はじまり

何日か仮入部が続いたある日
その日はあいにくの大雨。
そんな中提案された1年生対2年生のミニゲーム

「…確か、去年先輩たちだけで
東京都の決勝リーグまで行ってますよね?」

「まぁな…。」

誠凛高校バスケットボール部
創部わずか1年目にしてのその大躍進はかなり有名でもちろん、今年入部した1年生たちも知っているはず

1年生たちが困惑しているのが目に見える

「さぁて…ルーキーたちはどこまでやれるかね〜?」

相田先輩のホイッスルで試合開始。
ボールはいきなり火神君が持ち、ダンクを決める。
ゴールはガシャンと大きな音を立てる。

「(いきなりダンク!?
想像以上だわ!あんな粗削りのセンス任せのプレイでこの破壊力…。)」

単純プレイ…ね
しかも火神君のワンマンプレイ。
チームプレイする気なしときたか

これは…あの日を蘇らせるのに充分すぎる
チームプレイじゃなければダメなんだ

「とんでもねーなオイ、
即戦力どころかマジで化物だ。」

戦況は1年生が押している。
周りは火神君の活躍に呆気を取られているが
火神君本人は…きっと納得いかないんだろう
それどころか先輩たちはまだ本気を出していない

「(ムカつく!!
神経逆なでされてしょーがねー。)」

火神君の怒りの理由は恐らくテツ君だろう…
初日の日、彼らが一緒にいるのを見たからあの日にきっと彼のことだから大事を言ったに違いない

「(意味深な言葉を残してったくせに…何の役にも立たねぇ。
雑魚のくせに口だけは達者っつーのがムカつくんだよ!!)」

火神君の勢いは止まることを知らず、次々に点を取っていく。

私はこのワンマンプレイをバスケとは言わない
鉛筆を力強く握る

「そろそろ、大人しくしてもらおーかね。
おーい伊月、小金井。」

日向先輩の声に2人が反応。
アイコンタクトで指示が出される。
そのアイコンタクトの後火神君がボールを持った瞬間

「マーク3人!?
しかも、ボールを持ってない時も2人って…」

完璧な火神君封じ。
2年生のトリプルチームにより火神君は封じられ
流れは2年生チームの方へ傾く。
そらそうだ、、高校で決勝リーグまで行った先輩方がここで負けるかっていうのよね
何を火神君は呆気取られてるのか

2年生の強さを身に感じた1年生からは

「…やっぱり強い、勝てるわけなかったし。
もういいよ…」

その発言が火に油。
完璧にキレた火神君がその1年生の胸ぐらを掴みかかる
この程度で諦める人たちはリーグで戦えるわけない、、入部しないだろう

「もういいって、テメェ何だそれ!?」

しかし、火神の背後には黒子。
お構い無しに膝カックンを御見舞し
次の瞬間には火神は膝から崩れ落ちる。

私はニヤリと笑う程度におさめられず、笑いを震えながら堪える

「落ち着いてください。」

さらにキレだす火神君。
私のこともジロリと睨む

そして、この出来事で皆テツ君の存在を忘れていたことに気づく。

さて、彼の本気がみれる