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突撃した殺生丸。
犬夜叉と何か揉めている間に大きく迂回しながら、かごめの隣に行く。
「かごめっ!無事で良かった…!」
「さくら?!どうして……」
「殺生丸の所にいたの…でも今はあの2人に集中しないとね。」
二人の方を見ると風の傷が見えるだの、難しい話を始めていた。
「じゃあその極意を犬夜叉に教えてあげて!今すぐに!」
でも教えることは不可能らしい。
犬夜叉……死なないで……
殺生丸は鉄砕牙だけを龍の腕で殴りつける。
その殴る場所は鉄砕牙の急所で、折ろうとしているという。
犬夜叉は仲間の加勢を受け入れず、立ち上がる。
それを見るとまた襲いかかったが、刀を庇うかのように鉄拳を頭にまともに喰らう。
「犬夜叉…!」
犬夜叉が………ううん、殺生丸が危ない。
「殺生丸、やめて!あなたが死んでしまうわ!」
「─!」
「さくら?!そっちは!」
かごめの声が聞こえたけれど、誰かが私に訴えかける。
殺生丸を死なせたくはない!
「っ!そこかー!!!!!」
犬夜叉が鉄砕牙を振り払う。
駄目!お願いだから!
「殺生丸を助けて─────!!!!!」
「…!ッッッ!!!!!」
苦しそうに呻く殺兄を抱きしめ、強く祈る。
「さくら----ッッッ…!!!!!!!!!!!!!!!」
かごめの叫ぶ声が聞こえなくなっていった。