VS秀徳高校
緑間の言葉に、苛立ちながらも3Pを止めようととぶ火神君だが…ボールはゴールのネットを揺らす。
「悪いがこれが現実だ。」
火神君は飛ぶことができなかった。
火神君の孤軍奮闘も虚しく、点差は縮まらず第3Qは終わる。
そしてベンチ休憩ではいつも以上に私は心を無にし対応する
「くそっ!!」
「火神、熱くなりすぎだ!もっと周りを見ろよ」
「そうだ、それにさっきは行くところじゃねーだろ!1度戻して…」
日向先輩と伊月先輩の言葉も耳に入らないほどの苛立ちを隠せない火神君、それはチームメイトにも牙を向いた
「戻して、パス回してどーすんだよ…」
「あ゛!?」
明らかに先程までの雰囲気と一変している。
「現状、秀徳と渡り合えるのはオレだけだろ?
今必要なのはチームプレーじゃねー。オレが点を取ることだ。」
「オイ、何だそれ!!」
「それと自己中は違うだろ!!」
注意する2年生の言葉も今の火神君には届かない。
挙句の果てに伊月の胸ぐらをつかもうとするがその間に入った人影があった。
体育館中に火神くんへの平手打ちの音が響き渡る
「…!?」
咄嗟のことに火神君も何があったか理解していない。
そのそばには、拳をつくり震わせてるテツくんの姿もあった
火神君の前に立ったのは私だ
思ったより本気で平手打ちをしたようで赤くなりジンジンと痛む
「櫻、テメェ…」
「今なにしようとした?
先輩にこんな口の効き方して!!
先輩を敬えよ!先輩がいたからここまでこれたんだ
思い上がるな!!チームプレイが必要ない?ふざけんな!
チームプレイしないんだったら、ベンチに下がれ
そんなやつに誠凛を背負ってほしくない」
「みんなで仲良く頑張ってりゃ負けてもいいのかよ!?勝たなきゃ何の意味もねぇ!!」
「1人で勝ったって何の意味もない!
そんなんじゃ、キセキの世代と同じ
“キセキの世代”を倒すって言ったのに…彼らと同じ考えでどうするんだよ!
どうしてもワンマンプレイがしたいなら出ていけ
二度とバスケをするな」
「甘っちょろいこと言ってんなよ!
お前にバスケの何がわかるんだ」
私の反論に火神の怒りは頂点に達する。
火神の右腕が振り上げられ、握られた拳は目の前の私の顔を殴り飛ばす。
私はすでに予想していたので受け身をとる
しかし、その威力に転び、辺りにあったものが散乱する。
「そんなもん勝てなきゃ…ただの綺麗事だろーが!」
私が立ち上がろうとすると前が暗くなる
テツくんだ
先程よりも震え力が篭っている拳の行き先は火神だ
本日、二度殴られた火神は呆然するが直ぐに牙を向く
「お前ら2人ともなんなんだよ!」
「じゃあ勝利ってなんですか?
試合終了した時、どんなに相手より多く点を取っていても嬉しくなければそれは「勝利」じゃない…!!」
私も立ち上がった
意外と殴られたところは酷いようで、、本気で殴ってきたようだ
「別にオレらも負けたいわけじゃないって。ただ1人で気張ることはねーってことだよ!」
火神の方に手をかけながら笑顔で答える小金井先輩
こんな状況でも優しく微笑んでいる先輩たちに私は感心する
いつだって、私たちを安心させてくれる
「つか何か異論あるか?」
日向先輩の問に、何か吹っ切れたように火神は答える
「そんなんねぇ…。悪かった…です。
勝った時、嬉しい方が良いに決まってるわ。」
元に戻った火神の表情にほっとする
「さて、櫻のおかけで火神の頭が冷えたのはいいとして…ピンチは変わってねーけどどうする。」
伊月先輩は私の頭をポンポンする
そして、伊月先輩の言葉にテツくんが手をあげる
「スイマセン、1つ今なら使えるかもしれません。
ボクな出来るのはボールを回すだけです
けど、もう一段階上があります。」
「上…でも」
「みづきさん、僕は大丈夫だと思ってます」
テツくんの強い目に私は頷いた
第4Q開始直前、選手はコートに向かっていく
「先輩…さっきはそのスイマセン」
「ん?あぁ、気にすんな…と言いたいが流石にあの口のきき方はな…後でシメる。」
日向選手の言葉に青ざめる火神君
「…スマねぇ櫻」
申し訳なさそうに謝る火神に私は冷たい視線を送る
急に汗が吹き出て来てる火神に私は口角をあげる
「勝て」
私は一言だけ力強く言った
後から皆は言うカッコ良すぎたと
頷く火神。
「っしゃ!行くぞ!!」
第4Q開始の合図が鳴り響く。