姉が愛する人




“大好きな妹へ

沙織、お姉ちゃんね。
何がなんでも沙織を護ろうと決めてたの

でも、沙織には辛かったよね ごめんね

私、知ってたんだ 沙織が狙われてるって だから、いつも沙織から目を離さなかった

この手紙を読んでるってことは、私は沙織を護れたんだね

嬉しいな 妹のこと護ることができて

沙織、親のことしったとき、逃げてはダメよ。
辛いかもしれないけど私たちには関係ない
そんなこと以上に絆は深いんだから
親のことなんて関係ないわ…ね?
璃音も一緒よ?

それとちゃんと恋しなさいっ!
素敵な人を見つけてね
私はフィディオに逢えて幸せだから。
沙織にもわかってほしいの

最後に、沙織。
人を傷つけることはダメよ
護るためなら許すわ
でも、それ以外では絶対にダメ いい?

それから
私は後悔してないわ。
私の分、幸せに生きて?じゃないと許さないから

愛してるわ 沙織。

璃音と仲良くね。
           沙織の姉、優和より

「ッ…ポロポロ……お姉ちゃん……」

涙を止めることが出来なかった

どうしてっ どうしてっ!
私が狙われてるって知ってて私から逃げなかったのっ!
そしたら、お姉ちゃんはお兄ちゃんと幸せになれたのにっ
ねぇっ どうしてよっ!

ううん そうじゃなくて



お姉ちゃんーーーー






ーーーーーありがとう。



私、もう璃音から逃げないとお姉ちゃんに約束するわ


私は涙をふき、お兄ちゃんにお礼の意味を込めて頭を下げる。
少しして頭をあげて

「お兄ちゃん……本当はお姉ちゃんに私が中学生に…ううん、15歳になったら渡すように頼まれたんでしょ?

だから、誕生日の翌日の今日もってきてくれた」

お兄ちゃんは少し驚いた

フィディオ「うん、そうだよ
沙織、俺はね……君がとても大切なんだ
大切な妹」

「お兄ちゃん…。」

フィディオ「優和が沙織を護りきったことはよくわかるんだ
俺もそうするからね…。
命を無駄にはしないでね」

「お兄ちゃん……私、約束できないかもしれない」

フィディオ「沙織…」

悠馬が働いてるというのに、聞いてるかもしれないのに止まらない

「……私には護りたいものがある
本人に怒られるかもしれないけどね…
だからっ…」

フィディオ「俺と優和のように沙織にもあるなら責めない。
でも、抱え込まないでほしい」

「うんっ…」



ごめんね……お姉ちゃん…お兄ちゃん。

2人が……ううん、春樹にも許してくれないことなんだ

…………復讐…なんだ。

私は所詮………闇でしか生きることが出来ない。


私はどうしても許せない人がいる…

こめんなさい。