VS海常高校

テツ君の影の薄さは第2、3Q休んでいたお陰でか慣れていた海常のメンバーもすぐにテツ君を見失うようになったことで元通り

やはり、テツ君が戻ったことにより誠凛の攻撃のキレが増す。
日向先輩の3Pシュートも外れることなく決まり海常の背中をつかむ、つまりは逆点

第4Q残り数分にして、追いつかれた海常
急に黄瀬の雰囲気が一変する。
その変化には誰もが気づいており警戒を強めるが…

「黒子パス!」

テツ君から火神君へのパスが放たれるが
その途中で手が伸びてきて遮られる。
その手の主は黄瀬、そのままダンクを決め海常がリードする。

「…黄瀬……」

今回の試合カットは1度もしておらず
その行動には誰もが驚いた。

「(第4Qでダンクを余裕に…。)」

体力切れも起こっているはずなのに1歩も引かない海常

「オレは負けねぇっスよ…誰にも、黒子っちにも…みづきっちにだって!」

黄瀬のプライドをかけた勝負であることを誰もが実感。

「ここに来てまだ強くなんのかよ…
黒子も見切ったのかよ!?」

黄瀬の覚悟と共に腹を決める日向先輩。
こういうところがいいんだよね、誠凛は。

「やべぇな…全員気ィ入れろ。」

日向先輩の緊張感のある言葉に全員の目つきが変わる

「ここからは第1Qと同じ[#ruby=点の取り合い_#ラン&ガン]だ」

試合時間ラスト15秒、ボールは海常。

「トドメ指すぞ!!」

海常も誠凛も主将の声で再び当初の気迫を取り戻す。

「時間がねぇぞ!!
当たれ!ここでボール獲れなきゃ終わりだ!!」

そう言う日向先輩だがもう足も限界を迎えておりボールをカットしようにも思ったように動けない。

それを見計らい笠松主将がシュートモーションに入る。

『海常の勝ちだ』誠凛以外のメンバーがそう思ったが

「まだだ!!」

笠松主将のボールを奪い取り、全力で駆け上がる
背後からは黄瀬もすぐに追いかけてくる。

「黒子っ!」

ボールをテツ君に託す。
テツ君は火神君の意図を理解したようだ。

「(黒子っちにシュートはない。
2人だったら火神にリターンしかないっス!!)」

リターンかと思いきやらシュートを打つ。

「パスミス!?」

黄瀬や笠松主将の予想はそうだった、
だが…そんなんで勝てるわけないんだ
だから

「違う…アリウープだ!」

テツ君の背後から火神君がボールを受け取りに向かう。

「させねぇっスよ!!」

火神君と黄瀬が同時に飛んだが
先に黄瀬の方が落ちていく。

「まだ…いつまで…!?」

火神君の滞空時間の長さに黄瀬は目を疑う。

「テメーのお返しはもういらねーよ…。」

黄瀬の得意が模倣なら…
「試合終了同時で決めてしまえばいい」

「これで、終わりだ!!!」

テツ君からのボールをゴールへ叩き込み
長いホイッスルが鳴り響く。

試合終了の合図。
スコアは100-98 誠凛高校の勝利。

「っしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁあ!!」

ダンクを決めた火神君はガッツポーズをしながら叫び
誠凛メンバーも全力で喜んでいた。

ふと、黄瀬の異変に気づく
1粒床に落ちる水滴。

「負けたん…スか?」

黄瀬の頬を涙が伝う。

「(生まれて初めて…負け…た。)」

ぽろり、ぽろりとこぼれる涙は止まることを知らずいくら拭おうと止まらない。

私はそんな黄瀬の様子に視界が揺らぐ

黄瀬の涙に、試合を見に来ていた
男子生徒たちがヒソヒソと話し始める。

「黄瀬泣いてね?」

「いや…悔しいのはわかるけど
練習試合だろうが…。」

私は何かがキレた