文化祭2日目。
「花城さん!1時間でいいんで俺と一緒に文化祭回ってください!」
「いや俺と!30分でいいんで!」
「10分だけでもー!」
今日も色んな学年の男子が朝から花城に押しかけてきた。
「光〜、誰にするぅ?よりどりみどりだよ〜」
「誰にもしないってば!」
完全に面白がっている鷹野に花城はそう答え、教室の奥へ逃げ込む。
「大丈夫か?花城」
「東条〜…」
縋るように俺を上目遣いで見上げる花城…。破壊力が高い…。
「花城さんいませんかぁ〜!?」
「うわっ!また来た!」
廊下が一層騒がしくなり、鷹野が慌てて教室のドアを閉めた。
「…ここにいるとみんなに迷惑かかるし…ちょっと出かけてくる」
「え!ひとりで?」
「うん、ごめんねちょっと抜けちゃうけど…」
「人は足りてるから大丈夫だけど〜…心配だなあ」
「平気、平気。」
「でも、どこ行くの?」
「人がいなそうな…校舎裏とかで時間潰してくる」
花城はさっぱりと言って、人が詰めかけているのとは反対側のドアからこっそりと出て行った。
「大丈夫かな〜?」
「うん…」
花城は人目を惹くから…一人で歩いてたらまた人が群がるんじゃないだろうか。
心配になりながらも、俺と鷹野はクラスの店の仕事に勤しんだ。しばらくして花城がいないと悟ったのか人だかりも解消され、落ち着いて営業できるようになったとき、昨日に引き続き御幸先輩と倉持先輩が冷やかしに来た。
「よお。東条、ウチのクラスにもあとで買いに来いよ〜」
「あ…はい!このあと行きます!」
冷やかしだけじゃなく、宣伝も目的だったらしい。
「…今日花城いねえの?」
そう不思議そうに呟いたのは御幸先輩。…花城も目的だったらしい。
「あ〜光は…」
鷹野が言いかけて、あっ、と突然ニヤッと笑顔を浮かべて御幸先輩に近づいて行った。
「御幸先輩〜このあと暇ですか?」
「え?…まあ暇だけど。何?」
「あのお〜、校舎裏に来てください。一人で!」
「え?なんで?」
「いいからお願いですよお!」
「この後っていつ?」
「今すぐにでも!」
「は…?」
訝しむ御幸先輩と、不思議そうに話を聞く倉持先輩。あまりいい予感を感じていない顔で、御幸先輩は頷いた。
「あーじゃあ…いくよ。よくわかんねーけど」
「一人でですよ!倉持先輩はウチでお茶してってくださーい」
「ハア?一人で茶なんか…」
「東条くんつけますよぉ!」
「ここってそういう店だっけ!?」