「あ…おはよう!」

朝練を終えて教室に入ると、いつものふたり…花城と鷹野が俺の席を囲って話している。俺があいさつすると、ふたりは笑顔で挨拶を返してくれる。

「昨日はありがとなー。」
「また一緒に行こうね〜」

明るく笑う鷹野に頷き、花城を見た。昨日といえば…あの帰りの出来事。

「花城、あの後大丈夫だった?」
「え?」

きょとんと瞬くきらきらひかるつぶらな瞳。

「帰り…御幸先輩が送ってったんだろ?」
「えっ!?ちょっと待って何の話!?」

詳しく!!と食いつく鷹野を、花城はやかましそうに目を細めて見る。

「いや、寮の前で花城と別れた後、御幸先輩が姿を消したから…てっきり追いかけてったのかと」
「ええ!御幸先輩やるう!どーなの光!?」
「…そうだけど」

騒がれるのが嫌らしく、花城は短く答えて自分の席に座ってしまう。

「まじ!?ちょっとやだキュンキュンしちゃうんだけど!!御幸先輩積極的〜!!」
「ははは…」
「いやそういうのじゃないし…変なこと言うのやめて」
「いやいや御幸先輩は絶対光のこと好きでしょ!ねぇ東条君?」
「え、あ、あー…うーん」

その噂はもう野球部には広がっているのだけど…さすがに本人の前で軽率には言えない。

「えー私昨日のカラオケで確信したけどなー!」
「はあ?どこが?」
「だって御幸先輩ずっと光の隣に座ってたし、ジュース取りに行くのもついてってさー!歌ってる時もずっと光見てたし!」
「司の考えすぎじゃない?ないない…」
「なんでよー!」
「あの人いつもふざけてるだけだから」

み…御幸先輩…!不憫だ…


***


「もうすぐ夏休みだよー!」

鷹野がうきうきした声で花城と話している。

「光〜遊びまくろうね!」
「私学校の夏季講習受けなきゃ。」
「えー!なんで!?」
「期末テスト…学年で30位までの人は特別講習やるって」
「ええ!?」

鷹野の驚きと同時に俺も驚いて花城を見てしまった。

「光何位だったの!?」
「…2位」
「まじ!?そんな頭いいの!?知らなかった!!」
「大げさだって…」

…俺も驚いた。花城って美人なだけじゃなく…勉強もできるのか。完璧なんだなあ…

「え〜〜〜夏期講習っていつ?」
「平日ほぼ毎日午前だけ。」
「ええー!!さみしい〜!!!」
「午後は遊べるよ。」

…俺もがんばろう…

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