誕生日




月曜日になりお母さんが、またE組に来る日になった

金曜日、悠馬くんの頬にキスして告白したあと
悠馬くんから電話がかかってきたけど、恥ずかしすぎて何喋ったらいいのかわからなくて無視してしまった…

私はドキドキしていた なんて言われるかわからない。
どちらにも。

弥生「失礼します。……沙織。」

「お母さん……私はお母さんの元にも本校舎にも戻りません」

お母さんの目をしっかりと見て言った

弥生「なぜ?」

「本校舎に戻らない理由は、E組の先生は教えるのが上手いし 勉強以外のことも教えてくれる
E組の方が学べるから」

勉強以外とは、暗殺のことだけじゃない。
母(仮)は無言のままだ

「橘家に戻らないのは…………」

言ってもいいのだろうか……母(仮)の機嫌を損ねるだけじゃないだろうか……
それでも…

「自由に生きたいから!もう、あんな生活は嫌だ!」

言った……言いたいことはすべて言えた…もう、後悔はない!

弥生「ッ生意気な!あの生活が嫌ですって?」

「苦痛でしかなかった!!
私が悪いことしたのはわかってる!
自分だけ幸せになってはいけないって何度も思った
普通なら、親と一緒にいるのがいいんだと思う
償うには親といるのがいいんだと思う……」

だけどね……その前にあなたはっ!

「でもっ!お母さんもお父さんも私を見てくれてない!!お姉ちゃんと璃音ばっか…

一度も私はお母さんにもっ!お父さんにもっ!褒めてもらったことない!愛してもらったこともない!親子らしい言葉を交わすこともなかった!

何度もっ!2人が羨ましいって思った 何で私には親らしいことしてくれないんだろうって

唯一、あったとしれば暴力…私が我が儘を言えば殴られる
ちょっとした我儘も許されないの?!

どうしてっ!私のこと愛してくれなかったの!

私を産まなければ良かったじゃん!」

もう、涙を堪えることが出来なかった
どんどん涙が溢れてくる

弥生「そうよ そうだわ…
お前なんて産まなければよかった」

「ッ……!?」

ねぇ……どうして…

「 だったら!ほっといてよ」

私には何故、愛してくれる人がいないんですか…?

私は産みたくないほど嫌な子なんですか…?

私が何をしたんですか…?

弥生「お前は、浮気相手との子供」

「はぁ?」

浮気相手…!?そんなの聞いたことなんてなかった、!

弥生「お前さえ出来なければ 人生が狂うことはなかった
お父さんから愛されることなんてなかったって言ったわね?
当たり前じゃない 本当の子どもじゃないんだから
親に喜ばれて、社員にも知られて産むしかなかったんだから
私だって可愛がらないわよ
おかげでお父さんと仲が悪くなったんだから」

「なにそれ……ほんと、意味わかんない…」

どうしてよっ……

私には生きてる価値がないんじゃないの…


「じゃあ、何のために私を連れ戻すの!」

弥生「後継者がいないからに決まってるだろ!」

そんなの……

「私には関係ないっ!!!
私は所詮道具でしょ?!
私にしたら橘なんてどうでもいいっ!!

苦でしかないっ!
潰れたらいい

そうよっ!潰れたらいいわっ!!!
苦しめばいいじゃないっ!!」

私は泣くことが出来なかった。
親に何を言われてもどうでもいい……


「あんたなんかをっ!
助ける気なんてあるわけないっ!
私とあなたは他人…橘沙織は死んだの

いや、生まれてもなかった…。
証明とかもね、無効なのよ!
他人でしかないんだから!」

弥生「ほんと!こいつ生意気っ!」

「でも、これで橘家の信用もおちたね…?
何人もがこの話聞いてるんだし
何もしなくても潰れる……橘家は悪なんだから」

弥生「っ…!?」

この人は、悔しい顔をして帰っていった
私はショックで
わかってたけど、はっきりと産まなければよかったと言われた