「最近御幸先輩とはどうなの〜?」

休み時間。光に尋ねると、光はきょとんと眼を瞬いた。

「別に普通だけど…何?急に」
「だって最近御幸先輩来ないから〜」
「もうすぐ地方予選だし、テスト前だから忙しいんだよ」

そりゃそうなんだろうけど…。今までは忙しくても結構来てたし。付き合ってしばらく経ったから落ち着いちゃったのかな〜?まあ、いいことなんだろうけど…野次馬してる身としてはつまらない!

「え〜。でももう付き合って長いでしょ〜?もうおうち誘ったりしたの?」

鬱陶しく光にまとわりつくと、光はクールな表情で答えた。

「この前うち来たよ。」
「…んっ!?えっ!?マジ!?」

私の驚きようが想定以上だったらしい。シー、と人差し指を口元にあててたしなめられた。

「…え、で、ど、どうなったの?」
「どうって?」
「し、したの!?」

あの光と御幸先輩が、ついに…大人の階段を!?

「何もしてない。」
「え?」
「勉強して帰った。」

光はあっけらかんとした顔で言った。

「…えー!?高校生がぁ!?家で二人っきりなのにぃ!?」
「うるさいなー」
「あ〜でも御幸先輩って意外と奥手だもんねぇ…」
「え…そう?」
「そーじゃん!速水先輩や結城先輩やその他大勢の男たちに言い寄られてる光を1年間手をこまねいてウジウジウジウジ遠くから見てるだけだったんだからさ!」
「……そんなことないと思うけど」
「いや、そーだって!」

納得がいかないのか信じられないのか、光は口をとがらせてスーンと拗ねた顔をする。

「あ〜でもそっかぁ〜家に行くようになったならもう秒読みかもね…!?」
「変なこと言わないでよ」
「光だいじょーぶ!?ちゃんと可愛い下着とか持ってる!?」
「うるさい」

恥ずかしそうにそっぽを向く光。でも私は光の大親友。光の気持ちはわかっちゃう。

「テスト終わったら一緒に下着屋さん行く!?」
「……。」



***



そして中間テストが終わった日の午後、私と光は電車に乗ってショッピングへ向かっていた。

「今日御幸先輩はよかったの?」
「地方予選始まるから忙しいらしい」

光はスマホで何かを打ちながら答える。御幸先輩にメールかな?

「そっかー、じゃあしょうがないね」
「うん」
「あ、着いたらまず何か食べない?あたしお腹すいちゃったあ」
「うん」
「そしたら下着屋さん行ってー…プリも撮ろ!」
「うん…あ、ねえ」
「うん?」
「私…水着も見たい」
「え?あー!もうすぐ夏休みだもんね!一緒にプール行こうよ!」
「うん、それもだけど…」

光はスマホをしまい、ちょっと照れたようにつぶやいた。

「先輩が、夏が終わったら…一緒に海に行こうって」
「え…!」

そ、それって…

「えーっ!いいじゃんいいじゃん!ラブラブじゃーん!」
「ちょ…声大きい」

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