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殺生丸が語った過去の私の話。

どれだけ辛かったのだろう。
どんなに寂しかったのだろう。
どれ程過去の私を焦がれ待っていたのだろう。

「辛かった…よね、過去の私が死んでしまった時。」

「……」

「今の私はもう過去の私ではないけれど…でも…待っててくれていたんだね。」

「……あぁ………もう何年経ったか知れぬ…。」

「ごめんね………でも…ありがとう。話してくれて。何だか、不思議な感じだけど…」

でも、初めて会った時に言った、もう失いはしない…という言葉。
時折、寂しげに私の事を見る瞳。
全てのことに納得がいった。

「このペンダントきっと、過去の私のもう1度会いたいという気持ちに応えてたのかも。」

「……………」

「とても悲しそうな顔してる。もしかして泣いているの?」

「………」

涙は流れないけれど、心は多分とても泣いているんだ。

「大丈夫…大丈夫だよ。もう私は殺生丸の元からいなくなったりなんてしないから。」

「………さくら…」

よく母さんが怖い夢を見た時にしてくれる事を真似してみる。
少し大きな頭を胸元に寄せて、頭を撫でてみる。
殺生丸も私の腰あたりに腕を回して抱きしめていた。