修学旅行




修学旅行当日になってしまった…
どうせなら、風邪ひきたかった…休みたかったのに…。
「ハァ…」

私はさっきからこの調子で、ずっとため息ついている。

「そんなに溜め息ついてると幸せ逃げるぞ」

陽くんがそう言うが、幸せねぇー

「幸せなんてない……」

「そう言うなよ…沙織」

悠馬君と陽君と一緒に駅へ向かってる
そう、二人がわざわざ家まで迎えに来たんだ

「沙織の班はどのルートを回るんだ?」

学級委員でもある悠馬くんは知ってるだろうに

「知らなーい」

「知らないってお前……」

陽くんが呆れたように言うが
行きたくないんだから興味なくて話し聞いてなかったんだよ

「付いて行けば大丈夫じゃん!」

「適当だな…」

私の代わりように驚いてるんだろうな
2人には極力、前みたいな喋り方にはしてるから問題ないと思いたいんだけど。

「八神さん!磯貝君!前原くん!おはよ」

渚くんだ。彼から下の名前で呼んでほしいと言われたから数少ない下の名前で呼ぶ人物

「「おはよう」」

私はやる気なさそうに返事する
それで、2人は呆れてる。

「お前……二重人格か?」

陽君を思いっきり蹴る

「いってぇ……」

「お前らやめとけよ…ハァ…」

「私じゃなくて陽君に言って…。」

「3人って………」

そんな私達の様子をみた渚くんは不思議そうにみる

「昔からの知り合いです」

少しチクッとした……なんでだろ…

「俺らは知り合いじゃなくてだな!
もっとこうー、なんちゅーか」

「なに?」

「同士みたいな!」

陽くんは何が言いたいんだろ

あれ?………あの人だれ?
すっごい綺麗だけど、只者じゃないな…

「悠馬くん、あの人は?
なんか美人だけど棘があるような」

「ああ、俺らの教師だよ。英語担当してる」

「そう…。」

なんかね、目が離せないんよね