〜とある高校テニス部の男子高校生による練習終わり〜
「不二!不二、不二、ふーじー!」
「そんなに呼ばなくても聞こえてるよ。なに?英二」
「今日、泊まりに行っていい?!」
「は?」
「不二先輩〜お願いしますよー!」
「いたたたた、桃先輩!離して!」
「なんだ、なんの話してるんだ?」
「あ!乾〜!乾もこいよ〜!」
「は?」
「ちょっと、英二。なんで泊まり?」
「だって、部屋にDVDプレイヤーあんの不二だけなんだもん」
「そーなんスよ〜!お願いします〜!」
「桃先輩!離してってば!」
「DVD鑑賞会でもするのか?英二」
「そう!とびきりのDVD用意したから!」
「ほう……それは気になるな」
「でしょでしょ?!ね、お願い〜!明日はみんな不二の家から部活行けばいいでしょ?」
「え。嫌」
「ええええ!」
「だって今夜は灯と電話するから」
「電話なんて毎日してんだろ!毎日学校でも会ってんじゃんよ!」
「うわーノロケっスか、不二先輩」
「隅に置けなねーな、置けねーよ。な、越前」
「あ、桃先輩。俺は彼女いるんで」
「てめぇ!裏切ったな!」
「関係ないでしょ。それは」
「桃は未だに彼女なし……と」
「乾先輩、余計なことは書かなくていいんスよ!」
「とーにーかーくー!俺から灯ちゃんに話しとくから!ね!おーねーがーいー!」
「……………………はぁ……」
「おっじゃましまーーーーす」
「うっわ、未だかつてないくらいの人口密度」
「了承したんだから文句言わないの!」
「無理矢理だったじゃない」
「不二先輩の部屋って広いっスねぇ〜!羨ましいっす」
「桃は広くないの?」
「狭いっスね。あるだけマシってやつです」
「俺もそうだな」
「乾はアレだよね〜。部屋に実験道具置いてありそー!爆発して怒られるの!」
「今度招待してやるよ、英二」
「実験の被検体にされそうだからいい!」
「不二先輩、これなんスか?」
「越前、これはカメラの保管容器だよ。湿気とかそういうの天敵だからね」
「へー」
「なに、おチビ。興味あんの?」
「別に」
「越前の部屋なら置けそうだよな〜お前も結構部屋広いもんな」
「いや、興味ないんで」
「お前の部屋はテニスばっかだもんな」
「別にいいでしょ」
「もっと好きなモンとか置けよ〜」
「そうだぞ、おチビ。俺が置いてやるよ!」
「いい!変なもの置きそうだから、英二先輩」
「ところでDVD鑑賞会はいつやるの?」
「ふふふふ、夜も寝静まったら……開催しようじゃないか!」
「おー!」
「乗り気なのは桃と英二だけなんだよね……」
「俺も結構乗り気だぞ?」
「俺は帰りたいっス」
「僕も帰ってもらいたい」
「いやー夕飯にお風呂にごちそうさまでした!やっぱり不二ん家のご飯、美味しいんだよね〜」
「それはどうも。お風呂、全員入った?」
「入ったっス」
「入ったぞ」
「入りました!」
「じゃあ、僕入ってくるから。ハイ、桃」
「なんスか?」
「DVDのリモコン」
「ありがとうございまーす!」
「録画したの見ててもいいから」
「了解っス!」
「不二先輩ってなに録画してんだろ」
「いっちょ見てみるか!」
「不二のデータが取れるな」
「どれどれ、桃!録画リスト出せ!」
「りょーかい!」
「………………これは」
「ガーデニング番組だな」
「……これ、なんスかね」
「高校古典って書いてあるな」
「はっ!これは?!バラエティ?」
「……錬金術の歴史。どこがバラエティなんだ、英二。なにを見た」
「ごめん……」
「あ、コレ。ドラマっぽいっスよ」
「お。おチビでかした!」
「へー月9っすか!意外ですね〜不二先輩」
「あ……これ。灯ちゃんが録画して欲しいって言ってたやつだ……」
「それでか」
「あとはテニスの試合……俺、コレがいいっス」
「まぁ、そだね。俺もこれでいいや」
「そーすね……俺も……」
「これはこれで勉強になるからな」
「あれ?結局テニスの試合見てたの?」
「不二っ!ろくな番組録画してないじゃん!」
「そう?僕は興味あるものしか録画してないけど」
「錬金術なんてなにを生み出そうとしてるんだよ、不二」
「あー、あれ?ちょっと興味あっただけだよ」
「……(この人ならやりそうだよね、人体錬成)」
「なに、越前。僕の顔になにか付いてる?」
「いーえ、別に」
「さーて!気を取り直して!DVD鑑賞会!」
「あ、忘れてた」
「忘れんなよ、越前!」
「で、なにを持ってきたんだ。英二」
「ふっふっふっ!兄ちゃんの部屋からくすねてきた……コレだっ!」
「あー……エロDVD……」
「あー……なんだ、そっちね……」
「なんだ、そういうのか」
「なんすか!先輩達反応薄いっすね!つーか、越前お前も!」
「いや、エロDVDとか見ないんで」
「なんでなんで!決死の思いで持ってきたのに!興味ないのかよっ!」
「英二、この情報過多な時代にDVDなんて持ってなくても見れるでしょう?今更」
「まぁ、そうだな」
「くっ!コイツら……できる……!桃、俺らだけで見よっ!」
「そーすね、英二先輩!」
「え、見るの?」
「そのために不二の家に泊まったんだい!」
「待って。流すならジャンルにもよるからね」
「乗り気じゃないスか……」
「興味ないもの流されても不快なだけだから」
「……(これは不二のいいデータが取れるな)」
「……これとこれ。あと、これね」
「えー!三枚だけぇ?!」
「夜通し見るつもり?」
「明日朝から部活っスよ」
「俺は構わないぞ」
「と、とりあえず流しましょ!」
「ぶー!健全な男子高校生あるまじきことだぞ、不二に越前!」
「英二先輩も彼女いるでしょ」
「いーの!こーゆーのは別!」
「和さんに言うよ?」
「開眼して言うなよ!怖いよ!」
「英二は彼女に弱い、と……」
「乾!そんなん前から知ってるだろ!」
「な、流しますよ〜」
「つーか普通ですね、選んだの。不二先輩」
「え?こっちに興味あったの?越前」
「いや、別に」
「痴漢モノが好きなんだ」
「ち、違います!」
「なんだ、越前。そういうことなら……」
「だから違うってば!」
「確かに不二の選んだの普通っちゃー普通だよね。制服モノとかさー」
「だからさ。不快になるくらいなら見ないって言ってるでしょ。越前は別だろうけど」
「だから違いますって!!!」
「……(不二は意外と普通が好き……越前はアブノーマルが好み……)」
「乾、なにメモしてるの」
「乾先輩、やめて」
「あ、バレた?」
「もー見ようよー!」
「英二先輩、英二先輩!すげーっすよ、この女優さん!」
「うっひゃー!すごっ!」
「……(その談議に加わってもいいけど、もう帰ってほしい)」
「……(もう帰りたい)」
「俺は楽しむかな」
〜そして夜は更けていく……〜
おまけ
「結局、たいして見ずに寝ちゃったね〜」
「英二先輩が一番最初に寝たっすよ」
「次が越前だな」
「僕が最後に全部の電源落として寝たんだけど」
「ふぁ〜……眠い」
「えー何時頃寝たか全然覚えてない〜!つーかまたやろー!」
「今度は普通のDVDがいいっス」
「そうだね。ホラーとか……」
「いいな。洋画邦画どっちがいいかな?」
「マムシ呼びましょ!アイツ、ホラー嫌いだから!」
「やだっ!ホラー絶対やだ!」
「やだ」
「こないだいいの見つけたんだよね。死霊館っていうホラーで……」
「やだやだやだやだ!」
「あぁ、悪魔祓いの話じゃなかったか?」
「そう。面白そうだなって思ってたんだよね」
「うわぁ……いかにもってヤツですね」
「やだ」
「やだやだやだ!ぜってーーーやだ!」
「というか英二。ソレ、どうやって戻すの?」
「はぇ?」
「お兄さんの部屋から持ってきたんでしょ?」
「はっ!戻すというミッションが……!」
「怒られるかもね」
「怒るだろうな」
「怒りそうっすね」
「怒るね」
「…………ッ、不二!今日は俺ん家泊まって!お願いっ!」
「ホラー見るならいいよ」
「〜〜〜ッ、おチビ!」
「やだ」
「ももぅ〜……」
「すんません!無理っす!」
「乾ぃ〜」
「俺、今日はデータまとめたいから無理だな。実験台になってくれるなら別だけど」
「もーーー!みんな薄情者ッ!」
「自業自得でしょ」