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犬夜叉と殺生丸の戦いは凄まじいものだった。
見てるのも怖いくらいに。
それに驚いた事にあの人の爪から骨を溶かす程の毒が出ただなんて…
さっきまであの手に触られていたかと思うと全身が痒くなった。

二人の戦いに見とれているとかごめが緑色のチビを踏んずけていた。
そしてとっ掴み合いになる。
助けに行きたいけれども兄弟の方も怖いしで、動けない。

「あっ!かごめ!犬夜叉!」

振り飛ばされたかごめと絶体絶命に陥った犬夜叉。
かごめは鉄砕牙に寄りかかりながら立ち上がったけども、犬夜叉が…!

「っ!!!!!犬夜叉あぁぁぁぁ!!!!!!!!!!」

手を伸ばして走り出すかごめが刀を引いた瞬間、いとも簡単に抜けた。
抜けた音が聞こえたのか、構えていた毒爪も形を潜めた。

「ごめん……抜けちゃった……」

犬夜叉にも妖怪の殺生丸にも抜けなかった刀をかごめは抜いた……
何だか凄いことになってる。

「か、かごめ……」
「どうしよう…っひゃっ??!!!」

一瞬にして目の前に現れ、見下す殺生丸。
どうやら物凄く怒っているらしい。
それにとてつもない人間嫌い。
後ろにいる犬夜叉に向いている間、かごめの前に出る。

「…、…さくらどけ、邪魔だ。」
「い、嫌よ!かごめは大切な姉妹なんだから!」
「……ほお…さくら、私に口答えするか…」

右手首を強く掴まれ、距離を詰められる。

「大人しく従わぬなら、手荒い真似をするぞ。」
「やっ!!!!!───う"ぅ"っ!」

頭蓋骨だらけの床に投げ飛ばされる。
手首が痛い…動かそうとすると激痛が走る。見ると赤を通り越して青紫になっていた。
私という障害が無くなると猛烈な毒風をかごめに浴びせていた。