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「もう!私は帰ります!」
「んな"っ??!!!おめーは帰るな!絶対に殺生丸と何かがあった奴に違いねぇんだ!」
「でも私は何も知りませーーーーん!!!!!」
「それでもなぁ!!!!!」
「かごめ!!!!!かごめの分まで勉強するから許してね!」
「え、あ…うん。元はと言えば犬夜叉が無理矢理連れていったんだもん。」
「無理矢理ってなぁ……!」
「私は大丈夫だからさくらは帰って良いわよ、というかあっちにいてくれた方が安心!」
「ありがとう!じゃあね!!!!!」

私はあの一件が済んだ後、村に戻るなり井戸へと向かった。
だって私は四魂の玉を持っていないし
かごめみたいに巫女様の生まれ変わりでもないし
私は選ばれてなんかいないし……
あの人の事は気になるけど……でも特にここにいる理由はない!
から!帰ることにした!
それにかごめは犬夜叉が守ってくれるから安心だし…

「ただいまー…」
「良かったわ、おかえり。かごめは?」
「私だけだよ。私はかごめと違って特別な感じじゃないし。それにかごめの分まで勉強しなきゃって!」
「そう……そうね。さくらが言うならかごめも大丈夫なんだろうし、かごめにその分、教えてあげてね。」
「うん…!」

これもかごめの為!ちょっと苦手…だけど。
こうして私はかごめとは違う道、現代で頑張っていくことにした。


こっちで頑張ると言って取り敢えず今週の学校は終わった。
一日でも休むと何が何だか分からない。
特に数学が。
それにかごめが休む理由も考えなければいけないという辛さ!

(はぁ……かごめ、ある意味楽かもしれないなぁ…)

ベッドの上で何となく今かごめが何をしているのか考えてみる。
犬夜叉とまだ二人旅なのかな。
それとも新しい仲間が増えてたりして……

「…………ペンダント…あの人も知ってたな……」

でもこのペンダント、もしあったとしても500年も綺麗に残されてる訳がないし、見間違いなんじゃないかな。
あの銀色の妖………殺生丸。

(あれ……考え出したら…あの人の事しか考えられない……)

あの人が持ってるならこのまま想いをぶつけたら届くかも〜…なんて。
何となく静かに胸の前でギュッと握りしめ、あの人の事を思い浮かべてみた。