VS海常高校

体育館に案内された誠凛メンバー全員が目を疑った。

「体育館の…片面だけ?」

本来2面分ある体育館は2つに分けられ
片面は選手が練習を行っている
海常の選手が監督を連れてくる。

「おぉ、来たか。よろしくな。
今日はこっちだけでやってもらえるかな?」

監督は武内源太。
体育館の件といい話し方といい第一印象はあまり良くない。

「…こ、こちらこそよろしくお願いします。
それで、あの2面に分かれているのは…?」

怒りながらも平常を装うリコ先輩に私は感心する

「見たままだよ。今日の試合はウチは軽い調整のつもりだ
出ない部員に見学させるには学ぶものがなさすぎてね。
無駄をなくすため、ほかの部員たちには
普段通り練習をしてもらっている。

だが、 調整と言ってもレギュラーのだ。
トリプルスコアなどにならないように頼むよ。」

そう、武内監督が告げる。
が、怒りが湧いてくる
ふと、武内にユニフォームを着た黄瀬が目に入る。

「おい、黄瀬!何ユニフォーム着とるんだ!
今日は出さんぞ!!
各中学のエース級がゴロゴロいる海常の中でもオマエは格が違うんだ。

黄瀬抜きのレギュラーの相手も務まらんかもしれんのに
出したら試合にならなくなってしまう。」

さらにその発言が誠凛の怒りの炎に油を注ぎ
リコ先輩のオーラがどす黒いものに変わってゆく。

誠凛の怒りを悟った黄瀬。
気を遣うということを知ったのか

「一応ベンチにはいるので…」

がその言葉は更に油を注ぐ。

「…引きずりだしてあげますよ」

「首洗って待ってやがれ!!」

テツ君と火神君が堂々と言い返し
誠凛メンバーは更衣室へ案内される

私はコートに残りベンチの準備をするが、黄瀬がじっと私を見ていることに気がついた

「アップしたら?」

「みづきっち……どうしたんスか
そんなキツイ言い方…そんなのみづきっちじゃないッス!」

「ハァ…1年もすれば人は変わる
特に私は環境がガラリと変わったからね
他人にはこうなったの」

「他人って…俺らはチームメイトッスよ!」

何を言う…チームメイトじゃなくしたのはあなた達でしょ
あんなプレイをする人らは許せないんだよ、

「だったら!」

私は黄瀬の心臓に拳をあてる

「本来のバスケを知って……
私を失望させないで!」

「本来のバスケ…?」

ワンマンプレイは、バスケとは言わない
バスケはチームで成り立つもの

「私が大切にするべきと思っているもの
それに気づくことが出来たら
あなたは、、強くなる
リョウ君、あなたならわかってくれるって信じてるよ」

私はそう言い残し、更衣室へと向かった
私のことを海常の主将が見ているのに気付かず、
黄瀬が眉を顰めていたことにも気付かず、

涙ぐみながら更衣室に向かった