彼女はいつもより暗い表情でやってきた
「いらっしゃいませ、美沙さん」
「こんにちは、安室さん」
いつもの会話…でも、オーダーが入らない
「カフェオレでよろしいですか?」
俺から尋ねてみた
「……ブラックでお願いします
豆はブルーマウンテンで」
彼女がブラック…それは初めてだった
「かしこまりました」
いつもカフェオレを飲んでいる彼女だ
きっと、苦いのは苦手じゃないのだろうか
そのため、ミルクと一緒に出した
しかし、彼女はミルクを使わなかった
「どうかしましたか?あまり来ない時間帯ですよね」
「今日は休みです…日曜出勤もある会社ですので平日に休みがありまして」
「そうでしたか…」
「あの、安室さんって毛利さんのお弟子さんでしたよね?」
「ええ、そうですが……」
探偵に聞きたいことでもあるのだろうか
「今日って毛利さん空いていますか?
探偵である毛利さんに依頼したいことがありまして」
それは僕じゃダメすか?ととっさに聞いてしまった
「はい」
彼女は即答だった
平常心を保ちながら呼んできますねと伝えた
彼女は何か言いたげだったが
今は他にお客さんもいない
と思い呼びに
毛利さんは驚きながらも付いてきてくれた
「どうしたんだ?美沙さん」
「いやあの…事務所で…ここは迷惑ですし
だから、呼ばなくていいと安室さんに伝えようとしたら聞かずに言ってしまって」
へ…やばい失敗した
「じゃあ、美沙さん
お客さんがいない間、簡単に話聞かせてくれ
お茶飲みながらな」
「はい…人探しを依頼したいです」
人探し…まさしく探偵が良くする仕事
「写真はあるか?それと名前と」
彼女は写真を僕らに見せた
俺は思わず動揺する
それを彼女がじっと見つめていたことを気づかないぐらい
「彼の名前は……緑川唯です」
なんで彼を探してるんだ