで、閉じていた目から涙をこぼした。
「…う…」
それを皮切りに、ぽろぽろと涙が光の頬を伝って行った。
「…ふ、……っぅ…」
その光の顔を、はだけて濡れる胸を、細い腰を、無防備に開かれた白い太ももの内側を見ながら、腰を動かした。
女の初めては痛いって…しょうがないって、心のどこかで繰り返して、込み上げる快楽に抗えなくて、もう何も考えられずに、腰を動かした。机が軋む音と、ぬちぬちと蜜が絡まる音と、光の息遣いと、自分の興奮した呼吸を聞きながら、夢中になった。
すぐに快楽がこみあげてきて、力尽きるように果てた。机に手をついて、光に覆いかぶさるようにして、初めて光の顔をちゃんと見た。
光は俺を見ていて、その目は涙で濡れていて、頬には涙の痕がたくさんあった。今さら冷静になって、抜く棒を少し引き抜いた。う、と光は顔を顰めた。肉棒には赤い血が蜜に交じって絡みついていて、ゆっくりと肉棒を引き抜くと、その赤い色も広がった。光の真っ白な太腿を伝って数滴、床に赤い粒が落ちた。
「光……」
光は足を閉じ、胸を隠して起き上がった。乱れた髪が半分光の顔を隠した。
「ご…ごめん…」
さっきまで自分が夢中になって何も目に入っていなかったことが信じられなかった。光にこんな痛い、辛い思いをさせるなんて…俺、何やってんだ…
「…大丈夫」
光はそう呟いて、涙を拭った。
「…だと思う」
「……。」
下着を拾って手渡し、俺もゴムの後始末をして、服をなおした。
光は下着を履いて、ブラジャーをなおし、ゆっくりとボタンを閉めた。
床や机の汚れを拭き、カーテンを開けると、外はいつの間にか薄暗くなっていて、それを見た光は鞄からスマホを出し、少し青ざめた。
「…どした?」
「光臣と…姉から、電話とメール…」
時計を見ると18時を回っていた。やばい。光の門限は18時だ。
「今…帰るって、メールしたから…大丈夫」
光はそう言って、机から降りた。降りて立った途端、がくんと床に座り込んだ。
「光!ど、どうした?」
「…い、痛くて…歩けない」
スカートを押さえて光は言った。…俺のせいじゃん!
それって…乱暴にしすぎた、ってことじゃ…
「ごめん…本当…」
「……。」
「…掴まって。俺運ぶから」
光と自分の鞄を首に提げ、光の前に膝をついて背中を向けると、光は少し躊躇った後、背中に掴まった。
光をおんぶして生徒会室を出て、薄暗い帰路を歩き始めた。
「…コンビニまででいい」
「いや、家の前まで…」
「だって、姉に会ったら…」
光がそう言いかけた時、向こうから走ってくる人物に気付いた。そいつもこちらの人影に気付いたような様子で、明らかにこちらに向かって走ってきていて、薄暗い中でやっと顔が見えると、俺は立ち止まった。
柄にもなく焦りをあらわにして汗を流して走って来たのは、光臣だった。
「……。」
光臣は俺と俺におぶさっている光を見て、俺を睨んだ。
「先輩…おろして」
「あ、ああ…」
大丈夫か?と声を掛けながら、光をゆっくりと降ろす。すると光はよろけて俺に掴まり、それを見て光臣は察した様子で今度ははっきりと俺を睨んだ。
「光臣…探しに来たの?」
「連絡も無しに遅くなるなんて珍しいから」
光臣はそう答えながらも俺を睨み続けている。光はそんな光臣と俺を見比べ、俯いた。
「…帰りたくなくて…。」
「……。」
光臣は同情するような目をして、それからやはり俺を睨んだ。
「…今日はずっと俺の部屋に居ればいい。」
……は?
「俺がずっと一緒にいるから。」
俺を睨む挑戦的な目。光は自分の鞄を手に、俺から手を離して光臣の方に歩きだした。だけど痛みに顔を顰めてしゃがみ込み、光臣は光に駆け寄った。
「迎えを呼ぶから、ベンチに座って」
「うん…」
光臣に支えられてベンチに座る光。光臣はスマホを取り出してメッセージを打ち、再びポケットに仕舞うと俺を見た。
「もう帰っていい。ここまでありがとう。」
俺にはわかった。
こいつ…光のこと、本気で好きなんだ。
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