111

「じゃーん!そろそろ冬休みも終わるし、私は受験に追われるという事で暫く来れない日が多くなるからお弁当作ってみたー!」
「お弁当!?わーい!!」
「な、何じゃ弁当か…は、早く開けぇい!」

私は中学3年生。
どう足掻いてもやってくる高校受験の文字。
今まではのほほんとお気楽に旅に同行していたけれど、新年を迎えたし、冬休みもあと2日で終わる。
という訳で、私は現代に帰り、ひたすらに勉強を頑張れねばならない。
ということは?
もちろん旅は無理だし、殺生丸にもりんにも邪見にも会えなーい!!!!!
そして私は今日から、帰るつもりだ。
その前に、ギリギリまで楽しく過ごしたい!という訳で、無理を言って昨日の夜に家へ帰って寝て、朝早起きして日が昇る頃には戻ってきた…という神業を成した…
さすが…やれば出来るね!

母さんはニコニコとその話を聞いてくれて、作るのも手伝ってくれた!
かごめとは違って、普段から手伝わない私が作ったともあり、おにぎりが三角じゃなかったりするけど…
美味しかったら良いんだ───!!!!!

「ではでは、オープン!」
「…わー!すごーい!見たことない食べ物もあるー!」
「な、何じゃこれは…!これがお主らの弁当なのか?」
「そうよ?ちなみにおせちはもっと豪華……あー……おせち、ちょっとは食べたかったなぁ…」
「ねぇ、ねぇ!食べてもいい?」
「おっと、りんには…はい!これでお食べ。」
「あ!ふぉうくだよね!ありがとう!いただきまーす!」
「邪見にもあるよ〜」
「お?おぉ、悪いな。じゃあわしもいただきますっ!」
「はいはーい、私もいただきます…!」
「おいしーい!おいしいよー!」
「ウグムグ……さくらにしては上出来じゃないか?」
「ほんとー?ありがとう♪作ったかいがある!」

本当は殺生丸にも少しくらい食べてもらいたかったな…なんて。
でも、良かった……早起きして、寒いし眠いし、でも頑張って作ったお弁当!
よーし……頑張れる気がしてきたー…!