「何か随分期待されてるみたいじゃん。けど何かしよってもさせねーよ!」
広いコートを見れる鷲の目
死角がない以上、ミスディレクションが使えないのは明らか。
「(多分、厳密には全く効かないわけじゃない…
高尾の鷲の目はコート全体が見えるほど視野が広い。だから意識を他に逸らしても黒子を視覚に捉え続けるんだ)」
テツくんを見ながら違和感を覚え始める高尾和成
「(だから黒子は意識を自分から逸らす前に逆の誘導を入れた。
つまり自分へ引き付けるようにした。
前半にパスカットされても出続けたより自分の印象付けるため。
狭まった視野なら…今度は逸らせる。)」
伊月先輩から放たれたパスがテツくんへ
「(落ち着け…黒子は見失っても火神の位置はわかる…ボールと火神の間に入れば取れる!)」
火神とテツくんの間に入り込む高尾和成
「…今度は取らせません。
今までは来たパスの向きを変えるだけでしたがこのパスは…加速する!」
超スピードでボールは真っ直ぐ火神の元へ
その勢いをしっかりと抑え火神が受け取る
「ボールをぶん殴った!?(てか速すぎる…何だありゃ!?捕る方も捕る方だ)」
火神を止めるためにDFに緑間がつく
「絶対に行かせん!!」
「(わかってる…けどここで決めなきゃ)」
DFの緑間もお構い無しに大きく跳ぶ
「いつ決めんだよ!!」
ボールをゴールへ叩き込む。
その得点には黄瀬や笠松も驚く。
「やりやがった!ついに緑間っちをふっ飛ばしやがった…(しかもさっきの黒子っちのパスは帝光時代オレらにしか捕れなかったパス…)」
「今のダンクは無理してやったな…ってもそもそもダンクってあんま意味ねーし。」
「派手好きなだけっスよアイツは」
「まーな、けどじゃあ全く必要ないかっていえばそれも違うんだよな…。
点数は同じでもやはりバスケの花形プレーだ、それで緑間をふっ飛ばした。
今のダンクはチームに活力を引き出す、点数よりはるかに価値のあるファインプレーだ。」
息を切らす火神、足は小刻みに震え出す。
声をかけたのはテツくん
「大丈夫ですか?」
「悔しいけどカントクの言う通りだわ…正直跳ぶのはキツイ…後は騙し騙しで緑間のマークをやるしかねぇ…」
悔しそうに震える火神の声
「だからあんま言いたくねぇけど…あとは頼む。」
「…はい!」
テツくんの
火神のダンクでチームの士気はさらに上がる
秀徳に追いつくまであと4点差
「まさか、ここまで追いすがるとはな…」
「緑間君は昔、ダンクを2点しか取れないシュートと言っていました。君の3点は確かにすごいです。
けどボクはチームに勢いをつけたさっきのダンクも点数以上に価値のあるシュートだと思います。」
うちの流れを物理的に切るため、秀徳がタイムアウトを要求。
このまま流れはうちか…それとも秀徳が取り返すか
別れ道のタイムアウトとなる。
第4Q残りは2分、秀徳ベンチでは
「残り2分、ここからは全て緑間で行く。
向こうの10番(火神)は完全にガス欠だ。3Pでねじ伏せろ!」
その指示を受け、秀徳メンバーはコートへ戻る。
その直後、1人の部員が中谷に抗議を入れる
「監督…この場面で1年にやらさるのは。
大坪さんたちだって…」
「緑間が入る時言ったはずだよ。大坪たち上級生が血の滲むような努力をしてきた事など百も承知だ。
それでもこれから3年間、全ての中心は緑間だ。“キセキの世代”を獲得するということはそういう事だ。」