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この殺生丸が……犬夜叉如きに負けた…だと…?
それならず、天生牙の光に連れられ、情けなくも生かされた…とは…!!!!!
それに理性が飛ぶ前、さくらが叫ぶ声。
…………人間になったというのに守ったのか。
………人間の臭い…今、襲われては歯が立たぬ。
どうにか追い払わねば……

「シャ--ッッッッッ!!!!!」
「っ!!!!!」

人間の………子供…?
私に水と食い物など捧げようとするか。
私はいらぬが……さくらにでも食わすか…


「────ん…………ぅっ………」
「…………」
「……………せ……い……」
「……物は食えるか。」
「……………う…ん……」

少し離れた場所に置かれた土産を引き寄せ手元に運ぶ。

「……無事で良かった………」
「…………」
「……………っ……死んじゃったら…っどぅしよっ…て…!」
「………泣くな……」
「だからっ………よかった……っ…!」

腕を上げるのも億劫だが、泣き止ます術を知らん。
どうにか止めるべく、涙を払いとる。
暫く泣いていたが、落ち着いたのか嗚咽が静かになった。

「………あのね……私…わかったよ…」
「……」
「私……貴方の妹…だったんだね。」
「…………」

そのような単純なものではない。
もっと……さくらは…妹であったが…それ以上に……

「聞け………お前の話を…しよう…」
「……私の……前世の、話?」
「あぁ…」

何故だか分からぬが、話す気になったのだ。
話そうと思ったのだ。