黄瀬涼太
火神君の前にDFについた伊月先輩をフルスピードのドリブルで抜き去る
「は!?フルスピードで!?」
そのプレイに驚く日向先輩。
そのまま、火神君はフルスピードのまま
切り返しターンを決めダンクシュート。
次の瞬間、久しぶりに聞く声が響く。
「すごいっスねー!体育館も綺麗っス!!」
体育館の入口の方からの声。
そこには見事な金髪の少年。
その姿にその場にいた殆どが見覚えがあった。
「な、なんであんたがここにいるの!?」
少し震えた声でリコ先輩がそう言う。
金髪の少年は体育館に入り、テツ君の前に立つ。
「久しぶりっスね、黒子っち。」
「どうも、お久しぶりです黄瀬君。」
誠凛の体育館を訪ねてきたのは
“キセキの世代”の1人 黄瀬涼太
1人目はこいつってことね
「なぁ、櫻。黄瀬涼太って…」
火神君はなぜか私に聞いた
「海常高校 黄瀬涼太 “キセキの世代”の1人
中学2年からバスケを始めるも恵まれた体格と
センスで瞬く間に帝光でレギュラー入り。
他の5人に比べると経験は浅いけど
未だ急成長し続けるオールラウンダー。」
「詳しいな、櫻」
伊月先輩は、何も見ず答えた私を不思議に思ったのだろう
そして、櫻の名字に反応した黄瀬の視線が私に向く。
「みづきっち…?
久しぶりっスね!」
「黄瀬」
「な、なんスか!前みたいに」
私は黄瀬の言葉に被せるように
「今日の要件は?」
「そうそう!
今回は練習試合前に1つ挨拶ってことで。
コーチから次の相手が誠凛って聞いて
黒子っちが行ったのを思い出したんで
帝光では1番仲良かったしね。」
「特に普通でしたよ?」
「アレ!?」
他愛もない話が続けられ、
テツ君と黄瀬の間を火神君が割り込む。
「感動の再開のトコ悪いが…
オレと1on1しろよ、黄瀬」
持っていたボールを黄瀬に渡す。
黄瀬は少し考えた後、
「…よし、やろっか!
イイもん見せてくれたお礼っス。」
ボールを持って行く2人の姿を見ながら
テツ君と私は焦っていた。
「『イイもん見せてくれたお礼』ね…」
「…ヤバイかもしれません。」
2人の会話の内容を理解していない先輩たち。
他のメンバーの心配を他所に
2人の1on1は始まった。