高校生活3年目は毎日がバラ色だ。
「あはは、東条それ好きだよね」
花城と隣の席で、毎日話せて…。
周りのクラスメイト…特に男子が、驚きの羨望の混じった視線を向けてくる。だって俺は、花城と仲が良い唯一の男子のクラスメイト…、
「…あ、ちょっとごめん。…周防くん!」
…では、なくなった。
「幡野先生、明日また確認するって」
「そうか…ありがとう」
しかもあっちは単なる世間話じゃなく…いつも何か大事そうな話してる…。
2人は少し話した後、花城が先に戻ってきた。
「何話してたの?」
こんなこと聞いても意味ないのに、何聞いてんだろ俺。
「え?あー、生徒会のことだよ」
「ああ…」
ほらな…俺に関係ないってよ…
「ひっかり〜!おはよ〜」
「おはよ。」
そこへ登場する鷹野。鷹野は鋭いから…俺は慌てて笑顔を作る。
「東条君もおはよ!」
「おはよう!」
「今日も爽やかだね〜!」
「あはは、なんだよそれ」
チャイムが鳴って、ホームルームが始まった。
俺は隣の花城の横顔を盗み見る。
御幸先輩とは…どうなったのかな…。
***
昼休み、食堂で信二とご飯を食べて教室に戻ると、花城の席で花城と鷹野がヒソヒソキャッキャとお喋りをしていた。
いつもは俺含む3人で話したりもするけど、2人は女子。俺を入れずに話したい時もあるだろう。
俺は2人の邪魔をしないように静かに席へ行った。
「どうなの〜最近は」
「あ…うん」
「あっ!顔赤くなった!」
「う、うるさい…!」
…御幸先輩の話…?き、気になる。
「会えてるの?」
「この間…来てくれた」
「え?いつ?」
「試合の後…夜、うちの前に行くって連絡きて…」
「え〜!ドラマみたい!」
あ…あの人そんなことするんだ…!?
花城には優しいんだな…。…花城には。
「え…、で!?」
「で…、って?」
「夜…家でしょ!?まさか…。まさか〜??」
「な、なに?ちょ…やめてよ…。」
まさか…って、え…?
それって…そういう…話??
「照れないでよ〜。…エッチしたの?」
すごく、すごく小さい声で、鷹野が楽しそうに聞いて、俺は一瞬目の前が真っ白になった。
花城は何も答えなかったけど、その表情を窺っていた鷹野がだんだん、ひゃ〜…!!と楽しそうな悲鳴を押し殺して盛り上がり、俺は1人ショックを受けた。
隣でこっそり落ち込んでる男がいるなんて思いもしていないであろう花城は、恥ずかしそうに顔を両手で覆う素振りをする。
その動作を見て、俺は…確信した。
あの二人、もう、そういうことしてるんだ…。
まあ…もう1年付き合ってる…んだもんな…。
そりゃ、そうだよな…。
「も〜…ジュース買ってくる!」
「あ、待ってよ私も〜!」
花城と鷹野が立ち上がり、教室を出て行った。
だけど俺は、ただ呆然と…席についたまま動けなかった。