19

鞘で応戦する犬夜叉に詰め寄る殺生丸。

「あと一振り…一振りだ、犬夜叉。」

また振り上げてあの衝撃波を出そうとする。

バシッッ

その刀に何かが当たった。
飛んできた方向を見ると、かごめが弓を構えていた。

「次は体に当てるわよ!」

かごめが犬夜叉の窮地を救ってくれた…?!
だけど、前にいる人が消えたかと思うとかごめの前に爪を構えていた。

「…!かごめを殺さないで!!!!!お願い!!!!!止めてぇぇぇ!!!!!」
「こんのっ…!殺生丸!相手はっこのっ俺だぁッッッ!!!!!」

かごめを寸での所で守りきる。
舞い戻ってきた殺生丸は私に近づいてきた。

「………さくら……お前がいると、気が散る!」
「い"っ…??!!!うっ………」

あの時と同じだ……また眠らされ……る……だ……っ…………


「ぅ……っ……ぁ……?」

気がつくとまた空を飛んでいるようだった。それに蜂の羽音。

「目覚めたか……少し目を背けていろ。」
「え…?」

急に不思議な事を言われ、顔をじっと見てしまったが左の肩を露出しようとしているのを見て、慌ててもこもこに顔を埋めた。

(な、何…??!!!どういうこと??!!!)
「危うく腕に喰われる所だったわ…!」

ブチッという音に肉を切った時のような粘着音。
くっつけていた腕をもぎ取ったみたいだ。

(…?光ってる欠片は何だろう?)

何処かへ向かっていく蜂達を追っていると森の中に誰かが立っていた。
木の枝に座らされると、変な被り物を被った人の背後に移っていた。

「気に食わぬ奴だ…………まぁ良い…」

とてつもなく高い枝に下ろされどうしようも出来ないでいると、真横に座ってきた。
瞬間移動がお得意なのね……

「もう寝ろ…お前はもう妖ではない、人間なのだ。」

木の上で寝ろと言われてもと思ったけど、膝枕にお布団代わりのもふもふを被され、懐かしく感じる安らぎの中眠りに落ちた。