ゲリラ豪雨

「わー!雨〜!」
「ちょっと、英二!楽しんでないで!雨宿り!」
「えーこの辺建物あったっけ?」
「もう!走るよ?!」


「運良くあって良かったねー!でも俺、びしょ濡れだー」
「ホントね……。あーあ、傘持ってくればよかった」
「まーこのゲリラ豪雨じゃーどの道びしょ濡れだったよ」
「そーかもしれないけど。……ハックシュ!」
「灯、大丈夫?このままだと風邪引いちゃうね……ッはっくしゅっ!」
「ふふ、英二もね?」
「う〜どーしよっか。着替えられて服乾かせるよーなとこ……ハッ!」
「そんなとこ、この辺にあるかなー」
「………クッ!(あ、あるにはある。ちょっとこの場では言えないよーなホテルが……!)」
「英二?顔赤いよ?熱でも出てきちゃった?」
「へっ?!いや!違う!全然ヘーキ!」
「そう?ならいいんだけど……」
「全然大丈夫!でも、本当にどっしよっか。俺ん家まで走るとか?」
「えっ?!!」
「ちょっと遠いけどね〜」
「い、いや、ソレは英二の物差しで。でしょ?私にはちょっとどころじゃないっつーの」
「あ、ごめん。そーいやそうだ」
「つーか、走るなら私の家の方が近いじゃん」
「え?」
「雨が止むまで待ってたら、本当に風邪ひいちゃう!ほら、行こう!」
「え?ええええ?!」



「ここここ怖かった……!」
「もー雷苦手なら初めからそう言えよ〜。ヘーキなのかと思っちゃったじゃん」
「や、だってあのままアソコにいる訳にはいかないし……」
「まぁ、お陰で灯の家にお邪魔できてるワケだけどね?」
「……ッ!」
「あれー?顔真っ赤だよ、灯サン?なぁに考えてんのかなー?」
「う、うっさい!ニヤニヤすんな!先にシャワー浴びてくるッ!」
「あれ?俺、玄関に放置?」
「タオルで拭いて、ソコで待ってろッ!」
「ほいほーい。……顔真っ赤で可愛いでやんの」


「お待たせ英二。はい。追加のタオルと着替え」
「え?着替え?」
「家にあった兄のだけど。置いていってそのままのヤツ。服は乾かすから早く脱いで」
「……ここで?大胆だね、灯……」
「ばっ!違う!脱衣所でだよッ!分かるでしょ?!」
「いたっ!殴らなくてもいーじゃん!」
「アンタが変なこと言うからでしょ?!」


「シャワーありがとー」
「うん。温まった?」
「暑いくらいに」
「そう?よかった」
「……」
「……」
「灯……」
「あっ!雨!止まないね!」
「灯?」
「どっ、どっしよっかー!なんかもうデートどころじゃないねー!」
「灯」
「何?!雨止んだら、どっか食べに……ンッ!」
「…………なんか緊張してない?」
「不意打ちでキスしないでよ……」
「灯がなんか変だから」
「だって……い、家に英二がいてシャワー浴びてるって思ったら、なんかもう恥ずかしくなっちゃって……」
「恥ずかしかったの?」
「だって!自分の空間に、す、好きな人がいるってなんか……どーしていいか分かんなくて……」
「いーじゃん。俺は嬉しいよ?」
「私も嬉しいけど」
「ね、灯の部屋……行っちゃダメ?」
「い、いいよ……」


「へー!灯の部屋、可愛いね」
「ちょっと、ジロジロ見ないでよ」
「だって、彼女の部屋じゃん。見たいよ」
「そんな大層なモンじゃないっつーの!」
「ウチの姉ちゃんの部屋、めっちゃ物で溢れかえっててさー。だからキレーだし可愛いのっていいよなぁー」
「そ、そう?」
「うん。あと、なんか灯の匂いする」
「えっ?!」
「灯のこと、抱きしめてる時みたい」
「ちょ、なに言って……」
「ね、灯。ギュッてしてもいい?」
「う、うぅ……」
「ほらほら。おーねーがーいー」
「もう!」
「へへ。俺の好きな匂い」
「英二……ッん、」
「あと、可愛い顔」
「ン……もう、バカ……」
「雨、止まないから泊まっていこーかな」
「えっ?!」
「だって、離したくないんだもん」
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