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「かごめ!早く、早くー!」
「ちょっと待ってよ!…よし!」
「「じゃあいってきます!」」
「はい、いってらっしゃい。」
私は日暮さくら。
かごめは私の双子の姉で、弟に草太もいる。
私の家は由緒ある神社らしく、御神木や封印された井戸、それに一応お参りも出来る神社だ。
「草太?どうしたの、そこ入っちゃいけないんじゃなかったっけ。」
「でもブチが入っちゃってさ〜。」
「ブチが?」
どうやらブチが入ってしまい、出てこないらしい。
「それなら中に入れば良いじゃない。」
「だって、気味悪くて!」
「何が気味悪いのよ!男の子なんだから!」
かごめの鞄を預かり、ブチを探してもらう。
微妙にカタカタと井戸の蓋が鳴っているけど、多分大丈夫。
「ひやぁぁぁぁぁ??!!!」
「「わぁぁぁぁ??!!!」」
「…って、ブチじゃない…」
「ビックリしたー……」
「も〜!かごめのビックリした声にビックリしたじゃない!」
「ごめん、ごめん。…でもブチで良かった♪」
安心してブチを抱き上げたかごめを見ていると、後ろの井戸の蓋が壊れ、何かが出てきた。
「何っ??!!!あれ…!!!!!」
そして出てきた何かはかごめを捕まえ、井戸の中へと引きずり込み、消えた。
「姉ちゃん!」「かごめ!」
あまりにも突然で、それに信じられない光景に腰を抜かしてしまった。
「……ハッ…!こうしてる場合じゃない!爺ちゃんに言わなきゃ!」
慌てて立ち上がり、井戸から離れ、家へと戻る。
当然、今日の学校は遅刻した。