翌日試合を終え、俺は解散のあとすぐさまタクシーに乗った。念の為学校の近くでおろしてもらい、そこからは歩く。もう真っ暗な道を、だんだんと駆け足になりながら。
「もう着く」と光にLINEを入れながら、走り続けて…懐かしい煉瓦の豪邸の、大きな門が見えてきた。
そこにはすでに、光が立っていた。
「あ…。」
俺を見つけて笑顔になる光。俺もつられて笑って駆け寄る。やっと…会えた。一カ月ぶりだけど、すごく久しぶりな気がした。相変わらず光は綺麗で、可愛くて…
その可愛い顔が、ふにゃりと歪んだ。
目が潤んで、泣きそうな顔で俺に抱きつく光。胸に満ちていた喜びの中に、一抹の不安が混ざり始める。
「光?」
抱きしめ返してやりながら、大丈夫かと様子を伺う。まさかこれほど寂しがっていたなんて…。
嬉しいやら心配やらで胸がいっぱいになる。
「会いたかった…。」
ぎゅう、と最後に強く俺を抱きしめて、光は身を離した。その目には涙が浮かんでいた。
「なんだよ、そんなに寂しかったの?」
いつものように揶揄って笑わせようとしたけど、涙を拭った光の右手の薬指にあの指輪が嵌められていて、俺は息を呑む。大事にしてくれてたんだ…。
「寂しかったよ…。」
光は素直にそう言ってまた涙を拭った。俺はたまらなくなって光の頭を撫で、そのまま抱き寄せた。
「ごめん…。」
「……っ」
胸の中で光の肩が震える。5年って…長いなあ…。どうにかして一緒にいられたらいいのに…。
「光…、そういや俺汗臭いかも…」
俺は急に思い出した。一応試合後に素早くシャワーは浴びてきたものの烏の行水だったし、ここに来るまでにまた走ったし…
「ううん」
光は俺の胸に顔を埋めて首を振る。こんなに甘えてくるの、はじめて…。
俺はしばらく光の好きなようにさせ、その背中をさすった。
「…大丈夫?」
しかしいつまでも離れないのでそう聞くと、光は俺の胸でくぐもった声を出した。
「……えっちしたい」
「……えっ?」
な、なんだ?いま、何つった…?俺の幻聴か?
「だめ…?」
え…!?本気で言ってる!?
そりゃ俺だってずっと欲求不満だけど…まさか光のほうから!?
「や…、…え?親御さんは…」
「…今日は帰って来ない」
「え。…あ、でも、ゴム持ってきてな…」
「…先輩が…うちに置いてったのが…ある…。」
え…。ま、マジで…?急にこんな展開…?
いや…、でも…願ってもない…。
「…しよう」
何と言ったらいいか分からず勢いでど直球に言ってしまった。光は何も答えず、ただ門の扉を開ける。
懐かしい光の家。階段を上がって光の部屋に入ると、電気もつけないまま俺たちはベッドに傾れ込む。
「ん…」
光にキスをしながら体を撫で回す。カーディガンを脱がすと下はキャミソールのワンピース一枚で、光も俺のTシャツの下から手を滑り込ませてきた。
お互いにキスを繰り返し体を重ねながら服を脱いでいき、すぐにほとんど裸になると、光がギュッと抱きついてきた。懐かしいこの柔らかい肌…。吸い付くような、真っ白な…。
光を押し倒して、それまで我慢していた欲望を全て吐き出す勢いで胸を弄る。
「あっ…」
ずっと待ち望んでいたかのような反応。光も俺を求めるように体に手を這わせてきた。
「俺の…触って」
「ん…」
その光の手を自分の聳り立つソレに運ぶと、光は躊躇いなくその肉棒を掴んだ。もう何度も触ったことはあるから、少し慣れたような手つき。それでも以前よりはぎこちなく、この行為が久々だということを物語っていて喜びに近い安堵を感じる。
そのままお互いに体に触れ合って、だんだんと唇でお互いの体にキスをしまくって、そのうちそれは舌での愛撫になっていった。
「んん…」
光が唇で俺の胸元に触れ、だんだんと下に下がっていき…肉棒に行き当たる。そして…まさか、と思った直後、光はその肉棒にキスをした。
「ん…。ん…、」
「ちょ…、どこで覚えたのそんなこと…。」
光は切なげに…もどかしそうにそこにキスを繰り返す。まるで早く入れてと言いたげに。
「…ちょっと…、…舐めて…」
光にこんなこと…とずっと気が咎めて言うに言えなかった願いを、気づけば口にしていた。光は躊躇いなくそこに舌を這わせ始めた。
今までにない未知の感触が這い上がってくる。光がこんなことしてる光景も相待って…これ、やばい…。
「そのまま…口に入れて…舐めて」
俺は何を言ってるんだ…光にこんなこと…!
そう思いながらも久しぶりに会う光と、そしてまたしばらく会えなくなる光と、少しでもより濃厚に絡み合いたくて。じゅぷ…、と光の赤い唇に咥えられて飲み込まれていくさまを見て、肉棒に興奮が集まって、血管が軋むほど膨らんで聳り立ってしまう…。
「ん…っ、う…。はあっ…んんっ…」
光は苦しそうにしながら肉棒をしゃぶり、時々息継ぎをしながら口いっぱいに肉棒を頬張った。もうこんなの、やばいって…。
「光…、そろそろ…」
「んっ…」
ちゅぽん、と音を立てて口を離す光。俺はその体を押し倒し、暴走しそうになる息子を堪えた。
「ゴムは…?」
もう、まじで、今すぐに、ぶち込みたい…!!
「…ごめん、嘘吐いちゃった」
「…え?」
「…ない…。」
俺に組み敷かれて、光は上目遣いで俺をじっと見る。いま…なんて?
「…え!!?」
嘘だろ!?ここまできておあずけ…!?こ、こんなの拷問…いやいっそ、生で…っていやいやダメだろ!何考えてんだ俺…、
「でも、もうすぐ生理だから…大丈夫…だから」
「…え、…」
ねだるように俺に触れる光の言葉に、混乱した思考が止まった。生で…入れてほしい…ってこと…?
ダメだって…、で…でも……
…少しなら……
「…、っ、あっ…!」
ぬぷぷ…、と何の隔たりもなく飲み込まれていく肉棒。入れ始めた直後、俺は直感する。やばい…、これ、生…、やばすぎる!
「あっ、あ…!」
光も直接俺の感触を感じてるせいなのか…今までで一番激しく声を上げる。前よりキツい…。久々だからか…?
「一也先輩…っ」
そんな、俺を求める声で、目で、呼ばれたら…っ
肉棒を根元まで押し込んで、しっかりその感触に包まれるのを感じて、俺は…、
「っく…、」
すぐに肉棒を引き抜いた。
「えっ…?」
光が切なそうな目で俺を見上げ、物欲しそうに肉棒を見つめる。
俺も…やりたいのは山々だけど…!!!
「やっぱ…ダメ…」
危なかった…もう少しでちょっと出ちゃうとこだった…!!
「なんで…?」
光が起き上がって悲しそうに俺を見る。
「俺もすげえ…したいけど…。光になんかあったら嫌だから」
「……。」
「大事にするって…言ったろ」
あ〜…、もう…、中途半端でしかも寸止めって…キッツい…。
「……。」
光は悲しそうに目を伏せた。だけど少しして、こくん、と小さく頷いた。
「…でも…次はゴム持ってくるわ…」
悔しい思いで呟くと、光は少し顔を上げ、小さく微笑んだ。俺はその頬を撫で、またゆっくりと押し倒す。
「?…なに…」
「中途半端で…つらいだろ」
「え…、…あ…。」
光の秘部に指を這わせ、ゆっくりと挿入する。垂れてくるほど濡れて熱を求めるそこは、2本の指を簡単に飲み込んだ。
「あぁ…っ」
少し腰を浮かせてよがる光の胸にキスをし、蕾を舌で転がす。
「あっ!いやぁ…!だめ…!」
この「だめ」は「いい」ってことだ。もう、光のことならわかる。
「あっあっ…んんっ…。いや…。」
この「いや」も、「もっとして」ってことだ。
「いや、いやっ…。あぁっ…!もう…、!」
びくん、と体が跳ねて、中がキュウッと締まる。何度か指を締め付けられて、俺はそのうねりに合わせて指を沿わせる。
「あっ…それ…だめぇ…」
そしてそれまでよりも強く、ギュウッと中が締まった。その後、ヒクヒクと中が震えて俺は光が絶頂したと確信する。
「んんっ…、ふ…、」
光は余韻に浸るように目を閉じて少し震え、俺が指を引き抜くとはっと甘い息を吐いた。
「俺も…いい?」
俺は聳り立つそれを光の口元を差し出す。それだけで光は何の躊躇いもなく、肉棒を口に咥えた。やばいなー、これ…こんなの覚えちゃったら…。
「んっ…んう…」
「そう…ちょっと吸って…歯ぁ立てないように…」
「んん…。」
肉棒を咥える光の顔の、何とうっとりとしたことか。しゃぶるの…意外と好き…?
「ん…、んん…、ふ…っ」
じゅぷ、じゅぷ…と水音が響く。俺はその快楽と光景にぼうっと酔いしれて…込み上げる熱に直前で気がついた。
「っ、あ、ちょ、もうヤバい…っ」
「んん…、…っあ」
ドクッ、ドクッ…、と光の口の中に熱を吐き出す肉棒。や…やっちまった!
「う、けほっ!けほっ」
「ご、ごめんごめん!ほらティッシュ…」
枕元のティッシュを素早く数枚取って光の口元に差し出すと、光はそれを受け取ってまた少しむせる。く…口の中に出しちゃった。
「んん…」
口の中をモゴモゴさせる光…。
「ごめん…気持ち悪いだろ?口ゆすいできな…」
そう言うと、光はふるふると首を振った。
「…苦い」
「え…だ、大丈夫?」
い…嫌じゃない…のか?
「……んふ…」
唇を舐めて、光はどこか嬉しそうに口角にえくぼをつくる。そ、そんな、俺ので、嬉しそうにされたら…堪らない。
だけど…。
俺は脱ぎ捨てていた腕時計を拾い上げ、時間を確認する。そろそろ帰らねえと…
時計を見る俺を光は俄かに寂しそうに見上げる。俺は微笑んで、その頭を撫で、額にキスをした。
「ごめん、行かなきゃ…」
「……。」
「そんな顔すんなって…」
俺だって、まだ一緒にいたい…。ずっと…光と一緒に暮らしたいくらい…。
「また…すぐ会いにくるから…」
本当はそんなこと厳しかったけど、光を安心させるためにそう言った。光は我慢するように唇を結んで、小さく頷いた。
最後に抱きしめ合って、服を着て…光が門まで見送りに出てくれる。
「危ないから中入ってろよ。」
「うん…。」
俺の袖口を掴む光に、俺はたまらなくなって軽いキスをした。
「ほら…もう入って」
「……。」
「じゃないと俺、心配で行けない」
俺がそう言うと、光は渋々門の扉を開けた。ゆっくりと中に入り、寂しそうに俺を見上げる。
「ちゃんと鍵閉めて。」
「…先輩…」
「だーいじょぶだから。」
しかし俺の笑顔に押されて、光はゆっくりと門の扉を閉じた。
数秒迷うように静かになった後、ガチャン、と鍵がかかるのを聞いて、俺は歩き出す。
これは…辛いな…