17

ペンダントを握りしめ、あの人を考えていると周りの音が聞こえなくなった。
次に目を開けると……

「……さくら……?何で…ここに?」
「へ……?かごめ?!」

本当に戦国時代に飛んできちゃった!
しかもかごめの真正面に。

「さくら〜!おめーどうやって来たか知らねぇけど、よく来てくれた!」
「あの〜…この方は?……おおう…お美しい…私の子を……いえ…」
「だ、誰…この人………っ」
「あー…この人はね法師様で弥勒様って言うのよ。で、こっちは狐の七宝ちゃん。」
「わぁぁ…!!!!!かんわいぃぃぃ……!!!!!」
「わ"っ!…わっ!や、やめてくれ〜…!」
「何でい、七宝。照れてやがんのか?」
「うっ、うっさい!」
「弥勒様、七宝ちゃん。この子は私の双子の妹のさくらよ。」
「よ、よろしくお願いしま…す?」

何だかとてつもなく変な出会い方になってしまったけど、まぁ良いや。
と、呑気な事を考えていると地面が揺れた。
ロウソクの火が消え、暗くなる。

「四魂の欠片だわ!しかも物凄い速さで近づいてくる!」


皆で外に出て見ると(靴は適当に借りた)これまた巨大な鬼で山より大きかった。
肩に白い塊が見えた。

「………殺生丸…!」

私達の姿を見つけると一目散に飛びかかってきた。
手に毒素を纏わせて。
逃げようとした瞬間何かに捕まり引っ張られた。

「あっ!やぁぁぁぁ??!!!!!!!!」
「さくら!!!!!」

止まったかと思うと何か柔らかい物で口鼻を塞がれた。
これは……殺生丸の肩の…あの白いもこもこ??!!!
とんでもないものに捕まっていると判明したのも束の間、今度は腕に抱かれた。

「……やはり間違いない……この匂い、その首飾り……」
「殺生丸!てめぇ!!!!!」
「…逃げるでないぞ。」

耳元で酷く低く、でも優しさを感じる小さな声で私にだけに囁く。
それだけを言うと鬼の方へ押し出され、また壮大な兄弟喧嘩が始まった。