練習後

練習後、久遠さんと会話を交わしてから食堂の前に来たら私たちに対する愚痴を言ってるのが聞こえた

ため息をつき、食堂に入る

「ね、姉ちゃん…!」

「約束事一、監督の指示には従うこと
見てないんだ?」

「それは……見ましたが…」

「じゃあ?なんで文句が出るわけ?」


誰の目も見ず、キッチンに立つ

「お姉ちゃん!
お姉ちゃんはこの大会の副会長ってほんとうですか?」

春奈の問いには無言を通す

「副会長…?」

「あのとき、監督に“私にはそんな経験ない"って言ってました」

「うん、言ったね」

「その後に監督が“お前のサッカーは"って
お姉ちゃんはサッカーをやってるってことですよね?」

「過去形……昔の話よ」

ほんと溜め息出るわ

「じゃあ、何故…名前とFFIの副会長としか書かれてないんですか?
大学名も出身校も出てきませんでした」

「プライバシーって言葉知らないわけ?
会話の中でなら私は話すよ、只調べたことを聞かれるのは虫唾が走る

データーがないと人のこと信じもしない
データーに頼ることしかしない
それってどうなの?

人のプライバシーのこと調べるのはよくない
覚えときなさい」

「っ……監督は何者なんですか?」

「自分で監督に聞いたらどう?」

「そしたらっ……彩さんとの関係はなんですか?」

たったの数時間で…いや、一瞬で春奈は私を慕わなくなった

「関係は上手いこと話せないし
久遠さんがどう思ってるかは知らない
でも、私は尊敬してるし感謝してる」

ずっと切りながら喋るものだから、動揺させてこなくてよかったわ
ふぅ……後は煮詰めるだけ

その間に、明日の朝の食材でも切っておこ

「彩」

明日の食材を切り終わった時に久遠さんに呼ばれた

「どうしましたか?」

「あれを頼む」

思わずニヤける

「了解。」


その様子を見てた皆は不安な顔をしていた


「あっいい忘れてた……監督の指示に逆らうなら辞めなさい」

「や、辞めたくなん」

円堂君の言葉を遮り

「私たちは勝利を求める
そのための練習を考えてる
それを拒否したら絶対勝てないだろうね

私たちはあなた達に負けてほしいわけではないってこと覚えといてよ

それからマネージャー。
これは頼みなんだけど、7時半には出来上がってるから盛りつけて配ってほしい」

「わかったわ!彩さん、無理しないでね」

思わずキョトンとする

「ははは……これぐらいで無理してるなら何も出来ないわ
大丈夫よ…冬花。ありがとう」


食堂から出て、自室に戻り頼まれたことをする

戦うであろう相手の情報をまとめることが頼まれたこと。