「新海藍沢、この中で誰かにトロント大に行ってもらう。レジデントの椅子はひとつだ」

「この椅子は譲れないなあ」

笑いを含めた声で、新海にそう言われると負けたくないと強く思う

そこで俺はトロント大に行きたいんだと思い知った

そうとなれば俺だって譲れない


「午前中だけで4フライトか、今日は多いな。これはまたこっちに押し付けて来るぞー」

「救命は受け入れるだけ受け入れて、捌ききれてないですもんね」

「トロント大の話してもらってもいいですか」

「行くのは年明けだから、秋には決めたい。」

年明けか…光輝のランドセルだって買ったんだ
行くとしても俺1人だろう

置いていくのは心配だ
それに癒やしがなくなるからやっていく自信もない

俺にとってあいつらは大きな存在 
口には出せないが。


すると、胸元のピッチPHSが部屋に鳴り響いた


「ほーら、来たぞ」

「すみません」


美帆はいるだろうか…。


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